「ねずみくん」シリーズは、世代をこえて親しまれ、図書館でも大人気。
ひとりで何冊も抱えて借りていく子がいるほど、次のお話へ手を伸ばしたくなるシリーズです。
とはいえ、作品数が多いからこそ、最初にどれを選ぶか迷うことも。
この記事では、初めて読む子、今の気持ち、友だちとのやりとり、季節の場面などから、家庭で楽しみたいねずみくんシリーズの作品を児童書専門の司書が選びました。
ねずみくんや仲間たちのやりとりをたどりながら、今の子どもに重なる一冊を探していきましょう。
ねずみくんシリーズ|選び方のポイントと早見表
作品数の多い「ねずみくん」シリーズ。
初めて選ぶときは、絵と言葉の量や物語の分かりやすさ、今のお子さまの気持ちに重なるかどうかを手がかりにしましょう。
まずは3つの見方から、家庭に合う一冊を探してみてくださいね。
初めての一冊・年齢・子どもの気持ちから選ぶ
「ねずみくん」シリーズは作品数が多く、どれから読もうか迷いますよね。
刊行順に追わなくても一冊ごとに楽しめるのも、ねずみくんシリーズのうれしいところ。
お子さまに合う本を見つけるための3つのポイントを整理しました。
1)「ねずみくんシリーズ」らしさを楽しむ
少ない言葉のくり返し、余白を生かした絵、仲間たちとの掛け合い。
シリーズの魅力がよく伝わる作品は、最初の一冊にもぴったりです。
2)今の読み方に合わせる
出版社の対象年齢を目安にしながら、言葉の量や場面の切り替わり、物語の長さにも目を向けてみましょう。
読み聞かせで味わうのか、自分で絵を追うのかによって、似合う作品も変わります。
3)子どもの関心から広げる
自分らしさ、挑戦、友だちとの遊びなど、いま心が向いているテーマも本選びの手がかり。
好きな場面から、次の一冊へ広げていけます。
ねずみくんシリーズの絵本 早見表
迷ったときに見比べたい3冊を、読む場面ごとにまとめました。
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ねずみくんシリーズ|初めて読む子におすすめの絵本
初めて読むなら、余白のある絵やくり返しの言葉、仲間たちとの掛け合いがよく表れた作品から。
大きな動物たちに囲まれたねずみくんの小ささや、少ない言葉で展開するユーモアは、このシリーズならではです。
出発点となる代表作から、ねみちゃんや仲間たちとの関係が広がる作品まで、最初に手に取りたい3冊を選びました。
『ねずみくんのチョッキ』|のびていく赤いチョッキと、くり返しの笑い
『ねずみくんのチョッキ』は、「ちょっときせてよ」のくり返しに合わせ、赤いチョッキが仲間たちの体へ次々と渡っていく物語です。
余白の大きな画面に、動物たちの体格差と、少しずつ形を変えるチョッキがくっきり映ります。
短い言葉と大きな間。
ページをめくるたびに次の仲間が現れ、くり返しの先には思いがけない笑いが待っています。
絵、言葉、間、ユーモア。
シリーズの原点から楽しめる代表作です。
※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます。
「ちょっときせてよ」のくり返しと、のびていく赤いチョッキ。ねずみくんの世界へ入る最初の一冊に。
『りんごがたべたいねずみくん』|動物たちの得意なことを見ながら、りんごの行方を追う
『りんごがたべたいねずみくん』は、高い木のりんごに手が届かないねずみくんの物語です。
トリくんは飛び、サルくんは木に登り、仲間たちはそれぞれの得意な方法でりんごを取っていきます。
背の高さ、飛ぶ力、鼻の長さ──きることの違いが、ページをめくるたびにくっきり。
ねずみくんはどうするのだろうと追いかけた先に、小さな体だからこその結末が待っています。
くり返しの面白さから、最後の軽やかなユーモアが◎。
できることは一人ずつ違う。仲間の得意と、小さなねずみくんの知恵が結ぶ軽やかな結末。
『ねずみくんとホットケーキ』|ばらばらの注文に、ねみちゃんの工夫が光る
『ねずみくんとホットケーキ』では、料理を作ってくれるねみちゃんに、ねずみくんたちが好きな食べものを次々に注文します。
ホットケーキを焼くつもりだったのに、お願いはばらばら。
困るねみちゃんと、思い思いに頼む仲間たちの掛け合いに、会話のたび笑いが重なります。
ねみちゃんはどう応えるのか、その工夫も見どころ。
ねずみくんだけでなく、仲間たちの個性まで知りたくなる一作です。
ばらばらの注文を、ねみちゃんはどう受けとめる?会話のテンポと工夫で笑いが広がります。
ねずみくんシリーズ|自信をなくしたときや、失敗が気になる子に読みたい絵本
自分の小ささが気になったり、失敗を隠したくなったり、挑戦した先で思いがけない反応に戸惑ったり。
子どもの心の揺れは、ひとつの言葉ではまとめきれません。
ここでは、それぞれ違う迷いを抱えたねずみくんの姿を描く3冊を見ていきます。
『ちっちゃな ねずみくん』|目立たない自分が、心細く見えたときに
『ちっちゃな ねずみくん』は、ぞうさんにしっぽを踏まれ、「ぼくが小さくて目立たないからだ」としょんぼりするところから始まります。
そこへ現れるのは、プードルやパンダ、くじゃくなど、目を引く動物たち。「いいなあ」と見つめるねずみくんの姿に、周りがまぶしく見える気持ちが重なります。
けれど、物語が見つめるのは、大きさや目立ち方だけでは測れないもの。
誰かと比べて自分が小さく思えたとき、親子でねずみくんの表情をたどりたい物語です。
周りがまぶしく見えるとき、自分の大きさをそっと見つめ直す物語。
『コップをわったねずみくん』|しかられる怖さと、誰かのせいにしたくなる迷い
『コップをわったねずみくん』では、コップを割ったねずみくんが、おかあさんにしかられるのを恐れ、誰かのせいにしようと考えます。
失敗そのものより、言い出せない気持ちがふくらんでいく展開。隠したい、逃げたい、責任を遠ざけたい──そんな迷いを、先に裁かずユーモアを交えて描きます。
言い訳を考えるねずみくんを追うほど、その奥にある怖さも見えてくるでしょう。
子どもが失敗を話せずにいるとき、「何がこわかった?」と気持ちをたどるきっかけになりそうな物語です。
失敗を隠したくなる気持ちの奥には、しかられる怖さがある──言い出せない心を親子でたどる一冊。
『えかきになりたい ねずみくん』|「ぜんぜんにてない」の先に待つ、ねみちゃんのひと言
『えかきになりたい ねずみくん』では、絵描きになる夢をもつねずみくんが、仲間たちの似顔絵を描きます。
ところが、返ってくるのは「ぜんぜんにてない」という不満の声。
がんばって描いたぶん、思い描いていた反応との違いも胸に残ります。
それでも最後に現れたねみちゃんは、仲間たちとは違う言葉を返します。
挑戦したあとの戸惑いまで、ユーモアのある結末とともに見つめられる作品です。
「ぜんぜんにてない」と言われても、挑戦はそこで終わらない。ねみちゃんのひと言が残す、思いがけない余韻。
📘 失敗やしかられることが怖くて、一歩が出にくいときは、失敗が怖い気持ちに寄り添う絵本も参考になります。
ねずみくんシリーズ|友だちとのやりとりを楽しめる絵本
「だーれだ?」と声をかける。
シーソーに仲間が加わる。
ねみちゃんを思って花を選ぶ。
ねずみくんシリーズでは、友だちとの関わりが、遊びや小さな行動のなかに描かれています。
一緒に笑う場面、力を合わせる場面、相手を思って言葉を選ぶ場面。
それぞれ違う関わり方が見える3冊です。
『ねずみくん だーれだ?』|目かくしの「だーれだ?」を、いっしょに当てる
『ねずみくん だーれだ?』は、目かくしをされたねずみくんに、仲間たちが「だーれだ?」と声をかける物語です。
姿は見えず、聞こえてくるのは仲間のひと声。次は誰なのかを考えながら、読み手もねずみくんと一緒に答えを追いかけます。
動物たちの姿と、戸惑うねずみくんの組み合わせも愉快です。
呼びかけて、考えて、答える──友だちとの遊びがそのままページの中に広がります。
声を聞いて、考えて、答える。目かくし遊びの輪へ、読み手も一緒に加われます。
『ねずみくんとシーソー』|びくともしないシーソーに、仲間が集まる
『ねずみくんとシーソー』では、ぞうさんと遊びたいねずみくんがシーソーに乗っても、大きさが違いすぎて板はびくともしません。
そこで、ねずみくんの側へ仲間たちが一人ずつ集まります。
小さな動物が増えるたび、片側は少しずつにぎやかに。
次は誰が加わるのか、シーソーはどうなるのかと、ページをめくる楽しみが続きます。
言葉で協力を説かず、仲間が集まる面白さをシーソーの動きで見せる物語です。
びくともしないシーソーに、仲間が一人、また一人。小さな力が集まるおかしさを、動きで味わう物語。
『ねずみくんの花ことば』|5本のバラに、大切な思いをこめる
『ねずみくんの花ことば』は、ねみちゃんに会いに出かけたねずみくんが、仲間たちの花を見て誕生日に気づく物語です。
何も用意していなかったねずみくんは大あわて。ヒューッと走って用意したのは、5本のバラの花束。
その本数には、ねみちゃんへ届けたい大切な意味がこめられています。
花に託した思いと、受け取ったねみちゃんの反応まで温かく見届けられる作品です。
5本のバラに込められた意味とは。言葉にしきれない思いを、花がそっと届けます。
📘 友だちとの距離感や、やりとりの中で生まれるモヤモヤが気になるときは、友だち関係のモヤモヤに寄り添う絵本も参考になります。
ねずみくんシリーズ|季節や行事に合わせて読みたい絵本
春はお弁当を持ってピクニックへ。
夏は仲間を誘って海を目指し、秋には運動会、冬にはクリスマスの準備が始まります。
季節ごとの楽しみが、ねずみくんたちの会話や思いがけない展開と重なる4冊。
これから迎える行事に合わせて手に取りたい作品を集めました。
『ねずみくんのピッピッピクニック』|行き先が決まらない、春のおでかけ
『ねずみくんのピッピッピクニック』は、お弁当を持った仲間たちが、ねみちゃんの笛に合わせて出発する春の物語です。
ところが、どこを目指すかで意見はばらばら。そこへ現れたちょうちょうが、思いがけない結末へと案内します。
遠くへ出かけなくても、楽しいものは身近にある──作品に流れるのは、そんな穏やかなまなざし。
春のおでかけ前に、親子でいつもの景色を眺めたくなります。
行き先が決まらなくても、春の楽しみはすぐそばに。仲間たちの相談が、思いがけない結末へつながります。
『ねずみくん うみへいく』|仲間がそろわない、海への出発前
『ねずみくん うみへいく』では、海へ行こうと仲間を誘ったねずみくんが、みんなの到着を待ち続けます。
けれど、待っても待っても全員がそろわないまま。
出発前から足並みが合わないもどかしさが、少しずつ物語のおかしさへ変わっていきます。
海へ着く場面だけでなく、仲間を待つ時間にも夏のおでかけらしい高まりがあります。予
定の日を指折り数える子どもと、出発前のわくわくを重ねたい一冊。
待っても待っても、みんながそろわない。海へ着く前から笑いが始まる、夏のおでかけ物語。
『ねずみくんのうんどうかい』|ねみちゃんのひらめきが、うさぎとかめの競走を変える
『ねずみくんのうんどうかい』は、運動会でうさぎさんと走ることになったかめさんが、「かてっこないよ」と困るところから始まります。
そこへやってきたねずみくんとねみちゃん。
ねみちゃんの「いいことがあるわ!」をきっかけに、競走は思いがけない方向へ動きます。
かけっこのリズムに乗ってページをめくった先には、勝敗だけでは終わらない結末。
競う楽しさと、仲間と笑い合う時間の両方を味わえる物語です。
勝つのはうさぎ、それともかめ?ねみちゃんのひらめきが、競走の行方をくるりと変えます。
『ねずみくんのクリスマス』|小さなツリーから広がる、大きなクリスマス
『ねずみくんのクリスマス』では、ねみちゃんの小さなツリーを見て、仲間たちが笑います。
けれど、そのツリーは小さいだけではありません。
最後に明かされる本当の姿に、見えていた景色がくるりと変わります。
大小の対比と意外な結末が、クリスマスの驚きを大きくふくらませる物語です。
小さなツリーだと思っていたら、最後に景色が大きく変わる。クリスマスの驚きを親子でひとつ。

ねずみくんシリーズ|まだある絵本とグッズで楽しみを広げる
気に入った一冊に出会うと、ねずみくんの世界をもっと楽しみたくなるもの。
ねずみくんシリーズはまだまだたくさんありますよ。
絵本だけでなくバッグに添えられるマスコットや、読み聞かせのそばに置きたいぬいぐるみ、毎日使えるハンドタオルもそろっています。
まだ知らなかったねずみくんの絵本に出会う楽しみも、絵本の外でねずみくんを身近に感じるうれしさも、ここで見つけてみませんか。
まだある、こんな「ねずみくんシリーズ」
ねずみくんの本棚をもう少しのぞいてみると、言葉遊びや写真を題材にした作品にも出会えます。
声を出してしりとりをつなぐ一冊と、仲間たちをカメラに収めようとする一冊。
これまでとは少し違うねずみくんの楽しみ方です。
『ねずみくんのしりとり』|ねずみくんたちと、言葉をつなぐ
ねずみくんや仲間たちの名前、持ち物を手がかりに、しりとりが次へ次へと続いていきます。
ページをめくるたび、「次は何だろう」と声に出して考えたくなる展開。
物語を眺めるだけでなく、親子で言葉を返し合いながら楽しめる一冊です。
次は何の言葉?ねずみくんたちをたどりながら、声に出してしりとり遊び。
『ねずみくんはカメラマン』|写真におさまらない仲間たち
ねみちゃんを撮ろうとしたねずみくんのもとへ、「ぼくらもとって」と仲間たちが集まります。
けれど、大きさの違う全員を一枚におさめるのはひと苦労。
ねずみくんがどんな写真を撮るのか、最後の一枚まで追いたくなる物語です。
みんなを一枚におさめるには、どう撮ればいい?大きさの違いが、写真のおもしろさに変わります。
絵本と一緒に楽しめるねずみくんグッズ
絵本で出会ったねずみくんを、バッグにつけたり、読み聞かせのそばに座らせたり。
毎日使えるタオルも含め、ねずみくんとの時間を広げてくれる3点を見てみましょう。
ねずみくん マスコット|バッグに添えて持ち歩く
ボールチェーンが付いた、約H11×W7×D2.5cmの小型マスコットです。
バッグやリュックに付ければ、絵本で親しんだねずみくんを外出先にも連れていけます。
ぬいぐるみとは異なり、持ち物に添える使い方が中心。絵本と組み合わせる小さな贈り物にも収まります。
絵本で親しんだねずみくんを、バッグに添えて連れて歩ける小さなマスコット。
ふんわり ねずみくん S|読み聞かせのそばに置きたいぬいぐるみ
赤いチョッキを着た、高さ約17.5cmのねずみくんのぬいぐるみです。
絵本を開くそばにちょこんと座らせると、いつもの読み聞かせに、ねずみくんが遊びに来たような楽しさが加わります。
読み終えたあとに手に取ったり、お話の続きを親子で考えたり。絵本の中で親しんだねずみくんを、物語の外でも身近に感じられます。
絵本のそばにちょこんと座らせて、ねずみくんとの時間を楽しめるぬいぐるみ。
ハンドタオル ハッピースター グリーン|毎日の中でねずみくんを楽しむ
ねずみくんが描かれた、約34×35cmのハンドタオル。
綿100%で、手を拭いたり、外出先へ持って行ったりと、毎日の暮らしの中で使えます。
絵本を閉じたあとも、身近な持ち物の中にねずみくんの姿がある楽しさ。小さな贈り物として絵本に添えるのにも、ちょうどよい一枚です。
毎日の手拭きにも使える、ねずみくんの綿100%ハンドタオル。
まとめ|ねずみくんと、次の物語を楽しもう
ねずみくんの絵本は、一度読んで終わりではなく、子どもが気に入った場面や登場人物をきっかけに、別のお話へ関心が広がっていきます。
まずは一冊を読み、その反応を見ながら少し違う題材へ。
図書館で何冊か並べて楽しみ、繰り返し開いた作品を手元に迎えるのも、シリーズとの長い付き合い方です。
チョッキをめぐるおかしさ、仲間との遊び、季節の行事、言葉遊び、カメラを構えるねずみくん。
お子さまが笑ったところや、もう一度見たがったページが、次の一冊を教えてくれるでしょう。
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