子どものやる気が出ないときに読みたい絵本|児童書専門の司書が選ぶ、休みながら戻るための一冊

ソファで横になりながらカードを手に休んでいる子どもの様子

子どものやる気が落ちているとき、すぐに元気を取り戻させようとすると、かえって動きにくくなることがあります。

疲れがたまっているのか、自信をなくしているのか、それとも気持ちを戻す途中なのか。

止まり方が違えば、合う言葉や戻るためにかかる時間も変わってきます。

絵本は、何かを言い聞かせるより前に、今の気持ちに合う空気を渡してくれることがあります。

今回は、「休む」と「戻る」のあいだにそっと置きやすい作品を集めました

後半では、見守る側の気持ちを整えたいときに読みたい、保護者向けの本も紹介します。

目次

子どものやる気が出ないときに合う絵本【早見】

まずは、いまの止まり方に近いところから選べるよう、3冊だけ並べました。

どれも「やる気を出す」ためではなく、休む・整える・小さく戻る流れに合う作品です。

疲れがたまって動けないときに

『くらやみヤミー』
つかれて動けない夜の気配を、そのまま受け止めて描いたおはなし。
対象年齢:3歳〜 この本の紹介へ→

自信をなくして止まっているときに

きみのことが だいすき』
できる・できないの前に、そのままの存在を肯定する言葉が重なります。
対象年齢:3歳〜7歳中心 この本の紹介へ→

少しずつ気持ちを戻したいときに

『できるよできるよ』
小さく試してみる流れが、急がず次の一歩につながる物語です。
対象年齢:3歳〜6歳中心 この本の紹介へ→

疲れがたまって動けないときに読みたい絵本

動き出せないときは、やる気の問題というより、体や気持ちが休もうとしている状態かもしれません。

がんばる方向へ戻す前に、いったんゆるめる時間があると、そのあとが続きやすくなります。

ここでは、止まっている時間を否定せず、安心して休む流れにつながる絵本を並べました。

📘 しんどさを急いで行動に変えず、まず気持ちを整理したいときは、気持ちを言葉にする絵本も参考になります。

『くらやみヤミー』|がんばる前に、まず休んでよい空気をつくりやすい

『くらやみヤミー』は、よいこが眠りにつく時間に、ベッドの下から抜け出したヤミーが夜の世界を歩いていく絵本です。

みんなにあいさつし、いっしょに踊って遊ぶうち、夜の暗さがこわいものだけではない景色に変わっていきます。

明るく元気な方向へ急いで引っぱるのではなく、立ち止まっている時間の空気をそのまま受け止めるような読後感。

まず休んでよいのだと感じられる土台を置きやすく、急いで元気を取り戻さなくてもよい安心感が残る一冊です。

※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます。

疲れがたまって動けない日に。
がんばる前に、まず休んでよい空気をつくれそうです。

『くらやみヤミー』
作:イ・ヨンリム/訳:たかはし まさこ
出版社:BL出版
対象年齢:目安 3歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『うとうとすぅすぅ』|安心して休む流れに気持ちを戻しやすい

『うとうとすぅすぅ』は、眠りに向かう時間をゆるやかにたどりながら、親子で気持ちを落ち着けていける寝かしつけ絵本です。

約200組の親子の声をもとに作られており、強く励ますのではなく、安心して休む流れへ気持ちを戻しやすい構成になっています。

張っていた気持ちが少しずつやわらいでいくため、疲れがたまって切れやすい日にもなじみやすい一冊です。

何かをがんばる前に、まず休むことが必要な時期もあります。

安心して止まる時間をつくりたいときに手に取りやすい絵本です。

疲れがたまって張りつめた日に。
まず休む流れへ気持ちを戻しやすい一冊です。

『うとうとすぅすぅ』
作:仲宗根敦子/絵:小川ゆき
出版社:パイ インターナショナル
対象年齢:目安 1歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『いまの きもちは どんないろ?』|しんどさを急いで動きに変えず、気持ちの整理から入れる

『いまの きもちは どんないろ?』は、いまの気持ちを色にたとえながら、心の中を見つめていく絵本です。

「いまの きぶんに ちかいいろは どれ?」とやわらかく問いかけるつくりで、言葉にならない感覚にも入りやすくなっています。

疲れがたまっているときは、しんどさやもやもやの理由が自分でもはっきりせず、ただ止まってしまうことがあります。

すぐに動きへつなげるのではなく、まず今の気持ちに気づく入口をつくりやすい一冊です。

疲れやもやもやで止まりやすい日に。
すぐ動く前に、今の気持ちを色で見つめ直すのにおすすめ。

『いまの きもちは どんないろ?』
作:えがしら みちこ
出版社:KADOKAWA
対象年齢:目安 3歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『カラーモンスター きもちの きゅうきゅうばこ』|大きくなったもやもやを、少しずつ整理しやすくする

カラーモンスター きもちの きゅうきゅうばこ』は、もやもやを抱えたニナが、気持ちの整理の専門家であるカラーモンスターといっしょに自分の感情を見つめていく絵本です。

カラーモンスターが「何から始めるのか」をたどるつくりなので、頭や心の中がいっぱいになったときでも、混ざった気持ちをひとつずつ分けて考えやすくなっています。

疲れがたまって動けない日は、やる気が出ないというより、気持ちの渋滞が続いて手が止まっていることもあります。

大きくなったもやもやを少しずつほどきながら、整える時間に読んであげたい作品です。

頭も心もいっぱいで、手が止まってしまうとき。
混ざった気持ちを、ひとつずつ整理していく入口になります。

『カラーモンスター きもちの きゅうきゅうばこ』
作:アナ・レナス 作/訳:おおとも たけし
出版社:永岡書店
対象年齢:目安 3歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

自信をなくして手が止まっているときに読みたい絵本

うまくいかなかった経験や、注意された出来事が重なると、「やってもだめかもしれない」という気持ちが強くなることがあります。

その状態では、やる気を引き出そうとしても、手は動きにくいままです。

ここでは、できるかどうかの前に、そのままの気持ちを受け止めながら少しずつ動き出す余地を残してくれる絵本を選びました。

📘 できる・できないの前で気持ちが止まりやすい日は、自信がない子どものための絵本にもつながります。

『きみのことが だいすき』|できる・できないの前に、そのまま受け止める土台を置きやすい

『きみのことが だいすき』は、森で暮らす小さなどうぶつたちの言葉を通して、できることや結果より先に、大切に思われている感覚をまっすぐ届けるメッセージ絵本です。

「じょうずにできなくても」「みんなと同じようにできなくても」といった言葉が置かれており、うまくいかなかったあとで固くなった気持ちにも入りやすいつくり。

評価や結果に気持ちが引っぱられているときほど、条件のない言葉が深く届くことがあります。

うまくできなかったあとで手が止まる日に、そのままの自分でいてよいと思いやすくなる一冊です。

うまくできなかったあとで手が止まる日に。
できる・できないの前に、そのまま受け止める感覚を手渡せます。

『きみのことが だいすき』
作:いぬい さえこ
出版社:パイ インターナショナル
対象年齢:目安 3歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『わたしは いいこ?』|「ちゃんとしなきゃ」が強くなった気持ちを、少しゆるめやすい

『わたしは いいこ?』は、お母さんの「いいこはおかたづけできるよね?」という言葉をきっかけに、女の子が「いいこってなんだろう」と考えていく絵本です。

子どもは、注意されたことやうまくできなかった出来事をきっかけに、自分を見る目が急にきびしくなることがあります。

この本は、がんばることを否定せず、その苦しさの横に別の見方をそっと置いてくれるつくり。

「ちゃんとしなきゃ」が強くなった気持ちをすぐ励まして前へ押し出すのではなく、少しゆるめてあげるきっかけになりそうです。

失敗や注意を強く抱え込んだ日に。
できなかった出来事だけで自分を決めなくてよいと、伝えられる絵本。

『わたしは いいこ?』
作:えがしら みちこ
出版社:小学館
対象年齢:目安 3歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『とんでごらん!』|はじめる前の不安を急かさず、一歩へつなげやすい

『とんでごらん!は、高いところで足を止め、「とぶのが こわい」とためらうモモンガの子を描いた絵本です。

すぐに「やってみよう」と急がせず、ためらっている時間がそのまま描かれているため、始める前の不安を抱えた気持ちにも重ねやすくなっています。

自信をなくしている日は、やってみたい気持ちがあっても、最初の一歩だけが急に遠く感じられることがあります。

はじめる前の不安を抱えたままでも、一歩へ向かう余白を持ちたい日に置きやすい一冊です。

はじめる前の不安で手が止まるときに。
こわさを急がず受け止め、最初の一歩へ目を向けられる一冊です。

『とんでごらん!』
作:ダヴィデ・カリ/絵:アダルジーザ・マゼッラ/訳:橋本あゆみ
出版社:アチェロ
対象年齢:目安 3歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

少しずつ気持ちを戻したいときに読みたい絵本

休んだあとも、すぐに元のペースに戻るとは限りません。

動き出せそうで止まったり、やってみてまた戻ったりと、小さな揺れが続くことがあります。

ここでは、急がずに少しずつ試していく流れに寄り添い、次の一歩を整えやすくする絵本を紹介します。

『できるよできるよ』|急がず、小さくやってみる感覚につなげやすい

『できるよできるよ』は、小さなハリネズミが「できるよできるよ」と言いながら、まわりの生きものたちのすることを次々まねしていく絵本です。

落ち葉集めや木登り、高いところからのジャンプまで、うまくいくこともあれば、思うようにいかない場面もあります。

それでも大きなハリネズミは急いで正そうとせず、そばで見守りながら、その時間をいっしょに過ごしていきます。

気持ちを戻す途中では、いきなり元通りを目指すより、まず少し試してみるほうが入りやすい日もあります。

「できた」「できない」で早く区切らず、小さくやってみる感覚へ気持ちをつなげやすい一冊です。

元通りを急ぐとかえって苦しくなる日に。
小さく試してみるところから始めてよいと思える一冊です。

『できるよできるよ』
文・絵:ブリッタ・テッケントラップ/訳:木坂 涼
出版社:ひさかたチャイルド
対象年齢:目安 3歳〜

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『感情を育てる じぶんのきもち』|いまの気持ちに気づくことが、戻る準備につながる

『感情を育てる じぶんのきもち』は、「いや!」「うれしい」など、自分の気持ちを言葉にして伝える大切さをやさしくたどる絵本です。

巻末には鏡のような銀紙が付いており、読みながら自分の表情や気持ちを重ねやすい工夫があります。

うまく動けないときは、何がつらいのか自分でもわからないまま、手が止まってしまうことがありますよね。

そんなときに、いまの自分の気持ちを見つめ直すきっかけになりそうです。

気持ちが曖昧なまま手が止まる日に。
いま何を感じているのかを見つめ直すきっかけになります。

『感情を育てる じぶんのきもち』
作・絵:わかる/監修:渡辺弥生
出版社:大泉書店
対象年齢:目安 3歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『リュックちゃん』|ためらいを抱えたまま、一歩ずつ進む感覚につながる

『リュックちゃん』は、もうすぐおねえちゃんになる女の子が、お気に入りのリュックに気持ちを重ねながら過ごしていく絵本です。

うれしさだけでなく、少しさみしい気持ちもいっしょに抱えているため、気持ちがきれいに整ってから進む物語にはなっていません。

がんばる気もちも小さな淋しさも、リュックに詰めこんで一歩ずつ進んでいく描き方なので、ためらいを抱えた時間にも重ねやすい一冊です。

やる気が戻るときでも、気持ちが全部そろってから動き出せるとは限りません。

この本は、揺れたままでも少しずつ進んでよいのだと感じられる余白を残し、戻りはじめの感覚を静かに支えてくれます。

気持ちがそろわないまま手が止まりやすい日に。
ためらいを抱えたままでも、少しずつ進んでよいと思える絵本です。

『リュックちゃん』
作・絵:ひぐち きょうこ
出版社:さくら社
対象年齢:目安 4歳〜

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

テーブルでシール遊びを楽しむ二人の女の子の様子

やる気が出ない時期の子どもを見守る親が読みたい本

子どもが止まっているとき、どう関わるかを考え続けるのは、見守る側にとっても負担になりやすいもの。

すぐに動かそうとするよりも、少し距離を取りながら様子を見るほうが合う時期もあります。

ここでは、子どものペースを尊重しつつ、無理を重ねない関わり方を整えやすい本を選びました。

『むりしない かかえこまない ありのままで楽しむ子育て』|力を入れすぎない見守り方を整えやすい

『むりしない かかえこまない ありのままで楽しむ子育て』は、小児科医と歯科医の視点から、親が抱え込みすぎずに子どもを見守るための考え方をまとめた本です。

SNSやまわりの子と比べて不安がふくらむ場面、イライラして声を荒らげたあとに後悔する場面、発育や発達が気になって力が入りすぎる場面など、親が消耗しやすい具体が章立てで整理されています。

気になることがあるときほど、すぐに整えようとして見守る側の肩に力が入りやすいもの。

心配しすぎず、しかし大切なサインは見逃さない距離感へ戻すヒントをもらえそうです。

子どもの様子が気になって、つい力が入りすぎる日に。
少し肩の力を抜いて見守る視点を持てる本です。

『むりしない かかえこまない ありのままで楽しむ子育て』
著:川上秀征・川上直美
出版社:幻冬舎
対象年齢:目安 保護者向け

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

『子育てはちょっと力をぬいて』|完璧を目指さず、子どものペースに合わせる視点が持てる

『子育てはちょっと力をぬいて』は、完璧を目指してがんばりすぎる子育てから少し距離を取り、親の気持ちをゆるめる方向へ整えていく本です。

「もっと頑張らなきゃ」と力が入りやすい場面に対して、気楽でいてよいというメッセージを軸に置いています。

思うように進まない時期ほど、正しいやり方を探そうとして見守る側の気持ちまで固くなりがちです。

完璧に整えようとしなくてもよいと受け止め直し、子どものペースに合わせる視点を持ちたい時期に合う一冊。

子どもの様子が気になって力が入りすぎてると感じたら。
完璧を目指さず、子どものペースに合わせる視点を持ちやすい一冊です。

『子育てはちょっと力をぬいて』
著:豊田彩子
出版社:幻冬舎
対象年齢:目安 保護者向け

価格・在庫はリンク先でご確認ください。

やる気が出ない時間も、戻る流れの一部

やる気が出ない時間は、何かが足りない状態というより、休んで整えている途中のこともあります。

その時間を無理に切り上げようとすると、かえって次の一歩が遠くなることがあります。

今回紹介した絵本は、休むこと、立ち止まること、小さく戻ることを、それぞれの段階で支えてくれるものです。

どの一冊からでも構いません。

いまの状態に近いところから、少しずつ動き出せる流れをつくっていけたら十分です。

うまくいかない日があっても、その時間ごと受け止めながら、戻れる形を整えていけます。

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この記事を書いた人

児童書専門の司書、子どもは2人です。子どもと本をつなぐ小さな図書室のような情報サイト『Room E726.6』を運営しています。

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