おきがえに困ったら読みたい絵本|児童書専門の司書が選ぶ、スムーズな入口を作る物語

床に置いた服を前に立つ男の子を、母親がしゃがんで見守っている様子

朝や夕方のおきがえが、どうしてもスムーズに進まない日があります。

声をかけても体が動かず、遊び出したり、急に「やだ」となったり。

そんな場面で、無理に急がせる代わりに、気持ちの入口をそっと作ってくれるのが絵本です。

児童書専門の司書として選んだのは、「おきがえをさせる本」ではなく、動き出すまでの流れが見えやすい物語

今回は、その日の様子に合わせて手に取りやすい絵本を、場面別に紹介します。

目次

はじめに|おすすめ3冊(早見)

先に3冊だけ並べておくと、いまの場面に近い1冊を選びやすくなります。

気になる本があれば、リンクからそのまま紹介パートへ進めます。

ぬぐところで気分が止まりやすい朝に

『とうもろこしぬぐぞう』
脱ぐ動作が遊びの流れに溶けて、最初の一歩が軽くなりますね。
年齢目安:1歳〜 この本の紹介へ→

ズボンのところで手が止まりやすいとき

『はけたよ ずぼんぼん』
小さな成功が積み重なり、「できそう」という感覚が残ります。
年齢目安:1歳〜 この本の紹介へ→

自分で決めたい気持ちが強い日

『こっちとこっちどっち?』
選べる余地があることで、着替えの入口が作りやすくなります。
年齢目安:2歳〜 この本の紹介へ→

ぬぐのが止まりやすい子に合う絵本|切り替えがふっと軽くなる

服を脱ぐところで動きが止まると、その先に進む気持ちも途切れがちになります。

ここでは「脱ぐこと」を目的にせず、気分が自然に切り替わる流れが見えやすい絵本を紹介します。

『とうもろこしぬぐぞう』|ぬぐ動きが、遊びの流れに変わる

とうもろこしぬぐぞう』は、葉っぱの服を「バリバリ」と脱いでいく気持ちよさが、そのままリズムになる絵本です。

音が前に出るので、脱ぐ行為が「急かされる」から「まねしたい」へ寄りやすいところが魅力。

ページをめくるたびに動きが増え、手も気持ちもついてきます。

最後はおふろまでつながり、生活の流れが一本につながります。

着替えの入口が軽くなる一冊です。

※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます。

ばりばり、べりべり。
「ぬぐ」が気持ちよく進む一冊。

『とうもろこしぬぐぞう』
作:はらしままみ
出版社:ポプラ社
対象年齢:目安 0歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『もうぬげない』|うまくいかない瞬間を、笑いに変える

もうぬげない』は、服がひっかかって頭や腕が抜けず、動けなくなった「ぼく」の焦りから始まります。

助けを呼ぶ前に、もしこのままずっと脱げなかったら、と想像がどんどん広がっていく流れ。

「恥ずかしい」「できない」が前に出るより、笑える方へ転がっていくのも◎。

固まった時間がいったんほどけ、もう一度やり直す余白が戻ってくるようです。

朝の着替えやお風呂前のつまずきに、気持ちの逃げ道をつくる一冊。

着替えで固まる朝に。脱げない一瞬が笑いに変わり、「もう一回」が出やすくなります。

『もうぬげない』
作:ヨシタケシンスケ
出版社:ブロンズ新社
対象年齢:目安 3歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

着るのが進みにくい子に合う絵本|「できた」が増える工夫が見える

着る場面は工程が増えやすく、途中で集中が切れやすいところです。

この章では、説明や声かけに頼らず、「やってみよう」が出やすい流れを見せてくれる絵本を集めました。

『はけたよ ずぼんぼん』|短い工程で、達成の手触りが残る

はけたよ ずぼんぼん』は、ボズボンをはく途中で起きがちな「片足が同じ穴に…」を、きのこずぼんのユーモアで包む絵本です。

失敗を注意で止めず、やり直しの道が物語の中に用意されます。

ページをめくるたび手順が見えてくるため、イヤイヤ期の朝でも「もう一回」が起きやすく、自分でできた感覚を小さく残せますね。

まちがえても笑って戻れ、ズボンの一歩が自分で出る。

『はけたよ ずぼんぼん』
作:minchi
出版社:PHP研究所
対象年齢:目安 2歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『ドアをあけたら だれのおきがえ?』|当てっこで、気分が先に動く

ドアをあけたら だれのおきがえ?』は、は、ドアの穴から見える服をヒントに「だれの?」と当てる、穴あきしかけ絵本です。

「しましまのシャツ」「おはなのスカート」「おおきなパンツ」など、柄や形が先に目に入り、指さしと会話が生まれます。

「トントン」と声を合わせてドアを開けると動物が現れ、正解より先に“開ける楽しさ”が残る作り。

着替え前に1ページだけでも回せるので、気分が乗らない朝の「最初の一歩」が軽くなります。

短く切って読めるのに、場の温度だけ先に整う一冊。

着替えの前に「トントン」と一回。穴から見える服で当てっこが始まり、気分が先に動きます

『ドアをあけたら だれのおきがえ?』
作:しまだ ともみ(作)
出版社:東京書店
対象年齢:目安 0歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『おきがえあそび』|できる・できないから、いったん離れる

おきがえあそび』は、ゆうちゃんと動物たちの着替えを追いながら、めくるしかけで「次はどうなる?」を重ねていく絵本です。

正しく着る練習というより、手を動かす楽しさが先に立ち、着替えの空気がやわらぎます。

うまく着られない日も「遊びの続き」に置けるので、抵抗が強い場面でも固まりにくいところがうれしいポイント。

着替えそのものより、まず動き出す余白をつくりたい朝に合いそう。

「できた?」から少し離れて、気持ちが整っていく一冊。

着替えが止まる朝に。めくる楽しさで手が先に動き、「できた・できない」から一度離れられます。

『おきがえあそび』
作:きむらゆういち
出版社:偕成社
対象年齢:目安 0歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

📘 「自分でやりたい」が強い時期のつまずきは、トイトレの絵本にも重なるところがあります。

イヤイヤ・自分でやりたい時期に合う絵本|選べると動き出しやすい

自分で決めたい気持ちが強い時期は、声をかけるほど反発が出やすくなります。

ここでは、指示や説得に寄らず、「選ぶ」ところから自然に動き出せる絵本を紹介します。

『こっちとこっちどっち?』|決める順番が、気持ちを前に運ぶ

こっちとこっちどっち?』は、「こっちとこっち どっち?」の当てっこで、帽子やTシャツ、ズボンなどを選びながらしたくが進みます。

正解を当てるより「自分で決めていい」空気が残るため、指示に反発しやすい子でも入りやすい構成です。

選ぶ時間が、そのまま着替えの助走につながりそう。

選ぶ→着るが遊びでつながり、朝の一歩が軽くなります。

『こっちとこっちどっち?』
作:きたやま ようこ
出版社:あすなろ書房
対象年齢:目安 2歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『やぁだ!』|拒否の奥にある気持ちを、先に拾う

やぁだ!』は、何を言われても「やぁだ!」と返すこうさぎの一日を描いた絵本です。

「起きる?」「ごはん?」「外で遊ぶ?」の声かけが続いても、返事は変わらず、拒否の気分がそのまま場に置かれていきます。

ところが、やってみたら楽しい瞬間が出てきて、切り替えが“説得”ではなく“経験”で起きる流れ。

「やぁだ!」の日が、その子のペースで動き出す入口になる一冊です。

「やぁだ!」の日も、そのまま笑いに変わる。
説得を減らし、「やってみたら楽しい」へつながる流れが作れます。

『やぁだ!』
作:マルリョケ・ヘンリヒス/訳:木坂 涼
出版社:BL出版
対象年齢:目安 2歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

園の“おきがえ時間”が想像できる絵本|家の朝にもつながる

園では当たり前に進んでいる着替えの流れも、家ではうまくいかないことがあります。

この章では、集団の中での動きを静かに見せながら、家の朝にもつなげやすい絵本を取り上げます。

📘 朝の準備をよりスムーズにしたいときは、朝のしたくが少し楽になる絵本もあわせてご覧ください。

『チューくんといっしょ せいかつのおはなし おきたらおきがえ!』|次の行動が見通しやすい

チューくんといっしょ せいかつのおはなし おきたらおきがえ!』は、「おはよう」「きがえ」など身につけたい生活習慣を、チューくんの短いお話でたどれる絵本です。

1日の流れに沿って8つの習慣が並び、ページをめくる順番がそのまま「次はこれ」を示してくれます。

着替えの場面も、声かけで押すより「チューくんはこうする」が先に入る作り。

朝のぼんやりした時間でも見通しが立ちやすく、行動の入口が軽くなります。

全部を通して読まなくても、必要な場面だけ開けるのが助かるところ。

“朝の段取り”を物語でなぞれる一冊です。

朝の「次はなに?」に。
起きてから着替えまでの流れが見え、声かけを増やさず進めやすくなります。

『チューくんといっしょ せいかつのおはなし おきたらおきがえ!』
作:ひらの ゆきこ/監修:内田 伸子
出版社:ポプラ社
対象年齢:目安 1歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

🌱 家でも同じ流れで進められる“型”があると、おきがえの切り替えが安定しやすくなります。
まずは資料で、教材の量感と雰囲気が合いそうかを確認しておくと安心です(※2〜6歳向け)。
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親の気持ちを整える本|消耗を減らすヒントを確保する(一般書)

鏡の前で着替えた服をチェックしている子どもの後ろ姿を、少し離れた場所から母親が笑顔で見守っている様子

おきがえがうまく進まない日が続くと、どう声をかければいいのか分からなくなることがあります。

ここでは、やり方を増やすよりも、親の気持ちを立て直しやすい本を2冊選書しました。

『子どもの「イヤイヤ期」を楽しむ本 育児の「困った」がすーっとなくなるワザはこれ!』|気持ちの持ち直し方を思い出せる

子どもの「イヤイヤ期」を楽しむ本 育児の「困った」がすーっとなくなるワザはこれ!』は、、0歳〜4歳の「困った」「イヤイヤ」に直面したときの関わり方を、Q&Aで引ける育児書です。

軸にあるのは「子どもを丸ごと受け止める」「否定しない」という考え方。

食事・衛生・睡眠・着替え・遊び・友だち関係・気になる姿・親のメンタルバランスまで、場面が細かく分かれていて探しやすい構成です。

朝の着替えで消耗したあとでも、「声かけを増やす前に整える視点」が戻ってきますね。

親の焦りがほどけ、家の空気を戻す選択肢が増えそうです。

イヤイヤの朝に。場面別Q&Aで「言い方」「整え方」を引き直せて、親の持ち直しが早くなります。

『子どもの「イヤイヤ期」を楽しむ本 育児の「困った」がすーっとなくなるワザはこれ!』
作:池田千恵/絵・漫画:こんぶ
出版社:Gakken

対象年齢:目安 0〜4歳の子どもを育てる保護者向け

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツ』|言葉に迷った朝の支えになる

元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツ』は、イヤイヤや癇癪の場面でそのまま使える“声かけの候補”を、シーン別にまとめた一冊です。

章立てに「お着替えのイヤイヤ」などがあり、朝のつまずきから引きやすい作り。

言葉だけを並べるのではなく、イヤイヤが起きる背景(発達や状態)にも触れたうえで、声かけ・遊び・環境の整え方を提案していきます。

全部をまねしなくても、合う一言だけ拾える構成がうれしい。

叱る方向へ流れそうなとき、言い直しの入口をつくりやすくなります。

言葉が詰まる朝に。着替えのイヤイヤを“言い換え”で回避し、親子の空気を戻しやすくなります。

『元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツ』
作:ふじこせんせい/協力・監修:山本水香/絵:ささきゆか
出版社:講談社

対象年齢:目安 1〜4歳の子どもを育てる保護者向け

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

まとめ|今日の朝に、ひとつだけ足してみる

おきがえがスムーズに進まない日は、やり方を増やすほど重くなることがあります。

絵本は、行動を促す前に、気持ちが動き出す順番をそっと整えてくれます。

脱ぐ、着る、選ぶ、そのどこで止まりやすいのかを見ながら、合いそうな一冊を置いてみませんか。

完璧に進まなくても、入口がひとつ増えれば十分です。

今日の朝に、できそうなところから足してみてくださいね。

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この記事を書いた人

児童書専門の司書、子どもは2人です。子どもと本をつなぐ小さな図書室のような情報サイト『Room E726.6』を運営しています。

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