朝のしたくがうまく進まないとき、それは「やる気」や「しつけ」の問題ではないことがあります。
起きる・着替える・食べる──その切り替えが、まだ追いついていないだけかもしれません。
今回は、気持ちを静かに朝のしたくへ連れていく絵本を、児童書専門の司書×母の視点から紹介します。
朝は「切り替え」がいちばん難しい時間
朝のしたくがうまく進まないのは、手順が分からないからではなく、気持ちがまだ切り替わっていない時間に重なっているからかもしれません。
起きる、動く、食べるといった行動の前に、心と体がまだ夜の延長にある状態です。
それを「やる気がない」「甘えている」と受け取ると、朝の空気は固まりやすくなります。
朝はまず、行動を促す前に、気持ちが朝へ移るための小さな助走が必要な時間なのだと、母として実感しています。
📘 朝のしたくが落ち着かない時期が「入学前後」と重なるときは、入学前の子におすすめの絵本もあわせて参考にしてみてください。
起きられない・動けない朝に──まず「からだ」を朝に連れていく絵本
ここからは、考えたり判断したりする前に、体が自然と朝へ向かっていく絵本を紹介します。
布団から出られない、ぼんやりして動けない朝に、「起きなさい」と促す代わりに、体の感覚から一日を始められる物語です。
できる・できないを問わず、まず“起きるところまで”を支える入口として置ける一冊を集めています。
📘夜の過ごし方や眠りへの入り方が整うと、翌朝の体も動き出しやすくなります。
寝かしつけに寄り添う絵本もあわせて読んでみてくださいね。
『ぱっちり おはよう』|「起きる」ができない朝に、からだのスイッチを入れる
『ぱっちり おはよう』は、ぶたさんが眠っているところから始まり、ページをめくると目をぱっちり開けて「おはよう」とあいさつする絵本です。
かめ、ねずみ、ひよこ、くじらへと続くくり返しが心地よく、内容理解より先に“朝のリズム”が立ち上がる構成。
起き抜けに言葉を考えなくても受け取りやすく、まず目を開く一歩を支える本として置きやすい一冊です。
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ページをめくるたび「おめめ ぱっちり」。
起きる前のぼんやりに、からだのスイッチをそっと入れてくれます。
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『おきておきてカップケーキちゃん』|動けない朝を、ふわっと持ち上げる
『おきておきてカップケーキちゃん』は、オーブンの中でぐっすり眠るカップケーキちゃんたちを、音や風、そしてトッピングで起こそうとする絵本です。
のせてみる→「あれれ?」→次を試す、というくり返しが心地よく、読み手も参加しやすいのが◎。
朝の「起きる」を命令にせず、遊びへ変えてくれる一冊です。
眠っているカップケーキちゃんに、クリームやフルーツをのせて「起きて」を手伝うお話。
朝の切り替えを遊びの気分で始められます。
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次がわかると進みやすい──朝のしたくの流れが見える絵本
朝のしたくが止まりやすい理由のひとつは、次に何をすればいいかが見えにくいことにあります。
ここでは、声をかけて動かすのではなく、行動の順番や一日の流れを絵本の中で先にたどることで、自然に前へ進みやすくなる作品を紹介します。
見通しが持てると、朝のやりとりは驚くほど静かになります。
📘朝のしたくが止まる背景に、登園への緊張や新しい環境への不安が隠れていることも。
登園前の気持ちに目を向けたいときは、、入園前におすすめの絵本も参考にしてみてください。
『おさるのジョージ きょう これ できた?』|あいさつ・歯みがき・片づけまで“1日の流れ”をたどれる
『おさるのジョージ きょう これ できた?』は、あいさつや歯みがき、お遊び、お片づけといった生活の場面を、ページを追って“流れ”でたどれる絵本です。
各ページの最後に「できた?」と問いかけが入り、行動を指示する形になりにくい構成。
朝だけに閉じず、1日全体を見通せるので、「次はこれ」を子どもが自分で思い出しやすくなります。
「次はこれ」がページで見えるから、声かけが減る一冊。
あいさつ・歯みがき・お片づけまで、1日の流れをジョージと一緒にたどれます。
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『アンパンマンとおでかけ いってきます!』|“出発”までの導線を、短く明るくつなぐ
『アンパンマンとおでかけ いってきます!』は、アンパンマンと一緒に身支度を進めていく、参加型のしかけ絵本です。
細かな手順説明より、「ページをめくる=次の準備へ」の流れが気持ちよく続く構成。
朝の終盤に「出発」へつなげたいとき、声かけを増やさずにテンポだけ整えられます。
ページをめくりながら、くつ下・くつ・ぼうし…と“おでかけ準備”を進めるしかけ絵本。
出発前の空気を明るく切り替えられます。
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『はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう!』|終点が見えると、歯みがきが進みやすい
『はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう!』歯みがきが苦手なたっくんの前に「はみがきれっしゃ」がやってきて、お口の中をしゅっしゅっと進めていく絵本です。
行動を細かく説明するより、「出発して進む」イメージが先に立つ構成。
途中で止まりやすい歯みがきも、流れに乗ると最後まで運びやすくなります。
朝のしたくの中で“次へつなぐ一工程”として置きやすい一冊。
口を「あーん」と開くと、はみがきれっしゃが出発。
しゅっしゅっと進む感じが見えるから、歯みがきの“終わり”まで行きやすくなります。
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📘 朝のしたくが止まる背景に「離れる不安」が混ざる日は、登園しぶりの絵本も役に立ちます。
朝ごはんが進まない日に──「食べるスイッチ」が入りやすい絵本
朝ごはんは、急がせたい場面でありながら、気持ちを立て直せる大切な時間でもあります。
この章では、「食べなさい」と促す代わりに、食卓に向かう空気やリズムを整えてくれる絵本を選書しました。
朝ごはんを“最後のしんどさ”ではなく、次へ向かうための小さな楽しみに変える視点を置いています。
『あ・さ・ご・は・ん!』|つくる音と手順が“朝のスイッチ”になる
『あ・さ・ご・は・ん!』は、お米を研いで炊くあいだに、みそ汁を作って、しゃけを焼いて——朝ごはんができあがるまでを、音と動きで追っていく絵本です。
「ぐつぐつ」「ごとごと」「じゅーじゅー」がページのテンポになり、したく前の気持ちに“朝のスイッチ”が入りやすい構成。
食べる場面の前に「できあがる気配」を先に受け取れるのも魅力です。
炊飯器の「ごとごと」、みそ汁の「ぐつぐつ」、しゃけの「じゅーじゅー」。
音のリズムで朝が立ち上がる絵本です。
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『おにぎり ぱく!』|めくるたび具が変わり、「食べたい」が動き出す
『おにぎり ぱく!』は、おにぎりを「ぱく!」とかじってページをめくるたび、中の具が変わる絵本です。
構成はとてもシンプルで、読むというより“いっしょに動く”感覚が残ります。
起きた直後の硬さに「説明」や「説得」を足さず、ぱくっと進むリズムだけが続く流れ。
ページをめくるたび具が変わる「ぱく!」の反復で、朝の固まりをほどき、食べる気持ちを先に動かす絵本です。
「ぱく!」でページをめくると、具が登場。
朝のからだが起ききらない時間にも、“食べたい”の気持ちだけ先に動き出します。
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『おいしいぱんぱんでんしゃ』|朝の「食べたい」を引き出す、ごはん前の一冊
『おいしいぱんぱんでんしゃ』は、音をならしてやってくる「ぱんぱんでんしゃ」に、おいしそうなパンが次々と並ぶ絵本です。
パン×電車の組み合わせがまっすぐ楽しく、朝の入口で「食べる時間が始まる」気配を先に受け取れます。
説明で動かす本ではなく、リズムと絵の高揚感で食卓へ誘うタイプ。
ごはん前の一冊として置きやすい作品です。
「ぱぱん ぱぱーん!」とやってくる、パンの電車。
朝ごはん前の気分を、明るく“食べたい”へつないでくれます。
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着替え・したくが進まない日に──「やってみる」が出てくる絵本
着替えや出かける準備が止まってしまう朝は、「できない」状態に目が向きやすいかもしれませんね。
この章では、完璧さや早さを求めるのではなく、「少しやってみる」「一つ進む」感覚を支えてくれる絵本を集めました。
大人が先回りして整えるのではなく、子ども自身の動き出しを待てる入口として置ける一冊を紹介します。
『できたよ!』|“できた”を積み上げて、朝を自分のものにしていく
『できたよ!』は、こうえんへ行く準備を始めたこうさぎとパパのお話です。
こうさぎは元気に「できたよ!」と言うものの、途中で別のことに気を取られて寄り道が増えていきます。
急かして正すより、したくの途中でそれる気持ちごと受け止める構造。
朝の「次へ進む」切り替えを、やさしく整える一冊です。
「できたよ!」と言いながら、つい別のことを始めちゃうこうさぎ。
朝のしたくがそれやすい子の“あるある”に、笑ってうなずけます。
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『おきがえ できるかな?』|“できた/できない”より、やってみる流れが見える
『おきがえできるかな?』は、パンツ・ズボン・くつしたなどを「どーれ?」と選びながら、つぎつぎ身につけていく感覚を楽しめる“あなあきしかけ絵本”です。
手順を説明して教えるというより、ページの流れそのものが「次はこれ」を示す構成。
朝の声かけを増やさず、手を動かしながら着替えのリズムをつくりたい場面に置きやすい一冊です。
パンツはどーれ? つぎはズボン?
あなあきしかけで“身につける順番”が見えるから、朝のおきがえが前に進みやすくなります。
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『こっちとこっちどっち?』|自分で決めた一歩が、朝の動き出しになる
『こっちとこっちどっち?』は、うさぴょんがおでかけ前に、服や持ちものを「どれにしようかな」と選んでいく生活絵本です。
鳥の柄と魚の柄、どっち?のように、選択がページごとに続く構造。
自分で決めた一歩が、朝のしたくの前進につながります。
どっちにする?を重ねながら、うさぴょんがおでかけ準備。
自分で選んだ一歩が、そのまま支度の前進になります。
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🌱絵本で気持ちが整ったあと、家の中でも同じ順番で朝を回せると、切り替えが軽くなることがあります。
わが家は幼児期にこどもちゃれんじを使った時期があり、声かけより「毎日の型」が助けになりました。
資料で教材の雰囲気と量感を見て、負担が出なさそうかを確かめておくと判断しやすくなります。(2歳〜6歳向け)
【こどもちゃれんじ】
言葉を減らして、朝が整う──したくのための静かな道具

朝のしたくがうまく回らないとき、増えがちなのが「片付けなさい」「早くして」という言葉です。
ここからは、声かけで動かす代わりに、環境そのものがしたくを助けてくれるアイテムを紹介します。
目的は、子どもを管理することではなく、朝の空気からノイズを減らすこと。
インテリアとしての美しさも保ちながら、自然に切り替えが起こる道具を選びました。
stacksto, baquet M+onbaquet(木目調フタ)|“戻れる場所”をつくる収納
朝のしたくで揉めやすい場面として多いのが、パジャマや服、かばんの置き場が定まっていないこと。
「どこに置くか」「どこから始めるか」が曖昧なままだと、動き出しにくくなりますね。
stacksto, baquetは、細かく整える必要がなく「放り込むだけ」でしたくが一区切りつく収納です。
柔らかく丈夫な素材で幼児でも扱いやすく、木目調のフタを合わせることで生活感を静かに隠せます。
「ここに入れる」という場所がひとつあるだけで、朝の動線が驚くほどシンプルになります。
「放り込むだけ」で片付く設計が、朝の“言い合いポイント”を減らしやすい。
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TIME TIMER MOD Home Edition|時間を“音で急かさず”見える形にする
TIME TIMERは、残り時間を赤い円盤の面積で示すタイマーです。
秒針音がなく、シリコンカバーのマットな質感とくすみカラーが朝の静けさを壊しません。
時間を守らせるための道具というより、「今どれくらい残っているか」を目で共有するための存在です。
大人が声を荒げなくても、静かに減っていく円を見ることで、子どもが自分のペースで動き出しやすくなります。
残り時間を“面積”で共有でき、声かけの圧を下げやすい。
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まとめ|朝のしたくは「切り替え」が整うと回りはじめる
朝のしたくがうまく進まない日は、手順や声かけの前に、気持ちがまだ次の行動へ向かっていないことが多いようです。
絵本は、急がせたり正したりするためのものではなく、朝の流れにそっと橋をかけてくれる存在です。
起きる、動く、食べる、したくをする。
その間にある小さな切り替えを支えることで、親子の朝は少しずつ穏やかさを取り戻していきます。
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