文字に興味を持ち始めたころは、読めなくても「これなに?」と聞いたり、看板の文字を指で追ったりする場面が増えてきます。
ここで大人が教える流れに切り替えすぎると、子どもは遊びの気分から降りてしまうことも。
今回は、児童書専門の司書の視点で、遊びの延長のまま文字に近づける絵本を紹介します。
まずは早見の3冊から、今の雰囲気に合う1冊を選べる形にしました。
最後に教材も選択肢としてまとめます。
はじめに|おすすめ3冊(早見)
最初に3冊だけ並べると、今のお子さまの雰囲気に合う1冊を選びやすくなります。
気になった本は、紹介パートで詳しく見られます。
文字に興味を持ち始めたら|“教える”より“遊びの延長”が近道
図書館でも、当てっこや見立て遊びのように、文字を遊びとして楽しんでいる子を見かけることがあります。
「文字に興味が出てきたのかな」と感じたとき、親はうれしい反面「そろそろ教えたほうがいいのかな」と迷ってしまいますよね。
この章では、正しく読ませる方向へ急がず、遊びのまま文字に触れられる絵本を紹介します。
『なぞなぞどろんのもり ひらがなであそぼ!判じ絵えほん』|当てる遊びの中で、文字が手がかりになる
『なぞなぞどろんのもり ひらがなであそぼ!判じ絵えほん』は、朝の森で出会う「へんてこ」たちを前に、絵とひらがなを手がかりに判じ絵のなぞなぞを解いていくお話です。
なぞなぞは全26問入りで、わかった瞬間の気持ちよさが続きます。
文字は「読む課題」ではなく、当てるためのヒントとして置かれている印象。
読めないところがあっても、絵を見て言葉を出し合う時間が先に回ります。
「パンに『だ』がついて…?」のように、視線が絵と文字を往復するしかけ。
読み終わりには、文字が勉強ではなく遊びの延長として残りやすい一冊です。
※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます。
「教える」より先に、当てる遊びでひらがなに触れられます。
26問の判じ絵が会話を引き出し、読めない時期でも参加できた感覚が残りやすい一冊。。
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『ようかいあいうえお』|面白さが先に立ち、つい口が動く
『ようかいあいうえお』は、おばあちゃんの家でかくれんぼをしていた子が、目を覚ますと妖怪だらけという導入で始まります。
「あいうえお順」に妖怪が次々出てきて、短い言葉遊びのフレーズが耳に残りやすい構成です。
一文字ずつ学ぶ空気より、気になった妖怪から声に出したくなる勢いが前に出ます。
繰り返し眺めるうちに、音と文字の並びが少しずつ体に入っていきます。
ひらがなに身構えそうな時期に。
妖怪と言葉遊びの勢いで声が出て、文字が「勉強」より先に遊びとして残りやすくなります。
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『こえで からだで ゆびもじで やってみよう!あいうえお』|声や動きが先に出て、文字があとから重なる
『こえで からだで ゆびもじで やってみよう!あいうえお』は、「びっくりした『あっ!』」「はみがきじょうず『いー』」のように、日常の声がそのまま五十音につながっていきます。
まず声や表情が動き、あとから文字が重なる設計なので、読むことに集中しなくても参加が回ります。
指文字でも表せるようになっていて、からだの動きが増えるほど、音と形のセットが残りやすい流れ。
座って聞くより「一緒にやる」空気が立つため、読み聞かせの場が遊びに寄りやすいです。
正しく言えるかを話題にしにくく、途中で止まりにくいのも助かります。
ひらがなの入口を軽く保ちたい時に、置きやすい一冊です。
座って覚える前に、声と動きで「あいうえお」。
指文字も使えて参加が回り、読めない時期でも音と文字の並びが遊びとして残りやすくなります。
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まずは「見つける」|身の回りの文字が楽しくなる絵本
文字に興味が出てきたころ、わが家では、読もうとするより先に絵本やパッケージの文字を指さすことがありました。
教える流れに切り替える前に、「見つけた」「あった」が増えるだけでも十分だと感じます。
この章では、眺めたり探したりする動きの中で、文字が自然に目に入ってくる絵本を紹介します。
『ちくちく!あいうえお えほん:いとでえがいた ことばとあそぶ』|眺めているうちに、形が残る
『ちくちく!あいうえお えほん:いとでえがいた ことばとあそぶ』は、「あ」から「ん」まで、1ページごとに一音のひらがなが置かれ、その文字ではじまることばがページいっぱいに並びます。
ことばは刺繍のモチーフで描かれていて、線の形や質感が目に残りやすい作りです。
探す対象が多いので、眺めているだけでも視線が自然に文字へ寄っていきます。
正解を当てる遊びではなく、「見つけた」「気づいた」で会話が進みやすい空気。
集められた単語は900個以上と多く、知っている言葉と初めての言葉が混ざります。
文字を“読む課題”にせず、「見つけるもの」として置ける読み体験が残ります。
文字を教え込まない入口に。
刺繍のことば探しが続き、視線が自然にひらがなへ向かいます。
正解遊びではないので、「できる/できない」を話題にしにくい一冊。
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『カっちゃんカがつく たべものカタカナあいうえお』|生活の中の文字に目が向く
『カっちゃんカがつく たべものカタカナあいうえお』は、「カ」から「ン」まで、濁音・半濁音も含めたカタカナが、食べものの名前と一緒に登場します。
各ページには主役の食べものだけでなく、同じ音ではじまる食べものや動物、のりものも隠れていて、見つける遊びが続く作り。
「読めるかどうか」より先に、探して指さして笑う時間が立ち上がります。
冷蔵庫やお店で見かけるカタカナと結びつきやすく、日常の景色に戻ったあとも話題にしやすいところ。
最後に「好きなカタカナ名前のたべもの」を描くページがあり、見つけた文字を自分の手へ移せます。
お店や冷蔵庫で見かけるカタカナが、遊びの中で「見つける文字」に変わります。
探し絵の勢いで、読む練習に寄りにくいのも助かる一冊。
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次は「声に出す」|ことばあそびで読みたくなる絵本
文字が気になり始めると、読めなくても、見えた文字をそのまま声にしたくなるのかもしれません。
おもしろい音や言いにくい言葉ほど、つい繰り返したくなる──図書館でもよく出会う、ほほえましい光景です。
ここでは、音やリズムが先に立って、声に出す遊びが始まりやすい絵本を紹介します。
📘 ことばが増える時期は、日々のやり取りの工夫を あいさつ×絵本 にもまとめています。
『りんごりらっぱ』|音の並びを、そのまま言いたくなる
『りんごりらっぱ』は、地面の「りんご」に「ごりら」が来て、「りんごりら」。
さらに「らっぱ」が加わり、「りんごりらっぱ」と言葉が伸びていきます。
しりとりの要領なのに、つながるほど“呪文”みたいな響きになっていくのが面白いところ。
意味を説明するより、音を口に出す楽しさが先に立ちます。
途中で子どもが音を拾って加わりやすく、「読める/読めない」が話題になりにくい空気も残ります。
ページをめくるたび、声のリズムが変わっていくので、ついもう一回が出やすい一冊。
音から入って、あとで文字がついてくる感覚が作れます。
声に出すのが楽しくなる、しりとり絵本。
音がつながる面白さで、文字があとから重なります。
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『だじゃれいぞうこ!』|笑いながら、言葉が転がる
『だじゃれいぞうこ!』は、冷蔵庫の中の食べものたちが、自分の名前にちなんだだじゃれを次々披露していきます。
「おはヨーグルト!」「いないいない、バァナナ!」のように、音の気持ちよさが先に立つ作り。
意味を説明しなくても笑いが起き、声が出るほうへ流れやすいです。
前見返しにあいうえお表、後ろ見返しに対応する食べもの表が付いていて、眺めながら「見つける」楽しみも残ります。
読める・読めないが話題になりにくく、家の会話に混ざりやすいところも良さ。
声に出す入口として、軽いテンションのまま言葉に触れられる一冊です。
冷蔵庫の食べものだじゃれで、声が先に出る。
あいうえお表つきで「見つける」遊びも続きます。
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「自分の名前」が入口|名前・しるしからひらがなにつなげる絵本

文字が気になってくると、いちばん反応が出やすいのが自分の名前だったりします。
持ち物のラベルを指でなぞったり、「これ、わたしの名前?」と確かめたりする場面がみられることも。
ここでは、名前や身近な文字を手がかりに、文字が自分のこととして残りやすい絵本を紹介します。
📘 「見つける→数える」へ広げたいときは、数に親しみ始めた子の絵本にもつながります。
『ゆびでなぞって!ひらがなあいうえオノマトペ』|触って確かめる“しるし”が、ひらがなになる
『ゆびでなぞって!ひらがなあいうえオノマトペ』は、50音が凹んだ形で作られていて、指でなぞりながら音と形を重ねていけるボードブックです。
「読む練習」より先に、触って確かめる動きが立ち上がります。
まねして声に出す/指でなぞる、が同時に起きやすい構成。
自分の名前へ向かう前段で、ひらがなを“見つける目印”ではなく“触れるしるし”として置けるのがよさ。
ページ数は少なめで、短時間でも区切りやすいところも助かります。
指でなぞる動きが先に立ち、ひらがなが“自分のしるし”へ近づきます。
触って確かめたい時期の入口に。
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『ひらがなさん、じけんです!』|形がキャラクターになり、“しるし”として残る
『ひらがなさん、じけんです!』では、ひらがなさんたちが暮らす村で事件が起こり、「う」「ふ」の点が消えたり、「は」「け」の左半分がなくなったりします。
形の変化がそのまま謎になるので、文字を“しるし”として見分ける視点が自然に立ち上がります。
読む練習の空気より、なぞときの面白さが先に来る作り。
市原淳さんのひらがなキャラクターがかわいく、眺め返したくなります。
カバー裏にひらがなポスターが付いているのもうれしいポイント。
「しるし×ひらがな」を軽い物語で支えたい枠に合う一冊です。
ひらがなの形が事件の手がかりに。
キャラで覚えやすく、「しるし×ひらがな」を物語の軽さで支えられます。
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年長〜小1の補助に|文字のしくみがおもしろくなる絵本
文字に少し慣れてくると、「これ、どういう仕組みなんだろう」と立ち止まる場面も出てきます。
焦って先へ進めなくても大丈夫です。
年長から小1ごろに、文字の世界を少しだけ広げたいときに合う絵本を紹介します。
『にこにこいっぱい あいうえお(はじめてのひらがな絵本)』|物語と絵探しで、文字が「探す遊び」になる
『にこにこいっぱい あいうえお(はじめてのひらがな絵本)』は、りすの郵便屋さんが招待状を届けて回り、最後に“秘密のパーティー”へつながる物語仕立て。
各ページには、その文字ではじまるものがたくさん隠れていて、絵探しが読みの中心に入り込みます。
「読めたか」より先に「見つけた」が立ち、年長〜小1の補助にちょうどよいテンポ。
文章は歌人の天野慶さんが担当し、身の回りの言葉を拾う視点が残ります。
巻末にダウンロード可能な「ひらがな表」付きで、遊びをそのまま手元へ持ち帰れます。
一冊で“読む練習”に寄り切らず、ことばの面白さが続くところも魅力。
物語+絵探しで、ひらがなが「探す遊び」に変わります。
巻末のひらがな表も使えて、年長〜小1の補助に置きやすい一冊。
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『かんじ こびとがつくるもじとことば』|組み合わせで見えてくる、漢字のしくみ
『かんじ こびとがつくるもじとことば』は、「先生」がお昼寝をしている間に、こびとたちが文字づくりを始める物語仕立ての一冊です。
最初は「木」「水」などの簡単な漢字から入り、組み合わせると難しい漢字も形になっていきます。
一字ずつ覚えるより、「こう組み合わさっているんだ」と目で追う時間が中心。
部首や形のつながりが自然に見えてきて、文字の見え方が少し変わります。
説明で教え込む雰囲気より、気づきが積み重なる読み心地が残るところ。
ひらがな中心の時期から、文字の世界を少し広げたい場面で添えやすい一冊です。
漢字を一字ずつ覚える前に、組み合わせの面白さへ。
部首のつながりが見えて、文字の世界が無理なく広がります。
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絵本の次に教材を考えるとき|わが家のペースを崩さない選び方
絵本のやり取りが日常の中に根づいてくると、「この時間をもう少し広げられたら」と思いませんか。
教材を選ぶなら、いまの関わり方を変えすぎないことも大切なポイントです。
まずは中身を見て、お子さまのリズムに合いそうか、確かめるところから始めてみてくださいね。
まず中身を見る|量・難しさ・いっしょにやる場面をイメージ
教材は、内容そのものに加えて、届く量や進め方、親がどのくらい関わる想定かでも印象が変わります。
迷ったときは、先に資料請求をして中身を見ておくと、「これなら絵本の時間の続きとして入れられそうかな」と、家の一日の流れに当てはめて考えやすくなりますよ。
お子さまの今の様子と照らし合わせながら、無理がなさそうか、続けられそうかを確認できます。
続けやすいかチェック|わが家のペースに合いそうかイメージ
教材は、続けるほど良さが出やすい一方で、家庭のペースがそれぞれ違います。
最初から理想の取り組み方を決めるより、忙しい日の回し方も含めて「続けられそうな形」を想像しておくと◎。
資料を見ながら、「うちだと、どのタイミングなら無理がないかな」と一週間の流れに重ねてみると、イメージがつきやすくなります。
🌱 中身を見ると、量感や関わり方が家庭のペースに合うか判断しやすくなります。
気になるものから、資料で雰囲気を確認しておくと安心です。
まとめ|文字は、やり取りの中で身近になる
文字に興味を持ち始めた時期は、読めるかどうかより、親子のやり取りが続いているかが大切になりやすい時期です。
探す、声に出す、名前に気づく。
そんな遊びの延長の中で、文字は少しずつ生活に入ってきます。
今回紹介した絵本は、教え込むためではなく、今の関わり方のまま文字に触れられる本を集めました。
文字は、遊びの延長の中で少しずつ生活に入ってきます。
ひらがなや文字を通して、親子の楽しいやり取りが増えていきますように。
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🌱お子さまの「知りたい」をつなげたいときに。
気になるものから、資料で雰囲気を確認しておくと安心です。
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