子どもの自信が揺れているとき、どう声をかければいいのか分からなくなる瞬間があります。
励ますのも違う、見守るだけでも不安──そんな迷いを抱えながら日々を過ごす方に向けて、今回の選書をまとめました。
“子どもの自信を高める・自信がつく絵本って、どんな働きをしてくれるのだろう?”という問いから出発し、気持ちの揺れに寄り添う9冊を厳選しています。
うまくいかない日や気持ちがそわつく日でも、絵本は「その子のペース」を取り戻す橋渡しになります。
ページを開く時間が、親子どちらにとっても少し呼吸がしやすくなるひとときになりますように。
気持ちが動き出すとき──自信の種になる“ささやかな手がかり”
図書館では、勇気を出して「こんな本、ありますか?」と声をかけてくれる子がいます。
探しているテーマを言葉にしづらくても、一生懸命に気持ちを探しながら伝えようとする姿に、内側で小さな変化が動き出しているのを感じます。
そして、思っていたイメージに近い一冊が見つかった瞬間、表情がふっと明るくなる。その柔らかな変化こそ、自信の芽のように見えることがあります。
自信は、できた・できなかったの結果ではなく、“自分の気持ちを自分で扱えた”という手応えから育つものなのかもしれません。
子どもの内側に生まれるささやかな動きを見守る視点が、自己肯定感の土台を静かに支えていきます。
子どもの「やってみたい」という気持ちは、
【挑戦する気持ちを育てる絵本】でも特集しています。
“できた”の手前にある前進をそっと照らす絵本
“できた”という結果の前には、だれにも気づかれない小さな前進がかならずあります。
深呼吸してみる、少し近づいてみる、とりあえず眺めてみる——そんな途中の動きにも、子どもなりの手応えが宿るもの。
絵本は、その“手前の一歩”に静かに光を当て、自分のペースで進む心をやさしく支えてくれます。
小さな“できた”を積み重ねるプロセスは、【自己肯定感を育む絵本】とも深くつながっています。
自分の“安全な場所”を確かめる|『にげてさがして』
『にげてさがして』は、「にげる」を前向きにとらえ直す視点が印象的な絵本です。
困ったときや苦しいとき、無理に立ち向かわず“いったん離れる”という選択肢をそっと手渡します。
主人公の動きを追ううちに、「ここなら落ち着ける」「少し距離を置くと見えるものがある」という感覚に気づきやすい構成。
ユーモアと余白が、子ども自身の“身を守る判断”をやさしく肯定します。がんばりすぎない方法を知ることで、次の一歩に向かう気持ちが静かに整っていきます。
※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます。
逃げてもいい——その一歩が“自分を守る力”になる。読後、「今の自分はどこへ向かえば落ち着ける?」と親子で話したくなる一冊です。
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小さな“できたかも”に光が当たる|『きょうもうれしい』
『きょうもうれしい』は、日常にひそむ「うれしい」の瞬間をそっとすくい上げる絵本です。
特別な出来事ではなく、ふと心が動いた小さな体験を丁寧に描き、読み手の気持ちにも静かに寄り添います。
色や光の描写がやわらかく、ページをめくるたびに“今日の中にあった小さな前進”を思い出したくなる余韻が残る、すてきな絵本です。
親子で読むと、お互いの“うれしい”のタネを見つける時間にもつながりますよ。
“きょうの小さなうれしい”を集めるだけで、毎日が少し明るくなる——やさしい色づかいで、親子の会話までふんわり広がりますね。
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自分の“安全な場所”を確かめる物語|『プールのひは、おなかいたいひ』
『プールのひは、おなかいたいひ』は、こわさを抱えた気持ちに寄り添いながら、“少しずつ近づく”方法を教えてくれる絵本です。
見学からはじまり、先生に支えられて足だけ入ってみる——そんな段階を重ねるうちに、「ここなら落ち着ける」「今日はここまでできた」という感覚が芽生えていきます。
ページに流れる余白とユーモアが、読み手の呼吸を整え、自分のペースで前に進む力をやさしく支えてくれます。
見学から“足だけ”へと無理なく少しずつ進めます。こわさを抱えたままでも「今日はここまでできた」が合言葉に。次の一歩をやさしく支えてくれます。
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つまずきや失敗を抱えながら進む心を支える絵本
挑戦の途中には、思わず立ち止まってしまう瞬間があります。うまくいかなかった気持ちと、まだ続けたい気持ちが胸の中で揺れるようなときです。
ここでは、その揺れをごく当たり前のものとして受けとめ、気持ちが次の一歩に向かうまでの“間”をそっと守ってくれる絵本たちを集めました。
失敗を否定せず、子どもが自分のペースで気持ちを立て直していくプロセスに寄り添います。
“しっぱい”を次の作戦につなぐ|『しっぱいなんか こわくない!』
『しっぱい なんか こわくない!』は、まちがいを“終わり”ではなく次の試し方へつなぐ入口として描く物語です。
主人公が失敗に向き合うたび、小さな発見が重なり、気持ちの揺れが少しずつ見えてきます。「うまくいかない」を責めるのではなく、「どうしようかな」と考える余白が保たれた構成。
読み手は、失敗へのかまえがゆるみ、自分のペースで確かめたくなる安心感に包まれます。大きな挑戦でなくても、前へ動く瞬間にそっと光が当たる一冊です。
失敗は“おしまい”じゃなく、次の作戦のはじまりです。発明好きのロージーが考え直して再挑戦。読み終えると「まずやってみよう!」が手元に残ります。
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“こわい”気持ちを抱えたまま一歩を出す|『ラチとらいおん』
『ラチとらいおん』は、弱さを抱えたまま少しずつ前へ進む姿をていねいに描いたロングセラー絵本です。
怖がりで自信のない少年ラチの前に現れる“小さなライオン”は、力を押しつける存在ではなく、そばで支えてくれる心強いともだちのよう。
ページを追うほど、ラチの中に芽生える小さな変化が見えてきます。弱さを否定せず、そのまま抱えて歩く確かさに触れられる物語。どんな気持ちのときも、一歩を出してみようと思える余韻が残ります。
原作は1961年にハンガリーで刊行、日本では1965年から読み継がれている古典絵本です。小さな赤いライオンと踏み出す一歩が、“弱さを抱えたままでも進める”勇気を子どもの心に残します。
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“ピンチ”を観察してずかんにしちゃうたくましさ|『大ピンチずかん』 1~3
『大ピンチずかん』シリーズは、身近な「やっちゃった」「どうしよう!」をユーモアたっぷりに切り取る絵本。イラストと短い説明を手がかりに、どこがピンチかを観察→どう動くかを考える流れが自然に生まれます。
失敗も“次の手”を探す入り口。親子で「わが家ならどうする?」と作戦会議をしたくなりますね。笑いながら試行錯誤の筋力を育てる、頼もしい相棒になります。
失敗や困りごとを“笑い”と“作戦”に変換する図鑑形式。自分ごと化しやすい身近なケースが並び、試行錯誤の姿勢を楽しく学べます。表紙はドドッ…と牛乳が止まらないあの瞬間。「あっ」の顔まで、ぜんぶ“あるある”。
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表紙は大きく傾いた誕生日ケーキ、今にも倒れそう——「やっちゃった!」の瞬間を、笑いとドキドキの間で止めてくれる1冊。
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ケチャップがビュッと飛ぶ、その一秒前後。見た瞬間に「うわ…あるある!」と、表紙を見ただけで盛り上がります。
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朝の牛乳ドバッ、ケチャップ飛び、ケーキ大崩壊——“あるあるピンチ”を笑いに変える3冊がそろうと、親子で「わが家ならどうする?」の作戦会議がはじまります。
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“好き”や得意を見つめる──自分の気持ちを大切にする物語
“好き”や“得意”は、人とくらべて測るものではなく、自分の中でそっと育つ感覚です。
うまくいく日もあれば、気持ちが動かない日もある。それでも「これが好きかも」と思えた瞬間は、子ども自身を肯定するやわらかな手がかりになります。
そんな気持ちの芽に寄り添い、背伸びしない前向きさを支えてくれる物語を選びました。
年齢ごとの“自信の芽”に注目するなら、
【3歳向けの自己肯定感を育てる絵本】や
【5歳向けの自己肯定感を育てる絵本】も参考になります。
“失敗”が持ち味に変わる物語|『ぐるんぱのようちえん』
『ぐるんぱのようちえん』は、うまくいかない日が続いても“道はひとつじゃない”とそっと教えてくれる物語です。
大きくて不器用なぐるんぱは、いろいろな仕事で失敗を重ねますが、その“おおきすぎる作品”が最後に活きる展開。
できないところではなく、自分の持ち味へ目を向けたくなります。大胆な構図と色づかいが、挑戦のプレッシャーをやわらげてくれるようです。
失敗つづきの“大きすぎる作品”が幼稚園の宝物に変わる——1966年刊のロングセラー、挑戦が持ち味へ変わる喜びをのびやかな絵で味わえる定番です。
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“好き”の芽に気づくきっかけをくれる|『カラーモンスター がっこうへいく』
『カラーモンスター がっこうへいく』は、新しい環境でゆれる気持ちを“色”でたどれる一冊です。がっこうで出会う時間の中に、うれしい・たのしい・ちょっとこわい——さまざまな感情が立ち上がります。
色の変化をたどるうちに、「これは好きかもしれない」という小さな芽に気づきやすくなります。
誰かと比べるのではなく、自分の中に生まれた感覚を確かめる時間。得意や好きは、こうした揺れからゆっくり形づくられていく——その手前をていねいに照らす物語です。
色を“手がかり”に気持ちを選びやすい構成なので、言葉がまだ整わない時期にも、自分の調子へそっと近づきやすい一冊です。
色で“いま”を指させるから、小さな「できた」に気づけます——朝の不安が、少しずつ“自信の色”へ。
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気持ちの“居場所”を見つける旅へ|『グランド・フィーリング・ホテル』
『グランド・フィーリング・ホテル』は、怒りも不安もよろこびも——どの“オキモチさま”も歓迎する世界を描きます。
気持ちに合わせたお部屋で支配人がもてなす場面が続き、「今の自分はどの部屋かな?」とたどりやすい構成。
印象的なのは、主人公の白い髪。真っ白な色が感情の波を静かに受け止める“余白”のようにも見えて、読み手の想像をそっと広げてくれます。
だれの気持ちもここにいていい、と穏やかに伝えてくれる一冊です。読後、呼吸がすっと軽くなる余韻が感じられます。
どんな気持ちも“歓迎”されるホテルへようこそ。ページをめくるたびに今の自分の居場所が見つかり、読み終えるころには心が少し整っている——そんな体験を届けてくれます。
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子どもの自信を支える読み聞かせのポイント
司書として、多くの読み聞かせの場に立ち会ってきました。その経験の中で、読み聞かせは、上手に読む技術よりも「どう向き合うか」が軸だと感じています。
図書館では、読み手が急かさずに待つだけで、子どもの表情が少しずつほぐれていく光景に出会います。
ページをめくる速さを子どもに合わせたり、気になる絵に戻る選択を尊重したり——そんな関わりが「自分の感じ方でいい」というメッセージにつながるのだと思います。
問いかけを増やしすぎず、物語の余白をそのまま受け止める姿勢も大切です。
読み聞かせのときの声の出し方や、集中をつくるコツは【絵本の読み聞かせのコツ】で詳しく紹介しています。
焦らず、その日の“聞くペース”に寄り添う時間を大切にしたいですね。

小さな前進を支える──親子で使えるサポートグッズ
グッズはあくまで環境づくりの補助であり、子どもの自信そのものを作り出す存在ではありません。それでも、身のまわりが少し整うだけで、気持ちが落ち着くきっかけが生まれることがあります。
ここでは、暮らしの動線の中で使いやすく、“できるようになる”を焦らせないグッズを選びました。日々のペースに寄り添いながら、前に進む準備を整える道具たちです。
“眠る前の読み聞かせ”で気持ちを整えたいときは、【寝かしつけにおすすめの絵本】の記事も参考になります。
踏み台が“自分でやってみる”を支える──石崎家具|ウッドステップ
自分の足で「届いた」を実感できる小さな踏み台。 洗面・キッチン・玄関の身支度や手洗いをそっと後押しします。
木肌のやわらかな質感で、室内に自然になじみやすい設計。
置き場所を決めておくと、挑戦→成功の流れが日常に根づきますね。 ※平坦な床で使用し、ぐらつきの有無を確認してください。
手が届いた、その一歩が自信に変わる小さな相棒。
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“できた”を ていねいに積み重ねる──万丈|フロントオープンBOX A4
描いたその日に前面からサッと差し替え。飾る→更新が子ども主体で回ります。
作品を“評価”ではなく記録と承認として残せて、続ける力に変わります。 木目×白の落ち着いた意匠。リビングになじみやすく、扉は子どもも開閉しやすい仕様です。
描いた瞬間の熱が冷めないうちに壁へ──“今の自分”をそのまま肯定できる、小さな展示台。
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声に出して笑って学ぶ|『大ピンチずかん かるた』
“読む→取る→笑う”の循環で、状況の言葉と切り替え力にそっと橋をかけます。
短時間でも遊べて、家族・学童の場に取り入れやすい構成。 人気絵本の世界観で導入ハードルが低く、ギフトにも選びやすいですね。
失敗も“ネタ”に変わるとわかるだけで、挑戦のハードルがふっと下がりますね。笑いながら言葉と気持ちの切り替えを練習できます。
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まとめ|今日の「小さな一歩」を応援する、温かなまなざしを
自信は、大きなできごとだけで形づくられるものではありません。
日々の中でふと生まれる「やってみよう」や「少し進めたかもしれない」という気持ちも、子どもにとって大切な足取りになります。
うまくいかない時間があっても、その日の歩幅で進んだ事実に目を向けられると、気持ちの流れがやわらかく整います。
絵本の時間は、その歩みを静かに受けとめるひととき。ページを閉じたあと、子どもが「これでいい」と思える瞬間が増えるといいですね。
