十五夜は、子どもにとって「行事を知る日」というより、夜の空を見上げるきっかけになる日といえるかもしれません。
まんまるの月を見つけたり、うさぎの姿を想像したり、おだんごを囲んだり。
幼児と読むお月見絵本には、そんな小さな楽しみを親子の時間に変えてくれる力があります。
この記事では、はじめて月に親しむ絵本、十五夜の空気を味わえる絵本、うさぎやおだんごから楽しめる絵本、月や星への興味が広がる本を選びました。
お子さまと空を見上げたくなる一冊を、ぜひ見つけてください。
幼児向けお月見絵本の選び方と早見
幼児と読むお月見絵本は、行事の意味を最初から全部伝えようとしなくても大丈夫です。
まずは、まんまるの月に目を向けること。
うさぎやおだんごを見つけること。
夜空を見上げる時間を、親子で少し楽しみにできること。
年齢や興味によって、合う絵本は少しずつ変わります。
ここでは、お月見絵本を選ぶときに見ておきたいポイントを整理してから、迷ったときに見たい3冊を早見で紹介します。
幼児にお月見絵本を選ぶときのポイント
幼児向けのお月見絵本は、十五夜の意味を最初から説明する本だけにしぼらなくても大丈夫。
月を見つける、うさぎを探す、おだんごを眺める。
そんな小さな場面から入ると、家庭でもお月見の時間を楽しみにしやすくなりますよ。
・2歳〜3歳ごろ
月の形や夜空の絵を、親子でゆっくり眺められるもの
・3歳〜4歳ごろ
うさぎ、おだんご、まんまるの月など、絵の中で見つける楽しみがあるもの
・年中〜年長ごろ
十五夜の雰囲気や季節の行事が、物語の中で少し感じられるもの
・月や星に興味が出てきた子
月を見たあと、星や宇宙の話にも目を向けられるもの
・迷ったとき
お月見行事を描く本と、月そのものに親しむ本を分けて見る
早見|幼児がお月見を楽しみにできる絵本
迷ったときは、いまのお子さまが何に目を向けているかで見ると、本を選ぶ手がかりになります。
月そのものを楽しむのか、十五夜の雰囲気にふれるのか、夜空の先へ興味を広げるのか。
まずは近いところから見てみてください。
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はじめてお月見にふれる幼児へ
『おいしそうな おつきみ』
まんまるの月を、身近なおいしいものと重ねながら楽しめる絵本。十五夜の説明よりも、まず月を見上げる時間を親子で楽しみたいときに合います。
年齢目安:3〜4歳
十五夜の雰囲気を親子で味わいたいとき
『だんごむしと まんまる おつきさま』
だんごむしたちの小さなお月見を通して、月やおだんご、季節の空気にふれられる一冊。家庭で十五夜を楽しむ前に読む本としても重なります。
年齢目安:3〜6歳
月や夜空への興味を広げたい子へ
『おつきさまのともだち 新版』
おつきさまから、惑星や宇宙の世界へ視線が広がる絵本です。月を見たあとに「宇宙ってどんなところ?」と話が続く子に。
年齢目安:3〜5歳
月を見上げるのが楽しくなるお月見絵本
幼児にとってのお月見は、「十五夜を知る」より先に、空に月を見つける体験から始まります。
帰り道や寝る前に、白い月を見つけて「まんまるだね」と話す時間。
その小さな発見が、絵本の場面と重なります。
ここでは、行事の説明へ急がず、月そのものを親子で楽しめる絵本を選びました。
【3歳~5歳】『おいしそうな おつきみ』|月を食べものに重ねて笑う
『おいしそうな おつきみ』は、十五夜の月を見ながら、お父さんとかずきがいろいろな食べものを思い浮かべていく絵本です。
みかん、すいか、ドーナツのように、まんまるの月が子どもの知っているものと重なっていきます。
行事を説明する前に、「あの月、何に見えるかな」と親子で話せるところが魅力です。
空を見上げる時間が、少しおいしくなるお月見。
夕方の帰り道や寝る前の窓辺で、月を見つける会話がひとつ増えます。
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まんまるの月が、みかんやドーナツに見えてくる。
夕方の空に「あれ、何に見える?」と声をかけたくなるお月見絵本。
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【4歳~6歳】『おつきさまいただきます!』|月の形から、夜空の会話がふくらむ
『おつきさまいただきます!』は、夜空を見上げた親子のひと言から、月の形と食べもの遊びが広がっていく物語です。
三日月はバナナ、満月はハンバーグ、新月はチョコレートケーキのように、月の満ち欠けが身近な味と重なります。
「きょうの月は何に見えるかな」と話すうちに、空を見る目が少し変わっていくところが楽しいですね。
月の形を知識として覚える前に、見つけて、たとえて、家の食卓へ持ち帰る時間。
十五夜の前後に読むと、次の夜もまた月を探したくなりそうです。
三日月はバナナ、満月はハンバーグ。
月の形が食べものに変わって、夜空を見る目が少し楽しくなります。
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【1歳~3歳】『みんなおやすみ 新装版』|眠る前の空に、おつきさまを見つける
『みんなおやすみ 新装版』では、お月さまが夜空をめぐり、動物園やバス、公園の遊具たちに「おやすみ」を届けます。
にぎやかな行事としてのお月見ではなく、眠る前の静かな空気の中で月に出会えるところが魅力です。
動物たちや街のものが少しずつ眠りにつき、夜がゆっくり深まっていく流れ。
小さな子には、月を知識で覚える前に、窓の外や帰り道で見つけるものとして残ります。
おだんごや十五夜の話へ進む前に、「おつきさま、いるね」と親子で見つける時間が生まれそうですね。
おだんごの前に、まずは「おつきさま、いるね」から。
眠る前の空に月を見つける、小さなお月見の入口。
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十五夜の雰囲気を親子で味わえる絵本
お月見の日は、月を眺めるだけでなく、おだんごを見たり、秋の夜の静けさに耳をすませたりする時間でもあります。
幼児には、行事の由来を言葉で説明するより絵本の中の月明かりや小さなお月見の場面のほうが、十五夜の空気として残るかもしれませんね。
月を待つ気持ち、夜の庭や草むらの気配、親子で空を見上げる時間。
絵本の中で先に味わっておくと、実際の夜空にも目が向きそうです。
【4歳~6歳】『だんごむしと まんまる おつきさま』|小さなお月見から、十五夜の空気にふれる
『だんごむしと まんまる おつきさま』では、庭のすみの壊れた植木鉢に暮らす5匹のだんごむしたちが、十五夜の準備を始めます。
朝露と花粉を集めて特製のおつきみだんごを作る場面に、小さな生きものならではの目線があります。
雨が降って心配する時間をはさんで、月が出るのを待つ気持ちも描かれています。
こおろぎたちが加わる音楽会まで進むと、草むらの夜が少しにぎやかに。
家庭で十五夜を楽しむ前に読むと、おだんごや虫の音、夜の外へ耳を向けるきっかけになりそうです。
朝露と花粉でおだんごづくり。
だんごむしたちの小さな十五夜から、草むらの秋の夜が見えてきます。
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【4歳~7歳】『おつきさまのえほん』|月のかたちと、うさぎたちの物語を楽しむ
『おつきさまのえほん』には、少しずつ形を変える月と、その月に見守られるうさぎたちの物語が重なっています。
かくれんぼのように月の姿を追いながら、ページの中ではうさぎたちが汽車や船に乗り、十五夜のお祝いへ向かいます。
月の満ち欠けを知識として覚える前に、「今日はどんな月かな」と空を見る目が育つつくりです。
日本語と英語が並ぶ紙面(バイリンガル絵本)も、この本ならではの特徴。
お月見の日だけで終わらず、翌日の夜空にも気持ちが向いていきます。
月の形を追いながら、うさぎたちの旅も見つけていく一冊。
十五夜のあとも、空を見上げる楽しみが続きます。
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【4歳~7歳】『つきみのまつり』|十五夜の祭りの情景を、ゆっくり味わう
『つきみのまつり』では、キッカとゲントが十五夜の夜に神社のお祭りへ向かいます。
リフトで山の上へ登り、月の神さまに感謝と祈りを捧げる観月祭に参加する流れが描かれます。
人びとが集まり、灯りがともり、月を待つ時間が少しずつ深まっていく場面。
由来を説明するより、絵の中の景色を親子で追いながら味わいたい一作です。
十五夜が、ただの行事名ではなく、夜の空気ごと残ります。
神社の観月祭へ向かう子どもたち。
灯り、人の声、月を待つ空気まで、十五夜の夜をゆっくり味わえます。
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うさぎやおだんごで楽しむお月見絵本
幼児がお月見にふれるとき、最初に目に入るのは行事の意味よりも、絵の中にいるうさぎや、まんまるのおだんごかもしれません。
「うさぎがいる」「おだんご食べたいね」と声に出せるものがあると、十五夜の場面がぐっと身近になります。
うさぎが月と結びついたり、おだんごを見て季節のおいしさを感じたり。
説明から始めなくても、子どもが絵の中で見つけたものから、親子の会話はふくらんでいきます。
【4歳~6歳】『うさぎかぶしきがいしゃ』|月の仕事をするうさぎたちに会う
『うさぎかぶしきがいしゃ』では、夜の終わりにまんまるの月が森へ着陸し、月の扉からうさぎのパイロットが現れます。
月が空にのぼるのは、実はうさぎ社員たちの仕事だった、という発想が物語をぐっと楽しくします。
働き終えたうさぎたちが食べたり歌ったりする場面には、会社ごっこのにぎやかさもあります。
お月見の行事を説明する本ではなく、月の中にだれかがいるかもしれないと想像を広げる一作。
読み終えたあと、夜空の月が少し忙しそうに見えてきます。
まんまるの月が森へ着陸。
うさぎの社員たちの仕事を知ると、夜空の月が少し忙しそうに見えてきますね。
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【3歳~5歳】『おつきみおばけ』|おだんごにばけたおばけちゃんと笑う
『おつきみおばけ』では、お月見の夜に泣いているうさぎちゃんを見つけたおばけちゃんが、おだんごにばけてなぐさめようとします。
せなけいこさんらしい貼り絵の世界に、おだんご、うさぎ、おばけが並びます。
こわい話というより、相手を元気づけたい気持ちが先に立つ小さな出来事。
うさぎちゃんが喜ぶ場面には、思わず笑ってしまう展開もあります。
十五夜をまだ知らない子にも、「おだんご、見つけたね」と声をかけながら読める季節の入口です。
おだんごにばけたおばけちゃんが、うさぎちゃんをなぐさめる夜。
こわさより、やさしさと小さな笑いが残ります。
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【4歳~6歳】『はるなつあきふゆ おいしいおてつだい』|季節の手仕事から、おだんごづくりへ
『はるなつあきふゆ おいしいおてつだい』では、女の子が春夏秋冬の食べものや行事にふれながら、小さなお手伝いを重ねていきます。
春のつくし、夏の梅もぎや畑仕事に続き、秋にはお月見へそだんごが登場します。
お月見そのものを説明する本ではありませんが、季節の食べものを家族で作る時間が、行事の楽しさへつながっていきます。
手を動かして、作って、食べる季節の記憶。
月を見る前に台所でおだんごの話をしたい家庭に、自然な導線を添えてくれます。
秋のお月見へそだんごまで、季節のお手伝いをたどる本。
読んだあと、台所で作る楽しみへつながります。
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月や夜空への興味が広がる絵本
お月見をしたからといって、すぐに星や宇宙の話へ進むとは限りません。
けれど、月を見た記憶が残っていると、別の日の夜空や、絵本の中に描かれた星に目が止まることがあります。
十五夜の行事から少し離れて、月、星、宇宙へ視線が移る本へ。
お月見の夜だけで終わらず、空を見上げる時間がもう一度戻ってくるような流れで読める絵本を扱います。
📘 月や惑星、宇宙のことを図鑑で調べたくなったときは、子ども向け宇宙図鑑のおすすめも参考になります。
【3歳~5歳】『おつきさまのともだち 新版』|おつきさまから、惑星の世界へ目を向ける
『おつきさまのともだち 新版』では、お月様と水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星が、バスに乗って旅へ出かけます。
歌やおやつの場面を追いながら、惑星の名前が物語の中に自然に入ってくる構成です。
お月見で月を見上げたあと、「月の近くには何があるのかな」と夜空全体へ目が向いていきます。
惑星を“月の友だち”として見られるため、名前を覚える前から宇宙の広がりにふれられるのも◎。
巻末クイズもあり、読み終えたあとにもう一度、空や図鑑へ関心がのびそうですね。
お月さまと惑星たちが、歌ったりおやつを食べたりしながらバス旅行へ。
夜空に“月の友だち”がいるような楽しさが広がります。
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【6歳~8歳】『12の星のものがたり』|星座の物語から、夜空を見る楽しみへ
『12の星のものがたり』は、ギリシャ神話をもとにした12星座の物語を、tupera tupera(ツペラ ツペラ)の切り絵で描いた絵本です。
星座を名前だけで覚えるのではなく、笑ったり泣いたりする神々の物語として出会えます。
1つの星座ごとに短い物語でまとまっているため、気になる星から開いても楽しめます。
月を見たあと、夜空には星座の物語もあるのだと気づけます。
年長後半から小学校低学年の子なら、絵を見ながら「これはどんな星かな」と親子で話を広げられます。
月を見たあと、星にも目が向いた子へ。
12星座の神話を、切り絵と短い物語でたどります。
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【3歳~6歳】『こぐまのもぐ うちゅうへいく』|物語をたどりながら、宇宙への好奇心を育てる
『こぐまのもぐ うちゅうへいく』では、食いしん坊のこぐま・もぐが、地球にやってきた宇宙人ラピスと出会います。
はぐれてしまったラピスの友だちを探しに、もぐたちは宇宙へ。
月や火星、土星のわっかをめぐる場面があり、物語の中で宇宙の広がりにふれられます。
巻末には、月の満ち欠けや流れ星、星空観察についての解説と声かけのヒントも載っています。
月を見上げたあと、「空の向こうには何があるのかな」と親子で話したくなる流れです。
こぐまのもぐと宇宙人ラピスが、友だちを探して月や惑星をめぐる物語。
お月見のあと、月の先にも目を向けたくなった子へ。
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📘 月をきっかけに星や星座にも興味が広がったときは、星と星座図鑑のおすすめも参考になります。
まとめ|お月見の夜に親子で読みたい一冊を
幼児にとっての十五夜は、由来を覚える日というより、「月を見た」「おだんごがあった」「夜の空がきれいだった」という小さな記憶が残る日です。
その記憶のそばに絵本があると、行事は少し身近なものになります。
今年のお月見は、絵本を読んで終わりにせず、窓の外や帰り道の空へ目を向けるところまで。
親子で同じ月を見上げる時間が、秋の夜の楽しみとして残っていきます。
お子さまと見上げるお月さまが、絵本の場面と重なるような、やさしい夜になりますように。
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