小さな子の「行きたくない」が続くと、朝がまるごと重たく感じられます。
この記事では、登園しぶりに寄り添う絵本を、朝の“つまずき方”別にまとめました。
児童書専門の司書としての観察と、母としての実感を重ね、園の一日が見えてくる本、玄関で止まりやすい朝を支える本、教室で離れにくい場面に届く本などを紹介します。
親の気持ちが少し整う読み物と、登園前の空気を静かに変える道具も2点だけ。
いまの朝に一番近いところから、読み進めてみてください。
はじめに|おすすめ3冊(早見)
いまの朝に近いところから選べるように、まずは3冊だけ先に並べます。
気になる本があれば、「この本の紹介へ→」から該当パートへ飛べます。
登園しぶりに絵本が合う理由|朝のどきどきを「見通し」に変えていく
園で何をするのか、どんな順番で一日が進むのか。
そこがぼんやりしたままだと、気持ちが玄関で止まってしまうのかもしれません。
登園しぶりの朝は、「できない」よりも「先が見えない」という言葉が合いそうです。
絵本は、説得の言葉を増やす代わりに、園の空気や出来事の流れを先に見せてくれます。
子どもの見ている景色に、「見通し」という色を添えてあげましょう。
📘 入園前の気持ちの整え方は、入園前におすすめの絵本でも扱っています。
園の一日が見えてくる絵本|「何をする場所か」が分かる
登園前に重たくなりやすいのは、園の時間がまだ想像できないところかもしれません。
一日の流れが少し見えるだけで、「まずここまで」で気持ちが動きやすくなります。
『どっちどっち ほいくえん』|園の一日が小さな場面でつながり、「次」が想像しやすくなる
『どっちどっち ほいくえん』は、園の一日を「どっち?」の選択でつないでいく絵本です。
空のおさんぽと海のおさんぽ、お宝が埋まってるお砂場とジャングルみたいなジャングルジムなど、どちらも楽しそうな2択が続きます。
説明で促すのではなく、ページをめくるたびに“次の場面”が見えてくる構成。
先を一気に考えるのがつらい朝でも、「次はこれ」と気持ちを小さく動かしやすくなります。
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登園が重い朝に。
「どっち?どっち?」の2択で園の場面が進み、自分で選ぶ楽しさが先に立ち上がります。
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『きんたろうようちえん』|登園から帰るまでの流れが物語になり、園の空気がつかめる
『きんたろうようちえん』は、山の上の幼稚園へ登園し、動物の先生たちと自然の中で過ごす一日を描く絵本です。
園長はきんたろう先生。年少・年中・年長それぞれの先生がいて、遊びや給食、お昼寝までが「園のリズム」として続いていきます。
後半では水飲み場の出来事が起点になり、みんなで様子を見にいく流れも入り、園で起きる“ちいさな事件”の感じも味わえます。
登園しぶりの朝に、元気づけより先に「園で何が起きるか」を景色で渡せる一冊。
登園の朝に。
ロープウェイで山の園へ向かい、動物の先生と過ごす一日がつながって見えて、「園の時間」が少し想像しやすくなります。
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『せんせい みてて!』|「見てて」が届く場面があり、教室の時間が前向きに想像できる
『せんせい みてて!』は、保育園のみんなが外へ出た場面から始まり、子どもたちの「見てほしい」が順番に広がっていく絵本です。
一本橋を渡るはなちゃんを先生が見守り、拍手で受け取る。すると、草むらから「わたしも!」と声が続きます。
話すことが得意でなくても、“やってみた”を見てもらえる時間があると伝わってきます。
登園前に重くなりやすい「そこで自分がどう扱われるか」を、やさしく見通せる一冊。
「せんせい、みてて!」がちゃんと届く園の外あそび。
見てもらえた喜びがつながり、教室に行く前の気持ちまで明るくなります。
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玄関・園門で止まりやすい朝の絵本|出発の数分を支える
家を出る直前だけ、気持ちが固まってしまう朝があります。
長い説明より、出発の数分に寄り添う物語があると、足が動きやすくなることもあります。
『すうちゃんはね』|「行きたくない」が出てくる朝を、そのままの速度で描いてくれる
『すうちゃんはね』は、幼稚園に行きたくない朝の「すうちゃん」の本音を、急かさず拾っていく物語です。
理由が言葉にならない日でも、嫌だった感覚をいったん受け止めてもらえる流れがあるので、親子の会話の糸口が生まれます。
抱えたままでも大丈夫という余白が、自己肯定感の土台になります。
登園しぶりの朝に。
言えない「いや」の手前を丁寧にすくい取り、気持ちがほどけるきっかけを残してくれます。
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『ここは、ようかいチビッコえん ヒュードロ・タウンのようかいたち』|園の想像が明るく塗り替わり、出発前の気持ちが軽くなる
『ここは、ようかいチビッコえん ヒュードロ・タウンのようかいたち』は、妖怪の子どもたちが通う園の一日を、体操・遊び・散歩・給食へとつないで描く絵本です。
出来事が細かく区切れて並ぶため、「次は何がある?」が想像しやすく、朝の不安が大きい子の頭の中も整理されていきます。
説得よりも、園の景色を明るく塗り替える読み心地。
登園前に園のイメージが固まりやすい朝に。
妖怪の園の一日を追ううち、「こわい」が遊びへ変わり、玄関の空気が少し軽くなります。
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別れの場面で離れにくい子の絵本|「あとで迎えに来る」が届く
別れの場面で足が止まる朝があります。
教室でも、門でも、バスでも。離れることと、その先にある「また会える」をつなぐ物語が、気持ちを支えることもあります。
📘 「離れたくない」「こわい」が続くときは、不安そのものをやさしく受け止める視点も助けになります。
気持ちの揺れに寄り添う物語は、子どもの不安に寄り添う絵本にもまとめています。
『また あえるよ』|「離れる=終わり」ではなく、「また会える」に着地する
『また あえるよ』は、親子の成長と旅立ちを見守る絵本です。
いま目の前にいない時間があっても、関係は消えない。そうした感覚を、説明よりも流れで伝えていきます。
登園の別れのように「いま」が大きくなりすぎる朝に、先の見通しを言葉で押さえつけず、静かに支えになる一冊。
別れが「終わり」に見える朝に。離れてもつながりは続くと、物語の着地で“また会える”を残してくれます。
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『おひるね とんとん』|園で落ち着ける時間がある、と体で思い出せる
『おひるね とんとん』は、保育園の“おひるね”の時間に「ねぇ、せんせい とんとんして」と頼む場面から始まる物語です。
背中をとんとんしてもらう感覚が、言葉より先に安心として届きます。
別れの瞬間だけが大きくなる日でも、園の中に戻れる静けさがあると想像できる一冊。
出発前の呼吸を整える位置に置きやすい絵本です。
登園の別れが重たい朝に。
園の中にも「落ち着ける時間」があると知るだけで、出発前の不安が少し小さくなります。
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週明けや理由が言えない朝の絵本|「なんとなく行きたくない」に寄り添う
週明けになると、理由ははっきりしないのに足が重くなる朝があります。
言葉にできない気持ちを急いで聞き出すより、気持ちの順番をそっとたどれる物語が助けになることもあります。
『なかなかいえない ウウントネ』|言えない気持ちが先にいても、物語はちゃんと進む
『なかなかいえない ウウントネ』は、ようちえんの音楽発表会で「やってみたい楽器」を決める場面から、言いたいのに言えない子の心の中を描く物語です。
なおくんの中にうまれた思いが“気持ちのたまご”として動き、迷いの正体が少しずつ見える形になります。
理由がまとまらない朝に「どうして?」を急がず、言えない時間も含めて受け止める入口として置きやすい一冊。
週明けの「なんとなく行きたくない」に。
言えない気持ちが“たまご”になって転がり、言葉の手前をほどいてくれる絵本です。
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『みんなのあのね』|言いづらい気持ちに、言葉の入口ができる
『みんなのあのね』は、なかよしの3人が「何して遊ぶ?」を相談する場面から始まる物語。
かくれんぼ、虫探し、木のぼり。提案は出るのに決まらない理由が、少しずつ言葉になります。得意と苦手、好きときらいが違っても、関係は続けられる。
登園前の胸のつかえがある日に、「言ってみようかな」の入口をつくってくれる一冊です。
「言いづらい」を抱えたままでも大丈夫。
苦手やきらいを少しずつ伝え合い、いっしょにいられる形を見つけていきます。
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親の気持ちを支える本|登園しぶりが続くときの読み物2冊
登園しぶりが続くと、子どものこと以上に、親の心がすり減っていくことがあります。
「今日もだめだった」と責める方向に傾きやすい朝ほど、考え方の置き場があると助かります。
ここでは、原因を決めつけず、場面ごとの見通しと選択肢を増やしてくれる2冊を挙げます。
『子どもの登園しぶりに困ったら』|理由が一つに決まらなくても、考え方の置き場ができる
『子どもの登園しぶりに困ったら―保育士、看護師からのメッセージ』は、幼稚園・保育園に「行きたくない」が出たときの迷いを、Q&Aを軸にほどいていく育児書です。
0〜2歳、2〜3歳、4歳〜と年齢で章が分かれ、行事前や体調不良、発達の心配など、揺れ方の違いも前提に置かれています。
答えを急ぎがちな朝に、親の視界を少し広げ、落ち着いて選べる選択肢を並べてくれる一冊です。
「行きたくない」の理由が毎回ちがう朝に。
原因を一つに決めず、年齢・場面別のQ&Aで「今日はこれでいい」が見つかります。
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『子どもの「イヤイヤ期」を楽しむ本』|「困った」を抱えたままでも、受け止め方と言葉が増えていく
『子どもの「イヤイヤ期」を楽しむ本 育児の「困った」がすーっとなくなるワザはこれ!』は、0歳〜4歳の育児で起きやすい“困った”を、否定せずに整理していくアイディア集(Q&A)です。
食事・衛生・睡眠・着替え・遊び・友だち関係など、場面ごとのつまずきに対して「今できる関わり方」を並べてくれる構成。
登園前のぶつかりが続くときも、答えを急ぎすぎずに、親の気持ちの置き場をつくりやすい一冊です。
「困った」を消そうと急がない本。
0〜4歳の“イヤイヤ”に、受け止め方と言葉かけの選択肢が増えていきます。
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登園前の空気が整う道具|見通しと合図をそっと作る

言葉で急かすほど、朝が固くなる日があります。
そんなときは、見通しが目に入ること、出発の合図が心地よいことが、助けになることも。
ここでは、絵本の流れを邪魔しない、静かな道具を2つ紹介します。
『リビガク トキ・サポ おしたくボード』|「やること」が見えるだけで、朝が進みやすくなる
『リビガク トキ・サポ おしたくボード』は、朝の「やること」を目で確認できるボードです。
朝の「次」が見えないと、気持ちが固まりやすい時間があります。
このボードは、やることを並べて、できたらマグネットを返すだけ。進み具合が黙って伝わります。
声かけを重ねなくても、「できた」が目に残り、小さな区切りが生まれます。
早くするためというより、朝を始めやすくするための仕組みとして置けます。
言葉で促す前に、やることと進み具合を“目で共有”できる設計。
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『Timbre Door Chime Bo』|玄関の数秒を、澄んだ音の合図に変える
『Timbre Door Chime Bo』は、玄関ドアに取り付ける小さなドアチャイムです。
ドアを開けるたびに、余韻のある音がひとつ鳴ります。
別れの直前で気持ちが固まりやすい朝に、“音の合図”が入ると空気が変わりやすい。
「行かなきゃ」ではなく「音を鳴らして出よう」と、向きが少しだけ整うことがあります。
ドアの開閉に合わせて澄んだ音が鳴り、言葉より先に“出発の合図”を作れます。
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まとめ|朝を動かすのは、説得よりも見通し
登園しぶりの朝は、気持ちを変えようとしても、うまく動かないことがあります。
必要なのは、理由を探すことより、「次が分かる」「ここまででいい」という小さな見通しなのかもしれません。
絵本は、園の一日や別れの先を、言葉より先に伝えてくれます。
道具は、急かす代わりに、目や音で合図をつくってくれます。
どちらも、朝の空気をやわらかくするための助けです。
すべてを試す必要はありません。
いまの朝に一番近いところから、ひとつだけ取り入れてみてください。
今日が少し始めやすくなる。それだけで、十分です。
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