きょうだい喧嘩は、できれば減ってほしいのに、毎日のように起きます。
仲裁してもまたぶつかり、親のほうが先に疲れてしまう日も。
ただ、喧嘩そのものは「関係が壊れた証拠」よりも、「関係をつくっている途中」で起きやすい出来事です。
大切なのは、正しい結論へ急ぐより、仲直りに戻れる道を残すこと。
この記事では、きょうだい喧嘩を「場面」で分け、仲直りまでの流れが見えやすくなる絵本を紹介します。
取り合い、上の子の嫉妬、言いすぎや手が出る場面、謝れない場面など、いま一番近いところから選べるように並べました。
はじめに|おすすめ3冊(早見)
今の気持ちに近いところから選べるように、まずは3冊だけ先に並べました。
気になる本があれば、「この本の紹介へ→」から該当パートへ飛べます。
きょうだい喧嘩は“関係づくりの途中”|仲直りの種は残る
きょうだい喧嘩が起きると、つい「どうしてこうなるの」と気持ちが疲れてしまいます。
でも、ぶつかる場面があるのは、それだけ関係が近く、毎日を一緒に生きている証。
喧嘩は、関係が壊れた合図ではありません。
まだ言葉にならない気持ちが、先に出てしまっただけの途中経過です。
大事なのは、すぐに正しさで終わらせないこと。
あとから戻れる道が残っていれば、関係はまた動き出します。
取り合い・順番でもめる|「貸す/待つ」が物語で入る絵本
おもちゃや順番をめぐる喧嘩は、気持ちが先に走りやすい場面です。
言葉で整える前に、まず空気が動く──そんな流れを物語で渡せる絵本を紹介します。
『おもちゃ かーしーて!』|言葉が出る前の気持ちに、入口をつくる
『おもちゃ かーしーて!』は、欲しい気持ちが先に立ち、声よりも手が出てしまう場面から始まります。
泣く・怒るの手前で、「おもちゃ かーしーて」という短い言葉が、やり取りの中に出てきます。
うまく言えない気持ちを否定せず、言葉に乗せ直す場面がくり返される構成。
ページを追うほど、「待つ/貸す」の形が目に入ってきます。
取り合いの出口を探すときに、言葉の入り口を先に置ける一冊です。
※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます。
取り合いで手が出そうな瞬間に。
短い二語文のやり取りが目に入り、「かーしーて/どうぞ」へ気持ちを運びやすくなります。
価格・在庫はリンク先でご確認ください。
『おにのこにこちゃん かーしーて! ぷんすかぷん!』|気持ちが高ぶる瞬間を、そのまま描く
『おにのこにこちゃん かーしーて! ぷんすかぷん!』は、お友だちの砂場道具を「使いたい」が一気にあふれる場面から始まります。
ぷんすかする気持ちが先に出てしまう様子を、そのまま置いてくれる語り口。
そのあとで、「こんなとき、なんていえばいいのかな?」と問いが立ち上がります。
貸す・待つを正解として押しつけず、言葉が変わっていく場面を出来事で見せる作りです。
取り合いで声より先に手が出そうなときに。
砂場のやり取りを通して「かーしーて」の置き場が残ります。
価格・在庫はリンク先でご確認ください。
『はい どうぞ』|奪い合いの反対側にある時間を味わう
『はい どうぞ』は、動物たちが自分のお気に入りを「はい どうぞ」と差し出すしかけ絵本です。
奪い合いの場面を直接なぞらず、渡すやり取りから始まるのが特徴。
ページをめくるたび、同じ言葉が戻ってきて、手放す動きが自然に目に入ります。
落ち着いた時間に読んでおくと、取り合いの前に思い出せる言葉がひとつ増えそうですね。
仲直りの前に、まず空気を整えたいときの軽い一呼吸にも合います。
取り合いで空気が荒れたあとに。
渡す言葉がくり返し出てきて、「次はどうする?」の置き場が残ります。
価格・在庫はリンク先でご確認ください。
上の子の気持ちが荒れる|嫉妬やさみしさを回収する絵本

下の子が小さかったり、手がかかる時期が続いたりすると、上の子の気持ちは行き場を失いやすくなります。
我慢しているつもりでも、ふとした瞬間に荒れた形で出てしまうことも。
ここからは、嫉妬やさみしさを「なかったこと」にせず、気持ちが落ち着く方向へ回収していく絵本を紹介します。
『ちいさい おねえちゃん』|「わたしも見てほしい」を、そのまま受け取る
『ちいさい おねえちゃん』は、弟が生まれてから母の膝が弟中心になり、「わたしも見てほしい」が積み重なる日々を描きます。
小さなおねえちゃんの視点で、さみしさや戸惑いが静かに続きます。
ある日、母が「二人だけでおでかけしない?」と声をかけ、空気が少し変わります。
感情をきれいに言葉にできない時期でも、気持ちの所在がページの中で見えやすい作りです。
下の子が優先されて荒れやすい日に。
母と「二人の時間」を取り戻す場面が、上の子の気持ちの置き場になります。
価格・在庫はリンク先でご確認ください。
『えっびっ このこ だいっきらい』|強い言葉に隠れた気持ちを、ほどいていく
『えっびっ このこ だいっきらい』は、きょうだいを迎えた上の子の嫉妬や不安が、勢いのある感情として前に出る物語です。
「だいっきらい」という強い言葉が飛び出すところから始まり、取られたように感じる瞬間が続きます。
笑いの要素が挟まるので、気持ちが一方向に固まりにくい作り。
読後は、怒りの下にあるさみしさへ目が向きやすくなります。
関係をやり直す前に、まず空気をゆるめたいときの一冊です。
下の子が来て心が荒れる日に。
嫉妬や戸惑いを笑いと一緒に置き、次に出せる言葉の余白が残ります。
価格・在庫はリンク先でご確認ください。
『このきもちどうする? ずるいって おもっちゃう!』|不公平感を言葉にして、整理する
『このきもちどうする? ずるいって おもっちゃう!』は、「ずるい!」と感じる瞬間をテーマにした絵本です。
損した気持ちや納得できなさが前に出る場面を、言葉にしながら進んでいきます。
気持ちを押し込めるより、まず出してみるところに重点が置かれています。
きょうだい間でも起きる「なんで自分だけ」の荒れを、ほどく前段として使いやすい一冊です。
比べて熱くなる日に。
モヤモヤをそのまま言葉にしていくページが、落ち着く前の“気持ちの置き場”になります。
価格・在庫はリンク先でご確認ください。
言いすぎ・叩くが出る|気持ちを落とす前に止める絵本
感情が一気に上がると、言葉より先に体が動いてしまうことがあります。
叱って止める前に、いったん気持ちを落とす“間”をつくれる絵本を3冊紹介します。
📘怒りが先に出る日は、気持ちを言葉にする糸口を 気持ちを言葉にする絵本 にもまとめています。
『カッカしたきもちが スーッときえる ドラのまほうのこきゅう』|怒りが上がった瞬間に、戻る合図をつくる
『カッカしたきもちが スーッときえる ドラのまほうのこきゅう』は、怒って友だちに当たってしまったドラが、心を落ち着ける「まほうの呼吸」を教わる物語です。
カーッとしたときに温度計を思い浮かべる合図が出てきて、気持ちの上がり方に目が向きます。
怒りを消す話ではなく、上がったあとに戻る手順をページで見せる作りです。
言いすぎ・手が出そうな前に、切り替えのきっかけを残したいときに。
言いすぎそうな瞬間に。
温度計を思い浮かべて呼吸へ戻る合図が、ページの中に何度も出てきます。
価格・在庫はリンク先でご確認ください。
『いらいら ばいばい』|爆発前にできる、小さな動きを見つける
『いらいら ばいばい』は、イライラやムカムカがふくらむ場面から始まり、その気持ちと付き合う方法が物語の中に出てきます。
怒りを消す話ではなく、いまの自分に気づく視点が先に置かれています。
試せる行動が複数示され、ひとつに固まりがちな気持ちに選択肢が増えていくのが特徴的。
言いすぎ・手が出そうな前に、立ち止まる合図を増やしたいときに合います。
爆発しそうで声が強くなりそうな日に。
試せる動きが複数出てきて、「次はこれ」を選びやすくなります。
価格・在庫はリンク先でご確認ください。
『こころ しずまる まほうの まねっこ こどもマインドフルネス』|落ち着くまでの道筋を、目で追える
『こころ しずまる まほうの まねっこ こどもマインドフルネス』は、「いらいら」「かんしゃく」「はしゃぎすぎ」など心が落ち着かないときの過ごし方を扱う絵本です。
ページの中に“まほうの まねっこ”が出てきて、落ち着くための動きが目で追えます。
「落ち着きなさい」と言葉で押すのではなく、いまの状態から手を動かす入口が置かれています。
読み終わりは、「まずひとつやってみる」が残る感覚。
言いすぎ・手が出そうな前に、切り替えの合図を増やしたい日に合います。
爆発しそうで声が強くなる前に。
いまの気持ちに合う“まねっこ”が見つかり、落ち着くまでの一手が残ります。
価格・在庫はリンク先でご確認ください。
謝れない・引っ込みがつかない|仲直りの“最初の一言”が出る絵本
本当は仲直りしたいのに、どう言い出せばいいのか分からない。
気持ちがこじれてしまい、言葉だけが遅れてしまう場面があります。
この章では、謝る言葉を急がせず、まず「近づく」「声をかける」入口を作る絵本を紹介します。
📘 「どう戻したらいいか」で迷う場面は、友だち関係のモヤモヤに寄り添う絵本にもつながります。
『なかぎゅー!』|言葉より先に、近づくことができる
『なかぎゅー!』は、けんかして素直になれないときに使える“仲直りの合図”を見つけた「ぼく」から始まります。
「仲直り」と「ぎゅー」を合わせた言葉が、仲直りの入口として出てきます。
無理に「ごめんね」を言わせる話ではなく、近づく動きへ気持ちを運ぶ発想が中心。
読み終わりには、言葉が出ないときに使える“最初の一手”が手元に残ります。
きょうだい同士でも友だち同士でも、引っ込みがつかない場面に合わせやすい一冊です。
引っ込みがつかない日に。
謝る前に使える“合図のことば”があり、近づく動きへ気持ちを運びやすくなります。
価格・在庫はリンク先でご確認ください。
『そらまめくんの ごめんなさい』|揺れながら、言葉に向かっていく
『そらまめくんの ごめんなさい』は、遊んでいるうちにけんかになってしまい、言い直したいのに言えない時間から始まります。
「ちゃんとあやまればよかった」と思いながらも、すぐには声にできず、気持ちが行ったり来たり。
無理に急がせず、もじもじしてしまう様子まで、場面として追える作りです。
謝りたい気持ちがある子の“引っ込みがつかない”を、静かに受け止める一冊です。
言いすぎたのに謝れない日に。
もじもじの時間ごと描き、最初の「ごめん」を出す入口が残ります。
価格・在庫はリンク先でご確認ください。
『なかなおりしよ(とびだし)』|入口の言葉を、先に差し出す
『なかなおりしよ(とびだし)』は、けんかのあとに怒っているはずなのに、なぜか悲しくなる気持ちから始まります。
「なかなおりしよ」という短い言葉が、強い謝罪より先に登場します。
しかけの動きがあるので、ページを開くたびに気持ちが前へ動く感覚が残ります。
言葉の重さが軽く、声に出す練習としても使いやすい構成。
引っ込みがつかないときの“最初のひとこと”を、手元に置いておきたい一冊です。
謝れないまま固まる日に。
強い言葉の前に「なかなおりしよ」が先に出てきて、近づく合図を置けます。
価格・在庫はリンク先でご確認ください。
まとめ|仲直りは「正しさ」より「戻る道」を残す

きょうだい喧嘩は、どちらが悪いかを決めて終わる出来事ではありません。
気持ちがぶつかったあとに、関係へ戻る道が残っているかどうかが大切になります。
今回紹介した絵本は、謝らせるための道具ではありません。
言葉が出ない時間や、気持ちが荒れた瞬間も含めて、戻るまでの過程を支えてくれます。
すぐに解決しなくても、あとから整い直せる。
その余白があるだけで、家庭の空気は少し軽くなります。
正しさよりも、戻れる道を。
そんな視点で、絵本を手元に置いてみてください。
📘関連ページもどうぞ。
