朝や夕方のおきがえが、どうしてもスムーズに進まない日があります。
声をかけても体が動かず、遊び出したり、急に「やだ」となったり。
そんな場面で、無理に急がせる代わりに、気持ちの入口をそっと作ってくれるのが絵本です。
児童書専門の司書として選んだのは、「おきがえをさせる本」ではなく、動き出すまでの流れが見えやすい物語。
今回は、その日の様子に合わせて手に取りやすい絵本を、場面別に紹介します。
はじめに|おすすめ3冊(早見)
先に3冊だけ並べておくと、いまの場面に近い1冊を選びやすくなります。
気になる本があれば、リンクからそのまま紹介パートへ進めます。
ぬぐのが止まりやすい子に合う絵本|切り替えがふっと軽くなる
服を脱ぐところで動きが止まると、その先に進む気持ちも途切れがちになります。
ここでは「脱ぐこと」を目的にせず、気分が自然に切り替わる流れが見えやすい絵本を紹介します。
『とうもろこしぬぐぞう』|ぬぐ動きが、遊びの流れに変わる
『とうもろこしぬぐぞう』は、葉っぱの服を「バリバリ」と脱いでいく気持ちよさが、そのままリズムになる絵本です。
音が前に出るので、脱ぐ行為が「急かされる」から「まねしたい」へ寄りやすいところが魅力。
ページをめくるたびに動きが増え、手も気持ちもついてきます。
最後はおふろまでつながり、生活の流れが一本につながります。
着替えの入口が軽くなる一冊です。
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ばりばり、べりべり。
「ぬぐ」が気持ちよく進む一冊。
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『もうぬげない』|うまくいかない瞬間を、笑いに変える
『もうぬげない』は、服がひっかかって頭や腕が抜けず、動けなくなった「ぼく」の焦りから始まります。
助けを呼ぶ前に、もしこのままずっと脱げなかったら、と想像がどんどん広がっていく流れ。
「恥ずかしい」「できない」が前に出るより、笑える方へ転がっていくのも◎。
固まった時間がいったんほどけ、もう一度やり直す余白が戻ってくるようです。
朝の着替えやお風呂前のつまずきに、気持ちの逃げ道をつくる一冊。
着替えで固まる朝に。脱げない一瞬が笑いに変わり、「もう一回」が出やすくなります。
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着るのが進みにくい子に合う絵本|「できた」が増える工夫が見える
着る場面は工程が増えやすく、途中で集中が切れやすいところです。
この章では、説明や声かけに頼らず、「やってみよう」が出やすい流れを見せてくれる絵本を集めました。
『はけたよ ずぼんぼん』|短い工程で、達成の手触りが残る
『はけたよ ずぼんぼん』は、ボズボンをはく途中で起きがちな「片足が同じ穴に…」を、きのこずぼんのユーモアで包む絵本です。
失敗を注意で止めず、やり直しの道が物語の中に用意されます。
ページをめくるたび手順が見えてくるため、イヤイヤ期の朝でも「もう一回」が起きやすく、自分でできた感覚を小さく残せますね。
まちがえても笑って戻れ、ズボンの一歩が自分で出る。
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『ドアをあけたら だれのおきがえ?』|当てっこで、気分が先に動く
『ドアをあけたら だれのおきがえ?』は、は、ドアの穴から見える服をヒントに「だれの?」と当てる、穴あきしかけ絵本です。
「しましまのシャツ」「おはなのスカート」「おおきなパンツ」など、柄や形が先に目に入り、指さしと会話が生まれます。
「トントン」と声を合わせてドアを開けると動物が現れ、正解より先に“開ける楽しさ”が残る作り。
着替え前に1ページだけでも回せるので、気分が乗らない朝の「最初の一歩」が軽くなります。
短く切って読めるのに、場の温度だけ先に整う一冊。
着替えの前に「トントン」と一回。穴から見える服で当てっこが始まり、気分が先に動きます
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『おきがえあそび』|できる・できないから、いったん離れる
『おきがえあそび』は、ゆうちゃんと動物たちの着替えを追いながら、めくるしかけで「次はどうなる?」を重ねていく絵本です。
正しく着る練習というより、手を動かす楽しさが先に立ち、着替えの空気がやわらぎます。
うまく着られない日も「遊びの続き」に置けるので、抵抗が強い場面でも固まりにくいところがうれしいポイント。
着替えそのものより、まず動き出す余白をつくりたい朝に合いそう。
「できた?」から少し離れて、気持ちが整っていく一冊。
着替えが止まる朝に。めくる楽しさで手が先に動き、「できた・できない」から一度離れられます。
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📘 「自分でやりたい」が強い時期のつまずきは、トイトレの絵本にも重なるところがあります。
イヤイヤ・自分でやりたい時期に合う絵本|選べると動き出しやすい
自分で決めたい気持ちが強い時期は、声をかけるほど反発が出やすくなります。
ここでは、指示や説得に寄らず、「選ぶ」ところから自然に動き出せる絵本を紹介します。
『こっちとこっちどっち?』|決める順番が、気持ちを前に運ぶ
『こっちとこっちどっち?』は、「こっちとこっち どっち?」の当てっこで、帽子やTシャツ、ズボンなどを選びながらしたくが進みます。
正解を当てるより「自分で決めていい」空気が残るため、指示に反発しやすい子でも入りやすい構成です。
選ぶ時間が、そのまま着替えの助走につながりそう。
選ぶ→着るが遊びでつながり、朝の一歩が軽くなります。
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『やぁだ!』|拒否の奥にある気持ちを、先に拾う
『やぁだ!』は、何を言われても「やぁだ!」と返すこうさぎの一日を描いた絵本です。
「起きる?」「ごはん?」「外で遊ぶ?」の声かけが続いても、返事は変わらず、拒否の気分がそのまま場に置かれていきます。
ところが、やってみたら楽しい瞬間が出てきて、切り替えが“説得”ではなく“経験”で起きる流れ。
「やぁだ!」の日が、その子のペースで動き出す入口になる一冊です。
「やぁだ!」の日も、そのまま笑いに変わる。
説得を減らし、「やってみたら楽しい」へつながる流れが作れます。
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園の“おきがえ時間”が想像できる絵本|家の朝にもつながる
園では当たり前に進んでいる着替えの流れも、家ではうまくいかないことがあります。
この章では、集団の中での動きを静かに見せながら、家の朝にもつなげやすい絵本を取り上げます。
📘 朝の準備をよりスムーズにしたいときは、朝のしたくが少し楽になる絵本もあわせてご覧ください。
『チューくんといっしょ せいかつのおはなし おきたらおきがえ!』|次の行動が見通しやすい
『チューくんといっしょ せいかつのおはなし おきたらおきがえ!』は、「おはよう」「きがえ」など身につけたい生活習慣を、チューくんの短いお話でたどれる絵本です。
1日の流れに沿って8つの習慣が並び、ページをめくる順番がそのまま「次はこれ」を示してくれます。
着替えの場面も、声かけで押すより「チューくんはこうする」が先に入る作り。
朝のぼんやりした時間でも見通しが立ちやすく、行動の入口が軽くなります。
全部を通して読まなくても、必要な場面だけ開けるのが助かるところ。
“朝の段取り”を物語でなぞれる一冊です。
朝の「次はなに?」に。
起きてから着替えまでの流れが見え、声かけを増やさず進めやすくなります。
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🌱 家でも同じ流れで進められる“型”があると、おきがえの切り替えが安定しやすくなります。
まずは資料で、教材の量感と雰囲気が合いそうかを確認しておくと安心です(※2〜6歳向け)。
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親の気持ちを整える本|消耗を減らすヒントを確保する(一般書)

おきがえがうまく進まない日が続くと、どう声をかければいいのか分からなくなることがあります。
ここでは、やり方を増やすよりも、親の気持ちを立て直しやすい本を2冊選書しました。
『子どもの「イヤイヤ期」を楽しむ本 育児の「困った」がすーっとなくなるワザはこれ!』|気持ちの持ち直し方を思い出せる
『子どもの「イヤイヤ期」を楽しむ本 育児の「困った」がすーっとなくなるワザはこれ!』は、、0歳〜4歳の「困った」「イヤイヤ」に直面したときの関わり方を、Q&Aで引ける育児書です。
軸にあるのは「子どもを丸ごと受け止める」「否定しない」という考え方。
食事・衛生・睡眠・着替え・遊び・友だち関係・気になる姿・親のメンタルバランスまで、場面が細かく分かれていて探しやすい構成です。
朝の着替えで消耗したあとでも、「声かけを増やす前に整える視点」が戻ってきますね。
親の焦りがほどけ、家の空気を戻す選択肢が増えそうです。
イヤイヤの朝に。場面別Q&Aで「言い方」「整え方」を引き直せて、親の持ち直しが早くなります。
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『元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツ』|言葉に迷った朝の支えになる
『元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツ』は、イヤイヤや癇癪の場面でそのまま使える“声かけの候補”を、シーン別にまとめた一冊です。
章立てに「お着替えのイヤイヤ」などがあり、朝のつまずきから引きやすい作り。
言葉だけを並べるのではなく、イヤイヤが起きる背景(発達や状態)にも触れたうえで、声かけ・遊び・環境の整え方を提案していきます。
全部をまねしなくても、合う一言だけ拾える構成がうれしい。
叱る方向へ流れそうなとき、言い直しの入口をつくりやすくなります。
言葉が詰まる朝に。着替えのイヤイヤを“言い換え”で回避し、親子の空気を戻しやすくなります。
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まとめ|今日の朝に、ひとつだけ足してみる
おきがえがスムーズに進まない日は、やり方を増やすほど重くなることがあります。
絵本は、行動を促す前に、気持ちが動き出す順番をそっと整えてくれます。
脱ぐ、着る、選ぶ、そのどこで止まりやすいのかを見ながら、合いそうな一冊を置いてみませんか。
完璧に進まなくても、入口がひとつ増えれば十分です。
今日の朝に、できそうなところから足してみてくださいね。
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