子どもの友だち関係を見ていて、「これは口を出すべき? それとも見守る?」と迷うことはありませんか。
今回は、友だち関係で生まれる子どもの“モヤモヤ”に、答えを急がず寄り添える絵本を紹介します。
気持ちと距離をそっと整える物語を、児童書専門の司書と母の視点で選びました。
今回は、見守る保護者向けの本も2冊紹介しています。
友だちといるのに、なんだかつらい──モヤモヤを見つめる絵本
友だちと一緒にいるはずなのに、帰ってくるとどこか疲れた表情をしている。
けんかではないけれど、楽しいとも言いきれない——そんな子どもの様子に、親が戸惑うことがあります。
ここからは、怒りや不安とは少し違う、友だち関係特有のモヤモヤがどこから生まれるのかを、絵本を通して見つめていきます。
『ほしぞらのたからもの』|友だち関係で生まれる“言葉にならない違和感”
『ほしぞらのたからもの』は、“ふつう”だと思い込んでいたネコの「おれ」が、仲間たちの意外な一面(ひみつ)に出会って揺れる物語です。
びっくりや戸惑いが先に立ち、言葉より先にモヤモヤが残る感覚もていねい。
夜空の星のたとえが効き、違いが怖さから好奇心へ変わっていきます。
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「ふつう」だと思っていた友だちが、実は少しずつ違っていた。
小さなひっかかりから、相手を知る目がやさしく育っていきます。
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『あのひのきもち』|友だちとの距離と“伝わらない気持ち”を描く
『あのひのきもち』は、仲良しのリスとネズミが「気持ちははかれない」と戸惑いながらも、からだを使って「これくらい?」と問いかけ合う物語です。
違いがある前提で相手を想像する時間が、静かに積み重なる構造。
伝わらなさを否定せず、関係を続けるための小さな工夫が見えてきます。
気持ちは見えないし、はかれない。
だからこそ「どれくらい?」と伝え合う2匹のやりとりが胸に残ります。
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『ともだち』|友だち関係が変わるときに生まれるモヤモヤ
『ともだち』は、「ぼく」とエトの“ふたりいっしょ”の時間に、シューが加わるところから始まる物語です。
仲間に入れたくないわけではないのに、胸の奥がざわついてしまう。
そんな揺れを、段ボール遊びの場面を通して丁寧に描きます。
最後は「関係を元に戻す」より、形を変えながら続いていく感覚が残ります。
ふたりの世界に、もうひとりが入ってきた日。
仲よくしたい気持ちと置いていかれそうな寂しさが、同時に動きはじめます。
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合わせすぎて疲れる気持ちに寄り添う絵本──「イヤと言えない」「少し離れたい」が出てくるとき
友だちと一緒にいるのに、どこか息苦しそうな様子が気になることがあります。
合わせているつもりはなくても、気づかないうちに自分の気持ちを後回しにしていることも。
ここでは、「無理をしているかもしれない」という感覚に、そっと気づくための絵本を紹介します。
📘日常の中でいろいろな気持ちを言葉にしていく手がかりがほしいときは、気持ちを言葉にする絵本もあわせて読むと、声のかけ方のヒントが増えていきます。
『いやっ!といえないノニ』|合わせ続けた先で、自分の気持ちに気づく
『いやっ!といえないノニ』は、本当は「いやっ!」と言いたいのに言えないノニの心の動きを追う絵本です。
相手を否定する強さではなく、自分の気持ちを確かめて言葉にする流れが丁寧。
小さな主張ができた瞬間の安堵が、友だちとの距離を整えるヒントになります。
「いや」が言えずに合わせ続けたノニが、自分のモヤモヤに気づいていく物語。
関係を壊さずに境界線を引く感覚が残ります。
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『パンツをはいたクマ もやもやする!』|言えないまま飲み込んだ気持ちがたまるとき
『パンツをはいたクマ もやもやする!』は、朝の支度は完璧のはずなのに、なぜか胸の奥が落ち着かないクマのジェフの物語です。
原因が言葉にならないまま森を歩き、正直に話してくれる友だちアンダースに相談していく流れ。
笑える展開の中に、「モヤモヤは話していい」「気づいてもらえると楽になる」という感覚が残ります。
「なんか変だ」と思うのに、うまく言えない朝。
クマのモヤモヤが、頼れる友だちのひと言でほどけていきます。
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ちょうどいい距離を見つけていく絵本 ──離れる・違う・一人になる、も選択肢
友だち関係のモヤモヤは、いつも「仲直り」や「元どおり」で終わるとは限りません。
少し距離を置く、違う選択をする、一人の時間を持つ――そうした動きの中で、気持ちが落ち着いていくこともあります。
ここでは、関係を白黒つけずに、「自分と相手を分けて考える」感覚に触れられる絵本を紹介します。
『どこまでいくの』|言いすぎたあとに残る気持ちを見つめ直す
『どこまでいくの』は、学校の帰り道の男の子と女の子の口げんかが、売り言葉に買い言葉でどこまでも膨らんでいく物語です。
おばけやプテラノドン、海の底から宇宙の果てまで、話が飛躍していくテンポが魅力。
最後に「また あした」と言える友だちの存在が残り、距離の取り直し方もそっと見えてきます。
口げんかが想像の世界をどんどん広げていく一冊。
言い合ったあとの「また あした」が、静かに効いてきます。
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『ぼくとクッキーの なかなおり』|立ち止まりながら、気持ちを確かめる時間
『ぼくとクッキーの なかなおり』は、仲良しの「ぼく」と「クッキー」がけんかしてしまい、気まずさの中で「どうしよう」と立ち止まる物語です。
謝りたいのに言いたくない、その間の沈黙が丁寧。
約束の日、約束の場所に向かう足取りが、気持ちの揺れを映します。
仲なおりは言葉だけではないと気づける一冊。
けんかのあと、すぐ「ごめんね」が言えない日。
足が勝手に約束の場所へ向かう“ぼく”の揺れが、そっと寄り添います。
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『わたしのおそろい』|同じでいる安心が揺れたときのモヤモヤ
『わたしのおそろい』は、ねこの女の子ミーコが「仲間のしるし」を“おそろいのモノ”だと信じて踏ん張っていたところへ、前提が揺らぐ出来事が起きる物語です。
置いていかれたように感じる瞬間のざわつきが丁寧で、はっきり説明できない違和感にも居場所が残ります。
最後は「おそろい=形」から少し離れ、相手を思いやる“おそろいの心”へ視点が移っていきます。
“おそろい”が変わった日、ミーコの胸に残るざわつき。
仲間のしるしを見つめ直す時間が、静かに効いてきます。
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「いつも一緒」じゃなくてもいいと気づける絵本
友だち関係というと、「ずっと仲よく」「いつも一緒」というイメージを持ちやすいものです。
けれど実際には、近すぎるからこそ疲れたり、気持ちがぶつかったりする瞬間もあります。
ここでは、関係を壊すのではなく、距離をゆるめる・変えるという選択肢に気づける絵本を紹介します。
『しんゆうだけど だいきらい』|近い関係だからこそ生まれる気持ち
『しんゆうだけどだいきらい』は、おしゃべりが得意な親友・みかりと一緒にいるのが楽しい「わたし」が、ある出来事をきっかけに心が揺れる物語です。
好きのままではいられない瞬間や、近い関係ほど期待してしまう痛みが、誇張なく描かれています。
距離を取ることも含めて、関係の形を考える入口になります。
親友なのに、ふと苦しくなる日。
うまく話せない「わたし」の胸のざわざわが、少しずつ言葉に近づきます。
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『おなじところ ちがうところ』|同じでいなくても成り立つ関係
『おなじところ ちがうところ』は、身近な二人の間にある「おなじ」と「ちがう」を見比べながら、多様性を軽やかに味わえる絵本です。
クラブや委員会、担当の違いといった日常の具体から入り、肌の色やルーツ、文化などにも視野が広がっていきます。
違いを“壁”にしない読み心地が残り、無理に合わせなくても関係は続く感覚が手渡されます。
「おなじ」と「ちがう」を見つけるたび、関係がほどけて広がっていく絵本。
友だちと比べて苦しくなった日に、視点をそっと戻せます。
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『こっちとあっち』|同じ場所にいなくても、つながりは続く
『こっちとあっち』は、「ぼく」がいるのは“こっち”、友だちがいるのは“あっち”という距離感から始まる物語です。
あっちから友だちが来ると楽しいけれど、けんかになると帰ってしまう。
今度はぼくがあっちへ行く――その往復が、関係の揺れとつながりの続き方を静かに見せます。
短い文と余白のある展開で、言葉が追いつかないモヤモヤにも居場所が残ります。
「こっち」と「あっち」を行ったり来たり。
楽しいのにけんかもする友だち関係を、赤ちゃんにも届く言葉で描きます。
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見守る親の気持ち|「ちょうどいい距離」を考えたいときに開く本
子どもの友だち関係を見ていると、つい口を出したくなったり、先回りして整えたくなったりすることがあります。
それは心配だからこそ生まれる、自然な気持ちです。
ここからは、「どう関わるのが正しいか」を決めるのではなく、親自身が少し立ち止まって気持ちを整える時間を支えてくれる本を紹介します。
📘友だち関係にかぎらず、子どもが自分を大切にできる土台を整えておきたいときは、自己肯定感を育てる絵本もあわせて読むと、日常の場面での関わり方を考えやすくなります。
『小学生の「じぶんを尊重する心」の育て方』|関わりすぎないための考え方
『小学生の「じぶんを尊重する心」の育て方』は、バウンダリー(心の境界線)の考え方を、親子で学べるようにまとめた本です。
人間関係のしんどさを「我慢」か「断絶」に寄せず、どこまで関わり、どこから離れるかを具体で見直せます。
親が先回りしすぎない視点も得やすい構成です。
親子と友だち関係の「距離」を、やさしい言葉で整理できる一冊。
すぐ介入しない選択肢が増える安心。
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『子どもを見守ること』|答えを出さない時間を支える一冊
『子どもを見守ること』は、引きこもりなどの子育て相談を長年受けてきた医師が、実例をもとに「手出し口出ししない」関わり方をまとめた本です。
すぐ解決へ動くのではなく、子どもが自分の道を選ぶ余地を残す視点が中心。
迷いが出たときの親の心の置きどころも丁寧で、関係を急いで元に戻さなくていい感覚が残ります。
不安で手を出したくなる場面ほど、「急がず、そばにいる」を選び直せる一冊。
子どものペースを信じる軸が整います。
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言葉にしなくても、気持ちが整うもの

友だち関係のモヤモヤは、言葉にしようとするとかえって難しくなることがあります。
ここでは、「どうすればいいか」を考えるための道具ではなく、何も考えなくてもいい時間をつくるものを紹介します。
子どもに使わせる前提ではなく、まずは親自身のそばに置いておける、静かな存在です。
Tempo Drop Mini|変わり続ける気持ちを、ただ眺めるためのオブジェ
Tempo Drop Miniは、ガラスの中で結晶が日々かたちを変える、不思議なオブジェです。
澄んだ日もあれば、白く濁る日もある。
その変化に意味づけをしなくても、ただ「そういう日もある」と受け取れる佇まいがあります。
白黒つけられない気持ちを、無理に整理しなくていい——そんな姿勢を、言葉を使わずに伝えてくれます。
澄む日もあれば白く濁る日もあり、その変化を“説明しない”まま受け取れます。
白黒つけにくい友だち関係の気持ちに、答えを急がない時間が生まれます。
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Sola cube|一人で在ることを、静かに肯定する小さな標本
Sola cubeは、植物のかたちを透明なキューブに閉じ込めた、標本のようなプロダクトです。
混ざり合わず、比べられず、それぞれがそのままで存在している姿は、友だち関係で疲れた心にやさしく響きます。
誰かと一緒でなくても、ちゃんと美しい——そんな感覚を、そっと思い出させてくれる存在です。
ひとり時間の肯定を“言葉少なめ”で支えられる。
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「役に立たないもの」を置くという選択
今回選んだものは、どれも問題を解決する道具ではありません。
だからこそ、「何もしなくていい」「今は考えなくていい」という余白をつくってくれます。
言葉にならない気持ちのそばに、ただ静かに置いておけるものとして、参考にしてみてくださいね。
まとめ|友だち関係のモヤモヤと向き合う時間を、絵本がつくってくれる
絵本は、仲直りの方法や正解を教える道具ではありません。
その代わりに、気持ちを急いでまとめなくていい「安全な距離」をつくってくれます。
物語の中にいったん預けることで、自分の感情を少し離れた場所から見つめ直すことができます。
誰かとどうするかを決める前に、まず「こう感じていたんだ」と気づく時間があること。
そのための静かな場として、絵本は友だち関係のそばに置いておける存在です。
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