春は、花の色、虫の気配、道ばたの発見が増える季節です。
この記事では、春の季節絵本を「花・虫・おさんぽ」の3つの入口でまとめ、3歳〜8歳(小学校低学年)子が迷わず選べる形にしました。
児童書専門の司書の目線で、読んだあとに春を探しに出たくなる物語を集めています。
はじめに|おすすめ3冊(早見)
春は、感じやすい入口が人それぞれ違います。
花・虫・おさんぽ。
気になるところから読み進められるよう、3冊を先にまとめました。
それぞれの本の紹介パートへそのまま移動できます。
花と色の春を楽しむ絵本|景色が変わると、気分も少し明るくなる
冬の名残がある日でも、花の色がひとつ見えるだけで、春のスイッチが入ることがあります。
ここでは「花を見る楽しさ」だけでなく、景色がめくれていく感じまで受け取れる絵本を集めました。
『チューリップさいた』|春の色がひらいていく流れが、そのまま心に入ってくる
『チューリップさいた』は、春のおえかきで「くろいつち」を描いたしんごくんの出来事から始まります。
まわりに笑われても、じつは“球根を応援したかった”という思いが物語の芯。
友だちや園の大人のまなざしが重なり、毎日の「がんばれ」が、目に見える春の色へ変わっていきます。
花が咲く瞬間のうれしさだけでなく、咲くまでの時間をいっしょに待つあたたかさが残る一冊。
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黒い土の絵が「へんだ」と言われた日から。
小さな応援がつながり、春の色が少しずつ咲いていきます。
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『さくらの谷』|景色が変わっていくのを一緒に歩き、季節がめくれる感覚が残る
『さくらの谷』は、春の手前の枯れ木におおわれた山を歩く「わたし」が、谷底だけ満開の桜に埋もれている景色を見つけるところから始まります。
歌声に誘われて降りていくと、花見をしていたのは色とりどりの鬼たち。
怖さよりも、不思議なあたたかさが先に来ます。
桜の華やかさではなく、「季節がめくれる瞬間」を体でたどる構成。
最後に残るのは、春の明るさと、どこか胸の奥がほどける感覚です。
冬枯れの山道の先に、満開の桜だけが広がる谷。
歩いて降りていくうち、春の気配と“なつかしさ”がそっと重なります。
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『あげはくんとしらさぎさん とくべつなさくら』|春の一日が「特別」になる余韻が、読後に残る
『あげはくんとしらさぎさん とくべつなさくら』は、ジャコウアゲハのあげはくんと、シラサギ(コサギ)のしらさぎさんが、花のみつを探して歩く物語。
ツツジ、タンポポ、そして最後に出会う「とくべつなさくら」。
一日が“きれいだった”で終わらず、友だちが教えてくれた春が、少し特別になる読後感が残ります。
花のみつ探しの旅の先に、みんな散ったあとも咲く「とくべつなさくら」。
友だちが教えてくれた春が、心に残ります。
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ちょうちょ・虫・いきものの春の絵本|小さな動きを追いかけると、春が始まる
春は、足元や空の近くに「動き」が増える季節です。
虫が好きな子も、まだ距離がある子も、まずは“見つける楽しさ”から入れたら十分。
ここでは、春の始まりを軽やかに感じられる3冊を集めました。
『ちょうちょちょうちょ』|ひらひらを目で追うだけで、春の気配が近づいてくる
『ちょうちょちょうちょ』は、「どこからきたの?」「なにしているの?」という問いかけに沿って、ちょうちょの魅力を詩情ゆたかに描く絵本。
言葉で教え込む形ではなく、舞う姿そのものに視線が引っぱられ、気持ちが先に動きます。
大判の絵と特色印刷による色の重なりが、春の明るさを“説明より先”に届けるつくり。
虫の章の冒頭で、まず春を呼び込みたい場面に置きやすい一冊です。
花から花へ、ひらひら。
素朴な問いかけに導かれながら、ちょうちょの「いま」を目で追える時間になり、春の気配が近づきます。
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『にらめっこしましょ むっしっし ひかる むしたち』|虫との距離が少し縮まり、「見たい」が立ち上がる
『にらめっこしましょ むっしっし ひかる むしたち』は、虫の顔を大きく見せて「どの虫かな?」と当てる遊びで進む絵本、近づき方が“観察”として用意されています。
ぴかぴか・きらきらの虫を入口に、怖さより先に「なんだろう」が出る読後感でしょうか。
顔のアップで「むっしっし!」とにらめっこしながら、光る虫たちを面白がれる構成、苦手な子でも「見てみよう」が立ち上がります。
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『だんごむしの だんちゃん うまれたよ!』|見つけた虫が、手元の実感につながっていく
『だんごむしの だんちゃん うまれたよ!』は、だんごむしの赤ちゃん“だんちゃん”の暮らしを、出来事の順で追える絵本です。
水の飲み方、丸まり方、食べるもの、殻がきつくなるたびの脱皮などが、説明ではなく物語の動きとして入ってきます。
最後は「卵を産み、守る」場面まで届き、春の発見が“命のつながり”へ広がる読後感が残ります。
だんごむしの「だんちゃん」が生まれて大人になるまで。
ころんと丸まる・脱皮する・卵を守るが物語でつながり、春の庭の虫が一段近くなります。
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おさんぽが楽しくなる春の絵本|「見つけた」が増えると、外へ出やすくなる
春は、遠くへ行かなくても季節が見つかる日が増えます。
小さな発見がひとつあるだけで、散歩が“用事”から“楽しみ”に変わることも。
ここでは、出発の軽さをつくってくれる3冊を選びました。
『はるが きた! いいもの いくつ?』|日常の中の春を拾い集めて、散歩の目が変わる
『はるが きた! いいもの いくつ?』は、ツクシ・テントウムシ・カエル・ツバメなど、公園の“春”を一つずつ拾いながら数が増えていく構成。
説明より先に「見つける視線」が育ち、歩く時間が小さな探検に変わります。
外に出る理由が見つからない日にも、入口をつくりやすい一冊。
公園で出会える春のしるしを、1から10まで数えていく絵本。
読後に散歩へ出ると、足元の「春」が見つけやすくなります。
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『もぐちゃんのおさんぽ』|道の“しかけ”が多くて、歩く気持ちが乗りやすい
『もぐちゃんのおさんぽ』は、地下の「もぐらマンション」で暮らす家族が、そろって散歩へ出かけるまでを描く絵本。
エレベーターや階段より、もぐちゃんはのぼり棒を選び、うんしょ、うんしょと一段ずつ上がっていきます。
出発前の“助走”が物語になっているので、「歩こう」と言葉で促さなくても、体のほうが先に動き出しやすい構成。
春の散歩の入口に、軽さをひとつ足せます。
外に出る前の足が重い日に。
もぐらマンションの「出発まで」を一緒にたどり、散歩の気持ちがふっと乗っていきます。
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『シカしかいない』|景色が少しだけ変になると、散歩がイベントになる
『シカしかいない』は、公園や銭湯、レストランなど、どこを見てもシカがいる世界を楽しむ絵本です。
ページのすみずみまで目が走り、見つける遊びが自然に立ち上がる構成。
ストーリーで気持ちを動かすというより、「見る」「気づく」を軽やかに積み重ねていきます。
散歩前に読むと、同じ景色でも“発見の目”に切り替わりやすいタイプ。
いつもの道が、急に“探し絵”みたいに見えてくる一冊。
シカだらけの景色を追ううち、外に出る理由がふっと増えます。
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入園・進級の春の絵本|新しい生活が始まる朝に、見通しをそっと足す
春は、環境が変わりやすい季節です。
慣れない朝は「できる・できない」より、「初めてが重なる」ほうが大きいこともあります。
ここでは、生活の流れを明るく想像しやすくする3冊を選びました。
📘 入園や進級の春は、気持ちと見通しの整え方を 入園前におすすめの絵本 にもまとめています。
『にこちゃん にゅうえん! きょうから はらっぱえん』|「園はどんな場所?」が明るく分かって、一歩が軽くなる
『にこちゃん にゅうえん! きょうから はらっぱえん』は、鬼のにこちゃんが“はらっぱえん”に入園する一日を、明るい動きで追う絵本です。
友だちと一緒でも気持ちが先に走ってしまう感じが出てきて、入園前の落ち着かなさに重なります。
園の活動を細かく説明するより、「園ではこんなふうに時間が進む」と体感でつかめるつくり。
春の“はじめの一歩”を軽くしたい場面に置きやすい一冊。
入園が近づく春に。
友だちと一緒の初日でも落ち着かないにこちゃんが、園の空気に少しずつ馴染む流れが残ります。
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『きょうから ほいくえん』|朝の流れが具体で、春の生活が想像しやすくなる
『きょうから ほいくえん』は、はじめて園へ行く“わにくん”の一日を、登園からお迎えまでの流れで描く絵本。
先生のお出迎えや園で過ごす時間が、説明ではなく出来事の順で入ってきます。
楽しいだけに寄せすぎず、「どきどきの朝」をそのまま受け止めるつくり。
春の生活を想像する材料が増え、出発の一歩が軽くなりやすい一冊です。
はじめての園が不安な朝に。
わにくんの一日を順番で追ううち、「ここなら大丈夫かも」と気持ちが少しほどけます。
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『じぶんでよめる ぎょうじずかん』|春の行事が並ぶと、季節の見通しが持てる
『じぶんでよめる ぎょうじずかん』は、1年の行事を月ごとに整理し、「いまの季節」を自分で確かめられる構成。
物語の高揚よりも、生活の輪郭が整っていく読後感が残ります。
春は入園・進級など予定が重なりやすい時期。
行事の全体像をとらえることで、気持ちが落ち着くきっかけになるかもしれません。
春の行事が続く時期に、「次は何がある?」を見通せる図鑑。
ひらがな解説で、季節の流れが少し落ち着いて見えてきます。
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📘 春の節目にお子さまへ一冊を贈りたいと思ったら、卒園プレゼントにおすすめの絵本特集もおすすめです。
小学生の春にも合う本|季節の言葉と行事を楽しむ
年齢が少し上がると、「かわいい」だけでは物足りない日も出てきます。
その代わり、季節の言葉や行事の意味が分かると、春がぐっと身近になります。
ここは主に小学1年生~小学2年生に向けた“例外枠”。
しっかり春を味わえる2冊です。
📘 小学校の春を「見通し」で支えたいときは、入学前の子におすすめの絵本 も合わせてどうぞ。
『さくららら』|春の景色を、ことばでひらいていく写真絵本
『さくららら』は、北国の桜がつぼみをつけ、じっくり開花の準備をする時間を、写真で味わえる絵本です。
「自分の咲く日は自分で決める」という見立てが芯にあり、待つ時間ごと春になる流れが残ります。
写真絵本なので、年齢が上がっても言葉を拾い直せるタイプ。
春の景色を「通り過ぎるもの」から「手元に残るもの」へ寄せてくれます。
桜のつぼみがふくらみ、咲く日を迎えるまでを写真と言葉で追える一冊。
散歩の「きれい」が、覚えておきたい春の記憶に変わります。
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『ふきのとう』|雪の下から春が動き出す瞬間を、言葉と絵で受け取る
『ふきのとう』は、雪の下で春を待つふきのとうたちの声を、詩のリズムで運ぶ絵本。
出来事は大きく動かない分、言葉の反復と間が「季節がほどける瞬間」を際立たせます。
国語の教科書で触れた記憶がある子は、知っている言葉を“絵のある場面”として受け取り直せるところも魅力。
小学校低学年なら、読み聞かせや音読で言葉の響きを味わう時間として置きやすい作品です。
雪の下でふんばる気配が、春の「はじまり」を静かに確かめさせてくれる一冊。
教科書の記憶とつながり、音読でも余韻が残ります。
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春の気持ちが整う道具|「見つけた」と「飾る」を、そっと増やす2つ

春は、外に出たぶんだけ発見が増える季節。
そのまま通り過ぎるのではなく、少しだけ立ち止まれる道具があると、春の時間が長く残ります。
ここでは「観察」と「飾る」を静かに助ける2品を紹介します。
MIZAR(ミザール)|木製ハンドルルーペ
MIZARの木製ハンドルルーペは、木の持ち手と白ガラスレンズのルーペで、覗いた瞬間の輪郭がすっと立ち上がります。
道ばたの草の筋、花びらの粉、虫の足先まで──春の発見がひとつ増える感覚。
おもちゃの虫めがねとは違い、“観察する道具”として机の上に置いておけます。
白ガラスレンズ+木製ハンドルで“道具感”があって◎。
のぞく行為が遊びから観察へステップアップしやすいですね。
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+d(プラスディー)|Michi-Kusa(ミチクサ)
+dのMichi-Kusaは、散歩で摘んだ小さな草花に、ちゃんと“居場所”を渡せるミニ花器。
コップだと倒れやすい短い茎も、剣山にそっと挿すだけで形になります。
机や窓辺に置くと、外で見つけた春がそのまま部屋に残る感じ。
色は「クリア(氷)」や「グリーン(芝)」を選ぶと、暮らしになじみやすそうですね。
小さく静かな佇まい。透明ガラス+剣山の構造が「研究・観察」の空気に合います。
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まとめ|春の絵本は「季節に気づくきっかけ」を増やしてくれる
春の絵本は、何かを教えるためのものというより、「季節に気づくきっかけ」をそっと増やしてくれる存在です。
つぼみの花が開くこと。
虫が動き出すこと。
散歩の途中で、昨日と違う景色に出会うこと。
そんな小さな発見が重なると、春は「ただ来るもの」から「自分で見つけにいく季節」に変わっていきます。
いまの気分に近いところから、春を拾いにいく。
絵本が、外へ出る理由や、季節を楽しむ入り口になりますように。
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