子どもの不安は、理由がはっきりしないまま胸の奥にとどまり、言葉になりにくいことがあります。図書館でも「なんとなく落ち着かないようで…」という声をいただくことがあり、不安は“心のセンサー”のように働いているのだと感じます。
絵本は、その揺れを無理に整えようとせず、安心のよりどころをそっと示してくれる存在です。
今回は、子どもの不安に静かに寄り添い、気持ちが少し動き出すきっかけになる絵本を紹介します。ページをめくるひとときが、心の呼吸を整える時間になれますように。
不安ってどこから来るの?──子どもの“心のセンサー”を読みとく
子どもの不安は、理由がひとつに定まらないまま胸の中に広がることがあります。
図書館でも、ページをめくりながら落ち着かない様子を見せる子に出会うことがあり、その揺れが「何か気になることがあったのかな」と感じられる場面があります。
大人が考える以上に、子どもは環境の変化や予測できない出来事に敏感です。
初めての場所、見通しのつかない予定、ちょっとした違和感——そうしたサインを受け取ると、言葉より早く“不安”が動き出すのかもしれませんね。
絵本は、その気持ちを無理に整えようとはしません。物語や絵の余白が、言葉になる前の揺れをそっと受け止めてくれるため、子どもは自分のペースで気持ちを探りやすくなります。
絵本と向き合う静かな時間が、不安を「わからないまま」ではなく、「たどっていけるもの」に近づけてくれることがあります。
子どもが感じている不安を言葉にできるようになると、親子のやり取りもぐっと穏やかになります。
くわしくは【気持ちを言葉にする絵本】でも紹介しています。
理由のわからない心の“ざわざわ”に寄り添う絵本
理由が説明できないまま胸の奥に広がる“ざわざわ”は、子どもにとって言葉にしづらい気持ちのひとつです。そんな不安に細かい理由を求めず、「そう感じる瞬間もあるんだな」と受け止めるところから、心の余白が少しずつ戻っていくように思います。
ここでは、はっきりしない「揺れ」にそっと寄り添える絵本を紹介します。
似たような感情のゆらぎとして、【子どもの怒りを見つめる絵本】の記事ともつながりがあります。
理由のないこわさ・ざわざわを受け止める|『しんぱいザウルスくん だいじょうぶ だいじょうぶ』
『しんぱいザウルスくん だいじょうぶ だいじょうぶ』は、胸の奥に生まれた“しんぱい”をそのまま抱えた主人公が、日々の中で少しずつ気持ちを落ち着かせていく物語。大きな事件が起こるわけではなく、ページのあいだに流れる穏やかな時間が印象に残ります。
しんぱいザウルスくんが感じる「なんとなくこわい」「理由はわからないけれど落ち着かない」という揺れは、子どもが抱える不安にも重なります。柔らかな線と余白が、感情の輪郭をやわらかく示してくれるため、読み進めるうちに胸の張りつめた感じが少しほどけていく読後感です。
何かを“治す”のではなく、そのままの気持ちを受け止める物語。ざわざわに名前をつける前の段階で寄り添ってくれる一冊です。
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胸の中の“しんぱい”をそのまま受けとめ、ページに合わせて呼吸がすーっと整っていきます。やさしく寄り添う時間ですね。
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胸の奥のゆれる気持ちに光を当てる|『それしかないわけないでしょう』
『それしかないわけないでしょう』は、女の子がお兄ちゃんの言葉に不安を覚え、おばあちゃんの静かな語りに耳を傾ける物語です。
「もうどうしようもない」と感じたときでも、目の前にはいくつもの選択肢がある——その扉を、押しつけではなくそっと開いてくれる語りが印象に残ります。
胸の奥で固まってしまった“不安”は、選べる道がひとつに見えてしまうときに強く揺れます。この絵本は、視点を少し変えるだけで世界がやわらかく動き出すことを、物語を通して自然に伝えてくれます。
深呼吸をひとつしたくなるような余白の多い絵も魅力で、読み終えるころには「こんな考え方もあるのかもしれない」という、静かな明るさが残ります。
いつだって選択肢は一つじゃない。視点を少し変えるだけで、不安の幅もゆるみますね。
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不安がおさまっていく瞬間や気づきを描く|『すーっとすって ふー』
『すーっとすって ふー』は、深呼吸のリズムに寄り添う物語です。
大きな出来事ではなく、ページの動きに合わせて「すー」「ふー」と呼吸を意識する流れが続き、読んでいるうちにからだの緊張がゆるむタイミングが見つかります。
理由のはっきりしない不安がからだに出ることはあります。作中では、怒っているねずみや泣いているぞう、息がはずむことりたちが、「鼻からすーっと、口からふー」と深呼吸を試してみる様子が描かれ、落ち着きがからだ→こころへ伝わっていく過程が読み取れます。
声に出して読むと、ページのテンポがひと休みの合図になりやすい一冊です。
呼吸のリズムに重ねて読み進めるうちに、からだが落ち着き、心もそっとほどけていく……ひと休みの合図になりますね。
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“こわい・心配”を選んで伝えられるようになる絵本
不安は、言葉よりも先に感覚として立ち上がるもの。
色や表情、ページの空気に自分の揺れをそっと重ねられると、「いまの気持ち、これに近いかもしれない」と選びやすくなります。指さしやページ選びが、言葉の前に訪れる小さな自己表現。
ここからは、そんな“気づきの瞬間”に寄り添う絵本を紹介します。
どんな不安か“選びやすい”構成|『カラーモンスター きもちは なにいろ?』
『カラーモンスター きもちは なにいろ?』は、感情を色で見わける発想が印象的な絵本です。
ページごとに“うれしい・かなしい・いかり・ふあん・おだやか”が描かれ、いまの気持ちに近い色を選ぶところから、ことばにしにくい心の状態へ近づけます。
「今日はこの色かも」と指さすだけでも小さな自己表現になり、モンスターの表情が気持ちの揺れをやさしく映します。読み終えたあとも、「いまは何色?」とたずねるだけで対話の入口が開きます。
色で“いま”を指さしやすい構成です。選ぶ動作が、そのまま言葉への橋渡しになりますね。
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心配や怖さをページの中で探せる絵本|『きみのこころをつよくする えほん』
『きみのこころを つよくする えほん』では、見開きごとに“もやもや”の場面が描かれ、怖いとき・戸惑うとき・立ち止まりたいときの気持ちに視線が寄り添います。
ページを眺めながら自分に近い場面を探せるつくりで、「これに少し似ているかも」という気づきが自然に生まれます。
強い励ましではなく、そっと添えられた言葉が静かに届くタイプの絵本。気持ちを急がず、少しずつ整える時間を手元に置ける一冊です。
場面ごとの“もやもや”とヒントを、見開きで確かめられます。探す→選ぶ→ひと言へ、自然につながりやすい構成。
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表情や動きから“今の気持ち”をつかみやすい絵本|『いろいろ いろんな きもちの ほん』
『いろいろ いろんな きもちの ほん』には、いろいろな場面と表情が見開きごとに登場します。
怒った顔、しょんぼりした顔、泣きたい顔、思わず笑ってしまう顔――ページをひらくたび、気持ちのバリエーションが立ち上がる一冊です。
言葉にしづらい揺れも、「このページに近いかも」「この表情かな」と指を向けるだけで、少し輪郭が見えてきます。
表情の動きや画面づくりが多彩で、ページごとに感じ方の違いが伝わる構成。ことばにする前の小さな合図を受け止めやすい、余白のある絵本です。
表情と場面のバリエーションが豊富です。いまの気持ちに近いページを選ぶ動作が、自己表現の入り口になりますね。
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主人公と一緒に“安心を見つける”──不安な気持ちがほどける物語
物語の中で登場人物が不安に触れ、小さな変化を重ねていく姿には、読み手の気持ちがそっと重なることがあります。大きな解決ではなく、“安心のよりどころが見えてくる瞬間”。その過程を追体験できる絵本は、心の揺れをなだめる静かな助けになります。
ページを追う時間そのものが、小さな安心に近づく手がかり。ここからは、気持ちの揺れをそっと受け止めてくれる物語を紹介します。
登園前や寝る前のように気持ちを整えたい時間にも寄り添う一冊を、と考えながら選びました。
怖かった気持ちに小さな変化が生まれる物語|『だいじょうぶ だいじょうぶ』
『だいじょうぶ だいじょうぶ』は、幼い主人公が日々の“こわさ”と向き合う物語です。おじいちゃんがそっと寄り添う場面が重なるたび、胸の奥で固まっていた気持ちが少しずつゆるむような流れがあります。
くり返し届く「だいじょうぶ」という言葉は、励ましよりも“支え”に近い響きで、読み手にも落ち着いた呼吸が戻ってくるよう。
大きな出来事が解決する物語ではなく、気持ちの揺れに小さな光が灯るような読後感が残ります。
登園前や寝る前など、心を整えたい時間にもそっと寄り添う一冊です。
くり返しの「だいじょうぶ」が、からだのこわばりを少しずつほどいていきます。不安に静かに寄りそう。
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安心が少しずつ広がるプロセスが描かれる物語|『かいじゅうたちは こうやってピンチを のりきった』
『かいじゅうたちは こうやってピンチを のりきった』は、困りごとに向き合う“ちいさな作戦”が物語として描かれる一冊です。
主人公たちは、いきなり大きな解決を目指すのではなく、手に届くところから動き出します。その姿が、不安に揺れた気持ちにそっと寄り添います。
場面ごとの工夫や会話にあたたかさがあり、「こういう方法もあるのかもしれない」と読み手が自然に視点を広げられる構成です。ページを重ねるうちに、緊張がゆっくりほどけていくような読後感が残ります。
小さな一歩の積み重ね。そんなリズムを物語がやさしく示してくれる作品です。
困ったときの“小さな作戦”を、物語に沿って一歩ずつ紹介します。不安に押し流されにくい視点が、静かに育っていきますね。
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安心の“よりどころ”が見つかる物語|『つるかめ つるかめ』
『つるかめ つるかめ』は、不安やこわさに出会ったときに唱えられてきたおまじないの言葉を、場面とともにたどる絵本です。
主人公がくり返し口にするフレーズは、呪文のようにリズムがあり、読み進めるうちに気持ちが落ち着くタイミングが見つかります。言葉の響きが、心の中に小さな“よりどころ”をつくっていく感触が残ります。
物語は派手さよりも静かな変化に寄り添うタイプ。場面の余白と言葉の繰り返しが、読み手のペースを尊重しながら進みます。
「不安がなくなる」わけではないかもしれませんが、整う瞬間にそっと寄り添ってくれる一冊です。
不安なときに唱える“おまじない”を、そっと手渡す一冊です。くり返しのことばが、心に小さな置き場所をつくります。
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気持ちの波を落ち着かせる──親子で使えるサポート小物
不安やざわつきは、理由がわからないままふっと立ち上がることがあります。そんなとき、ほんの少し視線を移すきっかけがあるだけで、気持ちの波がおだやかに整いはじめることがあります。
ここでは、絵本と同じように“急がせない”時間をつくってくれる小物を選びました。生活のリズムにそっと入り込み、気持ちの切り替えをやさしく支える道具たちです。
時間の流れを“見える形”で手渡す|Time Timer MOD(視覚タイマー)
赤い面積の広がりで残り時間を示す「Time Timer MOD」は、気持ちの切り替えをそっと助けてくれる視覚タイマーです。音に頼らず時間を“見る”ことで、いま何をするかにゆるやかに意識が向きます。
アラームの音量はダイヤルで調整可能。置き場所によって印象が変わるため、静かな時間をつくりたい場面では無音設定が向きます。家族で共用もしやすく、身支度や学習前の区切りにも使いやすい設計です。
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ゆっくり落ちる動きに意識がほどける| プレイタイマー(オイルタイマー)
オイルの粒が静かに落ちていく様子を眺めるだけで、呼吸がふっと整う「プレイタイマー」。余計な刺激をそぎ落としたつくりで、気持ちを落ち着かせたいときの“間”をつくるアイテムです。
視覚のリズムに意識が寄り添い、頭の中で散らばった不安が少しずつ落ち着くようなイメージ。軽量で扱いやすく、机まわりにそっと置けるサイズ感も魅力です。
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まとめ|今日の不安に、そっとあかりをともすように
不安は、消す対象ではなく、心が外からの刺激を受け取っているサインのようなもの。うまく言えない揺れを抱えたまま過ごす日もあり、そのままでは言葉にしづらいこともあります。
絵本は、その揺れを急いで整えようとはせず、安心できる“ひと呼吸”を手渡してくれる存在です。物語の中の安心ややわらかな色合いが、不安の輪郭を少しだけ和らげてくれます。
ページをめくる静かな時間に、気持ちがふっと軽くなることがあります。読み聞かせでも、ひとりでめくる時間でも、言葉になる前の気持ちを休ませる場が生まれる。
絵本を開くそのひとときが、今日の心にそっと寄り添う支えになります。
