自信がない子どものための絵本【児童書専門の司書が届ける】自己肯定感から小さな一歩へつなぐ物語

パズルのピースを手に考え込む男の子の様子

「自信がない」と感じるとき、子どもは何もしていないようで、実は心の中で立ち止まっています。

できない自分を責める前に、まず足元を整えてあげたい。

そんな場面で、絵本ができることがあります。

大きな成功や前向きな言葉を与えるよりも、「そのままで大丈夫」という感覚をそっと戻すこと。

そこから、小さな一歩が自然に出ることも少なくありません。

この記事では、自己肯定感の土台を整え、失敗しても戻れる道を残してくれる絵本を、児童書専門の司書の視点で選びました

あわせて、親の気持ちを支える一般書も2冊だけ紹介します

今の気持ちに近い一冊から、ゆっくり開いてみてください。

目次

はじめに|入口の3冊(早見)

今の気持ちに近い一冊が、先に見えるように並べました。

気になるところから、本文でゆっくり確かめられます。

① そのままで受け取ってほしいとき

あなたがいるだけで(おばあちゃんからのてがみ)
がんばらなくても大切だと伝わり、心の足元が静かに整います。
年齢目安:年長〜 この本の紹介へ→

② 何もできない気がして止まるとき

とりあえずやってみようよ
「一回だけ」が選べて、動き出すハードルが下がります。
年齢目安:年長〜 この本の紹介へ→

③ 失敗して気持ちが沈んだとき

ババが言います
つまずいても受け止めてもらえる感覚が残り、立て直しやすくなります。
年齢目安:年長〜 この本の紹介へ→

まず“だいすき”を手渡す|愛されている確信が土台になる

自信が揺れているとき、子どもは「できる・できない」以前に、自分の立ち位置を見失いがちです。

先に必要なのは、評価や結果ではなく、「ここにいていい」という感覚。

絵本は、その確信を静かに手渡せます。

『あなたがいるだけで(おばあちゃんからのてがみ)』|条件なしの「大切」が残る

『あなたがいるだけで おばあちゃんからのてがみ』は、おばあちゃんの手紙で「生まれてくるまでの時間」をそっと振り返る絵本です。

迎える準備をしていた家族の気持ちが語られ、存在そのものが喜びだったことが伝わってきます。

森にくらすクマの家族をモチーフにした絵もあたたかく、眺めているだけで呼吸が落ち着きそう。

読み終わりに残るのは、評価ではなく「迎えられていた確かさ」。

自信を立て直したいとき、静かに戻れる一冊です。

※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます。

失敗で固まる日に。
おばあちゃんの手紙が「迎えられていた時間」を思い出させ、評価の軸をいったんほどきます。

『あなたがいるだけで おばあちゃんからのてがみ』
作:やまのえりい/絵:はるかみった
出版社:理論社
対象年齢:目安 4歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『あなたのすてきなところはね』|見てもらえた実感が、自分に戻す

『あなたの すてきな ところはね』は、子どもが「今日ここにいる」こと自体を、言葉で確かめ直す絵本です。

笑顔やしぐさなど、身近な“すてき”が積み重なり、抽象ではなく手触りで伝わってきます。

読んでいる間、評価の物差しが前に出にくく、見てもらえた実感が残りやすい構成。

比べて自信がゆらいだときも、自分の輪郭を取り戻すきっかけになりそうです。

比べて縮んだ日に。
いま目の前の「すてき」を言葉にして渡し、子どもの芯へ静かに戻していけます。

『あなたの すてきな ところはね』
作:玉置 永吉/絵:えがしら みちこ
出版社:KADOKAWA
対象年齢:目安 3歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

「できた」を増やす入口|一歩を小さくすると動ける

自信がない状態の子は、能力より先に「失敗の予感」に足が止まりやすくなります。

大きな励ましより、「一回だけ」「ここまでだけ」と区切れる見通しが助けになります。

絵本の中で小さく始める経験を重ねると、現実の一歩も軽くなりそうです。

📘 最初の一歩が重い日は、挑戦する気持ちを育てる絵本特集も参考になります。

『とりあえずやってみようよ』|「まず一回」が選べて、動き出しが軽くなる

『とりあえず やってみようよ』は、新しいことが不安で動けない鳥のボブが、「まず一回」を選ぶところから始まる絵本です。

完璧にやるより、体を少し動かすことへ意識を向け直していきます。

一度やってみた体験が、次の一歩の土台として残りやすい構成。

失敗の想像で固まりやすい子にも、「やってみてもいい」が入りやすくなります。

挑戦の入口を小さくしておきたいときに、そっと置ける一冊。

失敗の想像で固まる日に。
「まず一回」を選ぶ鳥のボブの話が、動き出しの重さを少し軽くします。

『とりあえず やってみようよ』
作:スジャン・リム/訳:前田 まゆみ
出版社:創元社
対象年齢:目安 4歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『くちぐせえほん―きみのこころをつよくする』|行動の前に、自分にかける言葉を整える

『くちぐせえほん―きみのこころをつよくする』は、ふだん口にしている言葉が気持ちや行動にどう響くかを、例とイラストで確かめる絵本です。

「だって」「むり」などの言い回しと、「だいじょうぶ」「やってみよう」などの言い回しが並び、違いが目で追えます。

読むあいだは説教の空気が前に出にくく、「じゃあ今日はどれにする?」と選べる形。

不安が強い日ほど、頭の中の言葉が荒れやすい子にも入りやすく感じられます。

「できない」から始めずに、まず一回へ戻る足場が残ります。

失敗が怖くて言葉がきつくなる日に。
「だって」「むり」を言い換える例が見え、動く前の気持ちを整えやすくなります。

『くちぐせえほん―きみのこころをつよくする』
監修:齋藤 孝/絵:林 ユミ
出版社:日本図書センター
対象年齢:目安 5歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

失敗しても「大丈夫」に戻る|立て直しが早くなる物語

失敗したあとに残りやすいのは、できなかった事実よりも「恥ずかしい」「もう無理」という感覚かもしれません。

ここで必要なのは反省より回収。

気持ちが折れきる前に、元の場所へ戻れる道を残しておくことが助けになります。

📘 うまくいかなかったあとに戻る感覚は、失敗から立ち直る力を育てる絵本にもつながります。

『ババが言います』|失敗をそのまま受け止めてもらえる安心

『ババが言います』は、孫が日常の出来事や失敗を打ち明け、ババが受け止めるやりとりを描いた絵本です。

「こうしなさい」と正す前に、話を置ける時間が先に来ます。

言い訳を組み立てなくても、「ここにいていい」という感覚が残りやすい。

読み終わりに残るのは、反省より「次どうする?」へ向かう余白です。

失敗が恥に変わりそうな場面で、気持ちをいったん落ち着かせたいときに合います。

失敗で固まる日に。
孫の話をババが受け止めるやりとりが、説明なしで落ち着きを連れ戻します。

『ババが言います』
作:宮丸 伸恵/絵:山口 けい子
出版社:文芸社
対象年齢:目安 4歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『しっぱいしたって いいんだよ』|終わらない感覚が残る

『しっぱいしたって いいんだよ』は、いとこの失敗を許せず怒ってしまうガストンが、出来事を通して相手の気持ちに気づいていく絵本です。

正しさを先に押し出すより、「失敗は起きるもの」と置くところから始まります。

自分も同じ失敗をしてしまい、そこで初めて相手の側が見えてくる。

パパとの会話の中で、あやまること・ゆるすことが少しずつ言葉になります。

読み終わりに残るのは、「次はどうする?」へ向かう余白。

失敗のあとを早く立て直したい場面に合う作品です。

失敗で固まる日に。
怒りや恥の前で立ち止まり、あやまる・ゆるすを「次の一手」に変えていけます。

『しっぱいしたって いいんだよ』
著:オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ/訳:垣内 磯子
出版社:主婦の友社
対象年齢:目安 4歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

📘 「失敗が怖い」が前に出るときは、完璧主義がつらい子への絵本も参考になります。

『大ピンチずかん』シリーズ|重さを笑いに変えて、心を戻す

『大ピンチずかん』シリーズは、子どもに起きやすい失敗やハプニングを、図鑑のように並べて眺める絵本です。

深刻さを足すより、「あるある」として見立て直す仕掛けが先に来ます。

大ピンチレベルの見え方が入るので、気持ちの重さをいったん外に置きやすい構成。

笑えたあとに、立て直しへ自然につながっていきます。

落ち込みが長引く日に。
失敗を“あるある”として眺め直し、明るさを先に取り戻しやすくなります。

『大ピンチずかん』シリーズ
著:鈴木 のりたけ
出版社:小学館
対象年齢:目安 4歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

友だちの輪に入る前に|同じ場にいられる安心を作る

輪に入ること自体が目標になると、体も気持ちも固まりやすくなります。

先に整えたいのは、話す・混ざる以前に「ここにいていい」という感覚。

絵本は、入る前の不安をほどき、同じ場にいられる足場を作ります。

『ドキドキ! きんちょうなんて こわくない(こころってふしぎ!)』|体のこわばりがほどける見通し

『ドキドキ! きんちょうなんて こわくない(こころってふしぎ!)』は、発表会の前に不安になった子が、相棒のぬいぐるみに相談するところから始まります。

緊張を「なくす」より、体に起きる反応を順にたどり、どうなっていくかを確かめていきます。

先が見えると、こわさが少し和らぐもの。

本番に向けた“とっておきの作戦”が示され、気持ちを立て直す入口になります。

話す前に体が固まってしまう子の、足元を支える一冊として置きやすい内容です。

発表会や教室で体が固まる日に。
緊張の仕組みと“コツ”が見え、最初の一歩へ戻りやすくなります。

『ドキドキ! きんちょうなんて こわくない(こころってふしぎ!)』
監修:清水 栄司/絵:中山 成子
出版社:少年写真新聞社

対象年齢:目安 6歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『カラーモンスター がっこうへ行く』|気持ちが言葉になると、足場ができる

カラーモンスター がっこうへいく』は、はじめて学校へ行く日に、不安でいっぱいのモンスターを描く絵本です。

学校が何なのか分からないまま出かけるので、心配がふくらむ感じが先に来ます。

女の子と一緒に学校へ行き、楽しいことや友だちに出会っていく中で、見通しが少しずつ立っていきます。

「緊張をなくす」より、分からなさを小さくしていく作り。

輪に入る前に、同じ場にいられる安心を作りたいときに合います。

はじめての場所がこわい日に。
学校の中身が見えてきて、不安を抱えたままでも一歩目を置きやすくなります。

『カラーモンスター がっこうへいく』
著:アナ・レナス/訳:おおとも たけし
出版社:永岡書店
対象年齢:目安 4歳〜

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比べる気持ちが強い日に|等身大へ戻れる絵本

比べる気持ちが強くなると、良さを見つける前に縮んでしまいます。

ここで必要なのは、競う材料を増やすことではなく、熱を下げて自分の位置へ戻ること。

絵本は、比較の回路を外し、落ち着く順番を示してくれます。

『キリンのなやみごと』|比べる癖がほどけて、ペースが戻る

『キリンのなやみごと』は、首が長すぎて目立つことに悩むキリンのエドワードのお話です。

ほかの動物の首がうらやましく見えて、つい比べてしまう気持ちが先に出てきます。

そんなある日、首の短いカメが現れ、エドワードにしかできない「お願いごと」を持ちかけます。

やり取りの中で、悩みの見え方が少しずつ変わり、同じ場にいられる感覚が育っていきます。

読み終わりに残るのは、誰かと同じにならなくても進める、という静かな、しかし確かな感覚です。

比べて疲れた日に。
長い首が悩みのキリンが、出会いをきっかけに見方を入れ替えていきます。

『キリンのなやみごと』
作:ジョリ・ジョン/絵:レイン・スミス/訳:岡野 佳
出版社:化学同人
対象年齢:目安 4歳〜

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『だれだって』|違いを受け取り、等身大でいられる

『だれだって』は、「だれだって〜」の言葉を繰り返しながら、みんなの共通点を並べていく絵本です。

楽しいときもあれば悲しいときがあり、怒ったり、こわくなったりもします。

違いを比べて結論を出すのではなく、「同じところも多い」と気づかせる作り。

自分だけ足りない感じが強い日も、見ているうちに視点が少し動きます。

否定の手前で気持ちを立ち止まらせ、等身大へ戻る足場を作ってくれそうです。

比べて苦しくなる日に。
「だれだって〜」の反復が共通点を見せ、足りない感覚を少し横へ置けます。

『だれだって』
作:エリーズ・グラヴェル/訳:ふしみ みさを
出版社:パイ インターナショナル
対象年齢:目安 4歳〜

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親の心も守る2冊|毎日を軽くする考え方を整える(一般書)

明るいリビングでブロック遊びをする子どもたち

子どもの自信を支える時間は、どうしても長くなります。うまくいかない日が続くと、親の側の余裕が先に削られがちです。

ここでは、すぐに答えを出すためではなく、関わりを続ける力を整える本を並べました。

『親の習慣100 子どもの自己肯定感がどんどんあがる!』|毎日の関わりを積み上げで見直す

『親の習慣100 子どもの自己肯定感がどんどんあがる!』は、特別な声かけや一発逆転を前提にしない育児書です。

「毎日のハグ」や「お手伝い」など、生活の中で試しやすい工夫を100例で並べます。

できていない点を数えるより、続けられている点へ視線が移る構成。

親子関係を長く保つための現実的な考え方が、淡々と残ります。

気持ちが擦り減った日に。
派手な正解探しをやめて、今日できる小さな関わりへ戻せます。

『親の習慣100 子どもの自己肯定感がどんどんあがる!』
著:親野 智可等/イラスト:くぼ あやこ
出版社:グラフィック社
対象:保護者

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『何があっても「大丈夫。」と思える子に育つ 子どもの自己肯定感の教科書』|考え方を整理し、支えを長く保つ

『何があっても「大丈夫。」と思える子に育つ 子どもの自己肯定感の教科書』は、子どもの自己肯定感を「今の気分」だけで判断しないための整理から始まります。

タイプ診断や、“土台(安心感)”のつくり方など、見取り図が先に置かれる構成です。

章ごとに、声かけや関わり方が具体の場面で示され、忙しい日でも拾い読みしやすい印象が残ります。

比べて縮む時期に何が起きやすいかも触れられ、親側の焦りが強い日でも読み進めやすい温度感。

自信が揺れる時期に。
タイプの違いと関わり方を整理し、毎日の声かけを迷いにくくします。

『何があっても「大丈夫。」と思える子に育つ 子どもの自己肯定感の教科書』
著:中島 輝(著)
出版社:SBクリエイティブ
対象:保護者

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

まとめ|自信は“増やす”より、戻れる場所があると育つ

自信は、何かができた回数だけで育つものではありません。

揺れたときに戻れる場所があると、少しずつ積み上がっていきます。

絵本ができるのは、励ましたり変えたりすることではなく、安心を先に増やすこと。

その感覚が残ると、小さな一歩が自然に出やすくなるかもしれませんね。

うまくいかない日があっても大丈夫。

土台を整え、戻り道を残しておけば、また動ける日が来ます。

今の気持ちに合う一冊を、そっと手に取ってみてください。

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この記事を書いた人

児童書専門の司書、子どもは2人です。子どもと本をつなぐ小さな図書室のような情報サイト『Room E726.6』を運営しています。

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