子どもの片付けがうまくいかないと、「しつけたほうがいいのかな」と迷うことがあります。
けれど実際には、片付けは習慣や根気の問題というより、「気持ちの切り替え」や「次が見えるかどうか」で左右されやすい行動なのではないかと、母としての経験から思います。
この記事では、子どもが動き出す前の気持ちを整える絵本を、司書×母の視点で選びました。
まずはここから|片付け絵本おすすめ3冊(早見)
片付けの声かけに入る前に、「いま困っているタイプ」に近い絵本を先に選べる早見です。
気になる1冊から、下の紹介パートへジャンプできます。
散らかりが広がって途方に暮れるとき
『あーっとかたづけ』
散らかった状態から「元に戻していく流れ」を、説明過多にならずに見せてくれる一冊。
戻す場所が見えると、手が動きやすくなります。
目安:3歳〜 この本の紹介へ→
終わりたくない・切り替えられないとき
『ぱなし くん』
片付け以前の「まだ遊びたい」「終わりたくない」気持ちを扱いやすく、 次の行動へ移る切り替えの糸口をつくれます。
目安:3歳〜 この本の紹介へ→
捨てるがつらい/選べないとき
『ヤモリ3きょうだい』
「捨てる」ではなく「どれを大事にする?」という視点に寄せやすく、 価値観の押しつけを避けながら整理へ向かえる構成です。
目安:4歳〜 この本の紹介へ→
「戻す場所」が見えると動ける──おもちゃが散らかる日に読む絵本
おもちゃが床いっぱいに広がっているとき、子どもが動けなくなるのは「片付け方が分からない」からではありません。
多くの場合、「どこから始めればいいのか」「何を終わりにすればいいのか」が見えていないだけです。
この章では、片付けを正しい行動として教えるのではなく、戻していく順番や置き場所が、自然と目に入る絵本を紹介します。
『あーっとかたづけ』|散らかった景色が、少しずつ整っていく流れを追える
『あーっとかたづけ』は、脱ぎっぱなしの靴や散らかったおもちゃが、見立てによって砂浜・プール・スキー場のような世界に変わっていく写真絵本です。
叱って正すのではなく、「こう見える!」の驚きが先に立つ構造。
散らかりを責めないまま、戻す動きへ気持ちを運びやすくなります。
眺めて探して遊べる余白も魅力です。
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玄関の靴も床のおもちゃも、見立てで砂浜やプールに大変身。片付けの入口を「楽しい景色」からつくれる写真絵本です。
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『かたづけできた』|ひとつ終わるたびに、気持ちが追いつく構造
『かたづけできた』は、モンテッソーリの考え方に沿って「ひとつ活動したら、まず片付ける」流れを、子どもの動きとして追える絵本です。
片付けを“きれいにする正解”にせず、ひと区切りごとに「できた」が残る構造。
文字量が控えめで、短い反復になじむシリーズ設計なので、低年齢でもくり返し読みやすくなっています。
「ひとつ片付けたら、できた」。
小さな区切りを重ねていくので、途中で止まりやすい子の気持ちが置いていかれにくい絵本です。
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『ぼくのカメはどこ?』|探しものから、置き場所を考える視点へ
『ぼくのカメはどこ?』は、片づけが苦手なアーチーが、いなくなった大切なカメを散らかった部屋で探す絵本です。
見つからない理由が「散らかり」に直結していて、叱られなくても“戻す”必要が浮かび上がります。
探しもののワクワクが先に立つので、片付けを命令にしない導入として使いやすい一冊。
散らかった部屋で、ペットのカメが見つからない。
探すうちに「戻す場所」がいると気づけて、片付けの入口ができます。
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遊びを終えるのがつらい朝・夕方に──切り替えの糸口が見える絵本
この章では、「片付けに入れない」以前の、終わりたくない気持ち・切り替えられない状態に目を向けた絵本を紹介します。
遊びをやめさせるためではなく、気持ちが次へ移る“余白”を物語の中につくってくれる作品を選びました。
📘 朝のしたくでも「切り替え」が難しい日は、朝のしたくが少し楽になる絵本もおすすめです。
『ぱなしくん』|終わりたくない気持ちを、そのまま置いていける
『ぱなしくん』は、食べっぱなし・ぬぎっぱなし・出しっぱなしの毎日を送る男の子のところに、“ごっちゃおばけ”が近づいてくるお話です。
叱るより先に、散らかしたままだと「ちょっと困る」が物語で見えてくる構成。
笑いがあるので、切り替えの言葉が届きにくい子の入口にも置きやすい一冊です。
片付けられない“ぱなしくん”に、散らかしっぱなしの困りごとがやってくる。
笑いながら「戻す」が頭に残ります。
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『バラバラピタッツ!』|散らばったものが、まとまっていく感覚を体で追える
『バラバラピタッツ!』は、クレヨンやつみきなどが散らばるページ(バラバラ)と、並んで整列するページ(ピタッ)が交互に出てくる絵がわり絵本です。
言葉で「終わり」を告げるより、見た目の変化で区切りを受け取りやすい構造。
遊び→片付けを別物にせず、「そろうと気持ちいい」という感覚を体で覚えやすくなります。
「バラバラ…」「ピタッ!」の切り替えが気持ちいい、穴あきしかけ絵本。
散らかった状態が“そろう感覚”として残ります。
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『いろいろおてつだい』|片付けを“次の生活”につなげて考えられる
『いろいろおてつだい』は、はなちゃんが食事のしたくを手伝い、食べたあとの片付けまでを一続きで追える物語。
あてっこ形式でページが進むため、「やめる/片付ける」を命令として切り出さず、流れの中で次の行動へ移りやすい構成です。
終わりが“切り替え”として自然に見えてくる読後感。
「おてつだい なにしよう?」の問いかけで、支度→食事→片付けへ。
遊びの延長で“次へ移る”感覚が残り、声かけの角が立ちにくい絵本。
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手放す話にしない──“選ぶ”が育つと、片付けは軽くなる
片付けが難しくなる場面には、「捨てなさい」「減らしなさい」という判断の重さが重なりがちです。
この章では、物を減らすことを目的にせず、どれを大事にしたいかを考える時間が自然に生まれる絵本を選びました。
選ぶ経験が増えるほど、片付けは指示ではなく、自分の感覚に近づいていきます。
『ヤモリ3きょうだい』|「残す/捨てる」の前に、“大事にしたい理由”が立ち上がる
『ヤモリ3きょうだい』、おかたづけが苦手な兄弟が「ママとパパが帰るまでに部屋をきれいにしなくちゃ!」と焦るところから始まる物語。
まほうのような助っ人(りゅうじんのつかい)との出会いで、散らかった景色が動き出します。
説教や手順説明より先に、「片付けが物語の中で進む感じ」が立ち上がる構成。
やる気の前に手が出るタイプの一冊として置きやすい本です。
片付けが止まった朝夕に。
ぐちゃぐちゃの部屋を“今日の冒険”に変え、まず手を動かす一歩が生まれます。
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『おかたづけ めっちゃ すっきり きもちいい』|片付けの始め方がいくつか見えて、切り替えの入口がつかめる
『おかたづけ めっちゃ すっきり きもちいい』は、ぐちゃぐちゃの部屋に慣れているふたごが、片付けを「やってみよう!」に変えていく構成です。
時間を決める、リズムに乗る、仲間で分ける、ごっこ、競争といった5つの切り口が並び、気分に合う入口を選べます。
終わらせ方より“動き出し方”が残る一冊。
「どこから始める?」が見える片付け絵本。
集める・分ける・タイマーなど、入口が複数あるので切り替えの糸口をつかみやすくなります。
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『できたよ!』|判断を小さく刻むことで、片付けが続く行動になる
『できたよ!』は、こうさぎとパパが公園へ行く準備をするはずなのに、服も荷物もどんどん脱線していくお話です。
冬の格好、水着、着ぐるみ…「できたよ!」は言えるのに、全部ちがう。
散らかった行動を叱らずに笑いへ変えながら、やることの軌道を戻す感覚が残ります。
準備や片付けが途中で止まりやすい子の“立て直し”に使いやすい一冊です。
公園の支度をしようとしたのに、つい寄り道。
やることが散っても「できたよ!」を重ねて戻ってこられます。
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片付けが回り出す環境づくり|「しまい方」より先に整えたいこと

片付けが続かないとき、足りないのは意欲ではなく「戻りやすさ」であることが多くあります。
どこに戻せばよいかが見えない状態では、子どもは判断の手前で止まってしまうかも。
この章では、がんばらせる道具ではなく、迷わず終われる環境を静かに支えるアイテムを選びました。
声かけを減らし、生活の流れそのものを整えるための補助線として位置づけています。
📘 入園前後は持ち物も増えて散らかりやすいので、入園前におすすめの絵本も参考にしてみてくださいね。
文房具や小物を「本」に戻す箱|散らかりを、棚に戻せる景色へ
ナカバヤシのLIFESTYLE TOOLは、閉じると一冊の本のように見える収納です。
細かい文房具や部品類を放り込んだあと、フタを閉じて棚に戻すだけで、視界から散らかりが消えます。
ここで大切なのは、分類の正確さではなく、「戻す動作が完結する」ことです。
引き出しを開けて考え込む必要がなく、本を閉じるという一動作で片付けが終わります。
絵本で「戻す場所」を見てきたあとに置くと、物語と生活が自然につながります。
本棚に戻すだけで視界が整い、生活導線と絵本のテーマ(戻す場所)を自然につなげられます。
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放り込んでも整って見える布の箱|途中で終えてもいい、片付けの逃げ場
HEMING’SのPilierは、作りかけの物や分類しにくい物を、一度まとめて受け止める布の箱。
片付けを完了させるためではなく、「今日はここまで」で終われる余白をつくれます。
布素材がやわらかく中身を受け止め、詰め込みすぎる緊張感が出にくいところも安心。
判断を先送りできる場所があると、片付けが日常の流れに戻りやすくなります。。
「今日はここまで」で終われる“逃げ場”が作れ、片付けの心理的負担を下げやすい。
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まとめ|片付けは、気持ちの準備ができると動き出す
片付けが進まないときは、やり方の問題ではなく、気持ちや見通しがまだ整っていないだけのことがあります。
今回紹介した絵本は、片付けを教えるためのものではなく、戻る場所・終わりの合図・選ぶ感覚を、物語の中で自然に示してくれる存在です。
すべてを一度に変えなくても大丈夫です。
今の暮らしに合いそうな一冊を、必要な場面で開くだけで、片付けに向かう空気が少し軽くなることがあります。
絵本は、生活を正す道具ではなく、日常に戻るための静かなきっかけです。
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