夏休みの終わりが近づくころ、朝のしたくに時間がかかったり、夜になってから少しそわそわしたりする子がいます。
長い休みのあとに、生活リズムを戻すこと。
2学期のことを思い出して、気持ちを少しずつ学校へ向けていくこと。
大人には小さな切り替えに見えても、子どもにとっては、心と体をゆっくり整える時間が必要なこともあります。
この記事では、夏休みの終わりから2学期のはじまりにかけて読みたい絵本を、場面ごとに選びました。
朝のしたくが重いとき、寝る前に落ち着かないとき、生活リズムを少しずつ戻したいとき。
今のお子さまの様子に近い一冊を選ぶ手がかりとしてご覧ください。
夏休み明けに前後に読みたい絵本|選び方と早見
夏休み明け前後に読む絵本は、「学校へ行く気持ちを作る本」だけで選ばなくても大丈夫です。
朝が重いのか、夜に落ち着かないのか、友だちや教室が気になるのか。
出ているサインによって、手に取る絵本の方向は変わります。
まずは今の様子に近いところを見てください。場面別の選び方と、迷ったときの3冊を先にまとめます。
夏休み明け、今の様子に合う絵本の選び方
休み明けに気になりやすい場面を、朝・夜・生活リズム・友だちや教室・保護者の気持ちに分けてまとめました。
絵本を選ぶときは、次のような点を先に見ておくと、場面に合う本を探す手がかりになります。
・朝のしたくが重いとき
「行きたくない」という気持ちを急いで変えず、朝の重さをそのまま受け止める絵本
・眠る前にそわそわするとき
明日のことが近づく時間に、不安をひとりで抱え込ませない絵本
・一日の流れが乱れているとき
朝・昼・夜の見通しを、注意ではなく物語の中で思い出せる絵本
・友だちや教室が気になるとき
久しぶりの学校生活を、教室・当番・先生などの具体的な場面から思い浮かべられる絵本
・親の焦りが強くなっているとき
声をかける前に、保護者自身の不安や言葉を整えるための本
「行きたくない」をすぐに消そうとするより、今どこで立ち止まっているのかを見る。
そこから選ぶと、絵本が親子のあいだに静かな余白を作ってくれます。
夏休み明け前後に読む絵本|迷ったらこの3冊から
どの絵本から読むか迷うときは、今いちばん気になっている場面に近い一冊から。
朝・夜・教室の3つの場面から、夏休み明け前後に手に取りたい絵本を選べるようにしています。
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学校に行く前の不安に寄り添う絵本
『ともちゃんとうし』
「行きたくない」と感じる朝を、急がせずに受け止める絵本。朝の重さが出ているとき、親子でゆっくりページを開けます。
年齢目安:年長〜小2
眠れない日の気持ちを落ち着ける絵本
『ねむれないよるのこと』
眠れない夜の不安を、ひとりの時間と小さな冒険として描いた絵本。明日のことが気になって落ち着かない時間に、静かな余白を置けます。
年齢目安:4歳〜小2
友だちや教室のことが気になる子に
『ちょっとだけ ともだち』
友だちがたくさんいなくても、少しだけつながる関係を大切に思える絵本。2学期の教室を思い浮かべる前に、小さな安心を手元に置けます。
年齢目安:小1〜小3
夏休み明け|学校へ向かう前の不安に寄り添う絵本
夏休み明けの朝、「学校に行きたくない」と言葉にするとき、子どもの中では不安や疲れ、久しぶりの教室への緊張が重なっていることがあります。
すぐに理由を聞き出したり、前向きな言葉で押し出したりする前に、朝の重さをそのまま受け止める時間を置く。
ここでは、行きたくない気持ちを否定せず、そばで見守る絵本を紹介します。
『ともちゃんとうし』|牛の歩幅で、朝がほどける
『ともちゃんとうし』は、どうしても学校へ行きたくないともちゃんが、角を曲がった先で大きな牛に出会う絵本です。
泣きながら歩き出したともちゃんを、牛は背中に乗せ、街の中をゆっくり進んでいきます。
牛の歩幅で進む、ふしぎな寄り道。
急がせる言葉ではなく、のんびりした時間に包まれることで、朝のこわばりが少しずつ別の景色へ変わります。
学校へ向かう前の重たい空気に、ひと呼吸分の余白をくれる作品です。
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牛のゆっくりした歩幅が、学校へ向かう前の重たい朝にひと呼吸ぶんの余白をくれます。
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『ぼくのすみっこ』|自分だけの安心をつくる
『ぼくのすみっこ』は、部屋のすみっこにやってきたからすの子が、自分だけの落ち着く場所をつくっていく絵本です。
ベッド、本、植物、音楽を少しずつ集めるうちに、何もなかったすみっこがその子らしい空間へ変わっていきます。
絵本のノドの部分を部屋のすみに見立てる構成も印象的。
学校の不安を直接描く内容ではありませんが、外へ向かう前に「ここなら息ができる」と思える場所を確かめられます。
夏休み明けの気持ちが外へ向かないとき、まず自分の内側にある安心を思い出してから、少し先の景色へ目を向けられます。
すみっこに好きなものを集めるからすの子を見ていると、外へ向かう前に「自分が落ち着ける場所」を思い出せます。
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『がっこうに まにあわない』|朝のあせりが通学路を駆け抜ける
『がっこうに まにあわない』では、7時47分に家を飛び出した男の子が、8時までに学校をめざして走ります。
水たまり、ぐねぐねの歩道橋、大きな犬、閉まったままの踏切。
通学路に次々と現れるじゃまものを、ザ・キャビンカンパニーの力強くユーモラスな絵が、にぎやかな冒険へ押し出していきます。
登校への不安を静かにほどく話ではありませんが、重たい気分を笑いとスピードのある場面へ逃がせるところが◎。
「間に合わない」という緊張が、ページをめくるうちに少し大きな出来事として立ち上がります。
ザ・キャビンカンパニーの勢いある絵が、朝のあせりを通学路のどたばたへ変えていきます。
重たい気分を、笑いとスピードのほうへ。
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📘 夏休み明けに限らず、不安な気持ちに寄り添う絵本を見たいときは、不安な気持ちに寄り添う絵本も参考になります。
夏休み明け|生活リズムを少しずつ戻す絵本
長い休みのあと、夜になっても眠気がこなかったり、朝の時間がいつもより遠く感じられたりすることがあります。
ここで急に「早く寝る」「時間を守る」へ向かうと、子どもにとっては一日が窮屈に感じられるかもしれませんね。
まずは、夜の静けさや朝昼夜の流れを、物語の中で思い出すところから。
生活を立て直す前に、時間の感覚をそっと戻していきましょう。
『ねむれないよるのこと』|眠れない夜に、ひみつの旅がひらく
『ねむれないよるのこと』は、ふとんに入っても眠れない男の子が、電車のおもちゃをきっかけに夜のひみつの旅へ出ていく物語。
家じゅうが寝静まったあとの時間を、なかざわくみこさんの緻密であたたかな絵が静かに広げます。
「早く寝なければ」と急かすより、眠れないまま開いてしまった夜を少し歩いてみる感覚。
夏休み明けが近づいて、布団の中でも気持ちが落ち着かない夜に、眠れない時間を責めずに眺められます。
夜の静けさを、こわい時間ではなく、小さな景色のある時間として眺め直せる絵本です。
眠れない夜に電車のおもちゃから始まるひみつの旅が、布団の中のそわそわを静かな景色へ変えていきます。
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『じかんはともだち』|時計に追われる時間を見直す
『じかんはともだち』は、「3時ってなんだろう?」という問いから、1秒・1分・1時間・1日へ視点を広げます。
時間の名前、地球上のさまざまな時間、生きものごとに違う時間へと、ページはゆっくり移っていく構成です。
朝・昼・夜の生活リズムだけでなく、時間そのものを見つめる入口。
夏休み明けに時計ばかりが気になりはじめたとき、「急がなきゃ」の前に、時間とのつきあい方を親子で眺め直せます。
一日の流れを整える前に、自分の今日をどう過ごすかへ気持ちを戻してくれそうです。
時計に追われる前に、1秒・1分・1日を親子で眺め直す絵本。
夏休み明けの時間感覚を、少し広い景色で受け止めます。
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📘 夏休み明けに、だるさや気持ちの戻りにくさが気になるときは、子どものやる気が出ないときに読みたい絵本も参考になります。
夏休み明け|友だち・教室・2学期の不安をやわらげる絵本
休みのあいだ少し遠くなっていた教室は、始まりの前に大きく見えることがあります。
席、給食、当番、先生の声、友だちとの距離。
思い出せる場面が増えると、学校生活の輪郭も戻ってきますね。
ここでは、友だち作りを急がせるのではなく、教室の空気を先に絵本の中で見ておける本を紹介します。
『ちょっとだけ ともだち』|少しだけ重なる関係を見つめる
『ちょっとだけ ともだち』は、友だちづくりにはげむ一平くんが、カメの展覧会でヒロくんと出会う物語です。
カメの話では心が合うのに、そのほかはずいぶん違って、思うようには近づきません。
合うところと合わないところが、同じ相手の中にある不思議。
たくさんの友だちを目指す話ではなく、少しだけ重なった時間が心に残る関係として描かれています。
久しぶりの教室を前に、人との距離を急いで縮めなくてもいいと思える余白が生まれます。
カメの話だけでつながる一平くんとヒロくんの距離が、友だちは「たくさん」だけでは測れないことをそっと見せてくれます。
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『給食当番のいちにち』|給食当番から、学校の時間を思い出す
『給食当番のいちにち』は、1年生のみつくんが、初めての給食当番を朝からそわそわ待っている一日を追います。
授業中も給食当番のことが頭から離れず、給食の時間が近づくにつれて、学校の中の動きが少しずつ見えてきます。
身じたくをする、友だちと動く、給食を運ぶ。
「学校」という大きな場所を、給食当番というひとつの役割から思い出せるところが、この本の魅力です。
休み明けの教室が遠く感じられるとき、給食の時間を入口に、学校で過ごす一日の手ざわりが戻ってきます。
初めての給食当番を待つみつくんの一日から、教室・友だち・給食の時間が、休み明けの学校を具体的に思い出させてくれます。
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『せんせいは かいじゅうなの?』|先生へのこわばりに、笑いをひとつ
『せんせいは かいじゅうなの?』は、園に行くと先生がかいじゅうの姿になっている場面から始まります。
ギロリとした目、キバだらけの口、絵本の時間には火まで吹く先生。
体操の時間も大暴れで、子どもの目に映る「先生ってこわいかも」が、塚本やすしさんの大きな絵でにぎやかにふくらみます。
それでも、優しくてみんなを守ってくれるところは、いつもの先生のまま。
休み明けに先生と会う場面が大きく見えている子にも、こわさとおもしろさが同じページで動き出します。
かいじゅうみたいな先生の姿に笑っているうちに、休み明けの「先生こわいかも」が少し違う顔で見えてきます。
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親の不安を軽くする、夏休み明けに読んでおきたい本
夏休み明けは、子どもだけでなく、親の気持ちも揺れます。
朝の様子を見るたびに心配になったり、声をかけたあとで「言いすぎたかもしれない」と感じたりすることも。
不安が強いときほど、言葉は急ぎ足になります。
子どもの様子を変えようとする前に、まず大人の焦りを少しほどく。
絵本とあわせて、親の受け止め方や会話を見直す本も手元にあると、朝や夜の関わり方を落ち着いて考えられそうです。
『子ども脳疲労 不機嫌・ダラダラの原因は「脳の疲れ」だった』|不機嫌の奥にある疲れを見る
『子ども脳疲労』は、子どもの不機嫌・だらだら・集中切れを、性格や気合いだけで片づけず、「脳の疲れ」という視点から見直す保護者向けの本です。
情報量の多さ、忙しい予定、睡眠不足など、現代の子どもにかかる見えにくい負荷へ目を向けています。
夏休み明けの朝に動き出せない姿も、叱る前に「疲れがたまっていないか」と立ち止まるきっかけに。
家庭でできる環境の整え方や、休ませる関わり方にも触れられているため、親の焦りを観察の視点へ戻してくれます。
夏休み明けのだるさや不機嫌を、気合い不足ではなく「疲れ」のサインとして見直す手がかりになります。
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『子どもを救う親子の会話』|声をかける前に、親の不安を整える
『子どもを救う親子の会話』は、不安や悲しみ、恐怖を抱えた子どもに、親がどう向き合うかを会話例とともに示す保護者向けの本です。
この本の軸は、子どもをすぐ変える言葉ではなく、親がまず自分の感情に気づき、少し距離を置いて向き合うこと。
感情コーチングやワークを通して、家庭の中で交わす言葉を見直していく内容です。
夏休み明けに「学校に行きたくない」と言われたときも、理由を急いで聞き出す前に、親自身の不安をいったん落ち着かせる手がかりに。
朝や夜の声かけに迷うとき、子どもの気持ちを変えようとする前に、大人の言葉の出し方を見直せます。
「学校に行きたくない」と言われた朝。
理由を急ぐ前に、親の焦りと言葉の出し方を見直すきっかけになる内容です。
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まとめ|夏休み明けの不安に、今の様子に合う一冊を
夏休み明け前後の不安は、朝の重さ、眠れない日、友だちや教室への緊張など、いろいろな形で表れます。
無理に前向きな言葉へ変えなくても、今の様子に近い絵本を一緒に開くことで、気持ちを受け止める時間は作れます。
急がず、責めず、でも見過ごさず。
夏休みの終わりから2学期の始まりにかけて、親子のそばに置いておきたい一冊が見つかりますように。
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