子どもがひとりで歩く道のことが、ふと頭をよぎる。
通学路、公園、留守番。
防犯の話をどう切り出すか、迷っていませんか。
怖がらせたくない。
けれど、何も伝えないのも落ち着かない。
図書館のカウンターでも、そんなレファレンスを受けることがよくあります。
絵本なら、キャラクターと一緒に考えたり、クイズに答えたりしながら、お子さまが考える側で話に入れます。
今回は、防犯の基本、誘いへの対応、危険な場所から離れる行動、プライベートゾーンの4つのテーマから、12冊を選びました。
読み終えたら、いつもの道を親子で歩いてみてください。
防犯絵本の選び方|入学前に身につけたいことから選ぼう
防犯絵本の棚の前に立つと、どれも必要そうに見えて、迷ってしまいますよね。
幼児には、短い言葉で「こうする」と言い切ってくれる本。
入学前後なら、通学路や公園を思い浮かべながらページをめくれる本。
知らない人に誘われたとき、あぶない場所のこと、自分の体を守ること。
ひとつ決まれば、手に取る一冊は自然と見えてきます。
年齢と子どもに伝えたい防犯テーマに合わせて選ぶ
同じ一冊でも、読む年によって響く場所は変わります。
幼いころは主人公の行動をまねていた本でも、入学後には「知っている人に声をかけられたときは?」と、より具体的な質問が出てくることがあります。
年齢の目安は入口として使い、いま家で話したいテーマから選んでみてください。
🗣️ 誘いへの対応:断る言葉が、具体的な場面とセットで出てくる本
🔍 あぶない場所:絵の中から探したり選んだりして、子どもの指が動く本
🛡️ 体の安全:言葉の選び方が一冊ごとに違うので、大人が先に目を通しておきたい本
最初の一冊に迷うなら、家、道、公園と場面が広い総合型から。
気になる場面がすでにあるなら、そのテーマに絞った本から。
読み終えたあとに親子で話す時間が残れば、その一冊は役目を果たしています。
📘 防犯だけでなく、小学校での生活や一日の流れを絵本から知っておきたいときは、入学前の子におすすめの絵本も参考になります。
迷ったらこの3冊|防犯絵本のおすすめ早見
まずは、いま話したいことに近い3冊からどうぞ。
🌱「この本の紹介へ→」を押すと、本文の紹介へ移ります。
はじめての防犯絵本
『一生つかえる!おまもりルールえほん ぼうはん』
準備と行動に分けて、35のルールを1ページにひとつずつ。最初の一冊として全体を見渡せます。
年齢目安:5歳〜
通学路や近所を、親子で確かめたいとき
『あぶないばしょはどっち? 遊んで学べる防犯絵本』
あやしい「人」ではなく、あぶない「場所」の見分け方を、めいろや間違いさがしで練習。
いつもの道を歩く前に開きたい一冊です。
年齢目安:5歳頃〜
体の大切な場所を、はじめて話す一冊です
『だいじ だいじ どーこだ?』
「だいじ だいじ どーこだ?」の問いかけから、自分の体も人の体も大切にすることを伝える絵本。
体を守る話の入口になります。
年齢目安:3歳頃〜
まず読みたい|防犯の基本をまとめて学べる絵本3選
留守番中にチャイムが鳴ったら。
公園で、知らない人に声をかけられたら。
どちらも、親がそばにいない場面です。
最初の一冊に迷うなら、家、道、公園と、暮らしの場面をひと通り見せてくれる本も選択肢のひとつです。
この章の3冊は、ルールを順に知る本、キャラクターと一緒に考える本、クイズで試す本。
入口はそれぞれ違っても、読み終えたあとに「うちならどうする?」と話し出せる点は同じです。
『一生つかえる!おまもりルールえほん ぼうはん』|35のルールを身近な場面から学ぶ
ルールは全部で35。
「じゅんびのルール」と「こうどうのルール」に分かれ、家の中、通学路、駅、遊園地、山や海と、子どもがいる場所ごとに並んでいます。
あやしい人の絵も、子どもを怖がらせすぎないやわらかな絵柄。
巻末には、不審な声かけへの答え方リストと、すごろく風のチェックリストもついています。
はじめて防犯絵本を選ぶ家庭なら、候補に入れておきたい総合型です。
5歳で読んで、入学後にまた開ける一冊。
準備から行動まで、35のルールが1ページにひとつずつ並びます。
価格・在庫はリンク先でご確認ください。
『にぼしと かつおの 子どもあんぜん絵本』|日常にある危険を双子のネコと考える
「帰るのが遅くなったら、どうする?」
小学1年生の双子のネコ、にぼしとかつおが、そんな問いに日常のなかで出会っていきます。
場面は10。
知らない人に話しかけられたとき、道を歩くとき、迷子、留守番、インターネットで名前を聞かれたときと、子どもの暮らしのすぐ隣にあるものが並ぶ構成です。
答えを教わる前に「自分ならどうする?」と考える時間が、ページごとに用意されています。
入学前の「ひとりで歩く日」に間に合わせたい一冊。
ネコたちと「どうする?」を考えるから、防犯の話が怖い話で終わりません。
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『親子でチャレンジ!防犯クイズブック』|クイズの答えを実際の行動につなげる
クイズの答えがわかったら、次は「じゃあ、やってみよう」。
クイズは全部で10問。
絵探しや迷路もまじえ、答えたあとは「親子でやってみよう」のコーナーで、危機を避けるための練習へ進みます。
監修は、各地の園や学校で子どもの安全教育に取り組む清永奈穂さん。
保護者向けのアドバイスも掲載されていて、子どもの答えに「どうしてそう思った?」と返すときの手がかりにもなります。
答えを知って終わり、にしないための本。
クイズの先の「やってみよう」まで、一冊に入っています。
価格・在庫はリンク先でご確認ください。
知らない人や誘いから身を守る防犯絵本3選
「知らない人についていかない」。
そう伝えたあとで、ふと心もとなくなることがあります。
誘いは、いかにも「あやしい人」の姿で来るとは限らないからです。
大切なのは、見た目や顔見知りかどうかより、「どんな誘い方をされたか」「何を求められたか」に気づくこと。
この章の3冊は、見た目で決めつけない視点、誘われたときと迷子のときの行動、具体的な誘い文句と、入口がそれぞれ違います。
いまのお子さまの様子に近い入口から、手に取ってみてください。
『わるいひとって、どんなひと? はじめてのぼうはんえほん』|見た目ではなく行動から危険を考える
「知らない人」とは、いったいだれのことか。
親が何気なく口にしてきたこの言葉を、子どもと一緒にたどり直せる一冊です。
「わるいひと」は見た目だけではわからないことも含め、4歳から知っておきたい「あんぜんのキホン」が32ページにまとまっています。
監修は、危機管理アドバイザーの国崎信江さん。
見た目で人を決めつけない伝え方を探している家庭が、読んで、話して、考える最初の一冊として、手に取ってみるのもよさそうです。
「知らない人についていかないで」で止まっていた話の、続きができます。
「知らない人」ってだれ?を、4歳からの言葉で。
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『ゆうかい・まいご どうするの?』|誘われたときと迷子になったときの行動を知る
人混みの中で、手を離した一瞬に姿が見えなくなる。
そんな迷子の場面と、知らない大人から声をかけられる場面を、一冊のなかで一緒に考えていけます。
「やさしくわかる ぼうさい・ぼうはんのえほん」シリーズの一冊で、迷子になったらだれに助けてもらうかなど、子ども自身が考えながら読み進める作りです。
巻末には、大人向けの解説つき。
幼児期のうちから「もしも」の話を始めたい家庭なら、本棚に加えておくのも◎。
お出かけの前に、親子で一度開いておきたい一冊。
迷子になったら、だれに助けてもらう?を先に話しておけます。
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『ぜったいについていかないよ!』|具体的な誘い文句への対応を考える
「お母さんが事故にあったから、車に乗って」。
そう言われたとき、子どもはどう動くのか。
実際にありそうな誘い文句を場面ごとに取り上げ、誘拐や連れ去りにあわないための方法を、実践できる形で見せていきます。
「じぶんでじぶんをまもろう」シリーズの第1弾。
読み聞かせの途中で「このときはどうする?」と問いかけてみると、お子さまの答えから、わが家の備えが見えてきます。
「ついていかない」を、誘い文句ごとに確かめられる一冊。
2006年刊で、具体的な誘い文句を場面ごとに確かめられる一冊です。
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危険に気づき、断る・逃げることを学ぶ防犯絵本3選
危ないと感じても、体が固まって声が出ない。
大人にも起こることです。
気づく、断る、その場を離れる。
絵本なら、この流れを遊びの延長でなぞれます。
3冊は、この段階ごとに選びました。
お子さまに身につけてほしい動きに近い一冊を、見つけてください。
『あぶないばしょはどっち? 遊んで学べる防犯絵本』|入りやすい・見えにくい場所を見分ける
公園の絵を見比べて、あぶないのはどっちかを選ぶ。
めいろや間違いさがしも交えながら、あぶない場所を遊びの形で見つけていく本です。
軸になっているのは、犯罪者という「人」ではなく、犯罪が起きる「場所」に目を向ける犯罪機会論の考え方。
巻末の保護者向けページには通学路のチェックリストもあり、読んだあとに近所を一緒に歩くところまでつなげられます。
絵本で身につけた見分け方を、お子さまといつもの道で試してみてください。
「どっちがあぶない?」と、遊びながら見分ける一冊。
犯罪学者の小宮信夫さんが監修した、「場所」で考える防犯絵本です。
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『あぶないときは いやです、だめです、いきません』|断る言葉と逃げ方を覚える
題名が、そのまま断る言葉になっている。
どんな人やどんな場所があぶないのかを、クイズや合い言葉で確かめながら読み進めます。
もし危ない目にあったらどうするかも、あわせて取り上げています。
巻末の親向け解説には、逃げる練習やさけぶ練習の方法も。
ひとりで歩く機会が増える、就学前から小学1年生のお子さまに向けて作られた一冊です。
「いやです、だめです、いきません」。
題名を声に出すだけで、断る練習が始まります。
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『とにかくさけんでにげるんだ』|叫ぶ・逃げる・相談する行動を伝える
カナダの小学校で副読本として使われてきた絵本の日本版です。
「お母さんが呼んでるよ」と誘われたとき、体をさわられたときと、具体的な場面ごとに、叫ぶ、逃げる、信頼できる大人に話すという動きを伝えていきます。
性被害を扱う具体的な場面も含まれるため、小さなお子さまに読む前に、大人が一度目を通しておくと安心です。
もし声が出せなかったり、逃げられなかったりしても、それはお子さまのせいではありません。
保護者向けのあとがきとあわせて、読んだあとにゆっくり話す時間をとってみてくださいね。
「いやだ」と言っていい、逃げていい。
それをまっすぐ伝えて、25年以上読み継がれてきた一冊です。
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プライベートゾーンを知り、自分の体を守る絵本3選
お風呂で、お子さまが自分の体を洗いはじめる。
プライベートゾーンの話は、そんな日常の場面から切り出せます。
とはいえ、どんな言葉を選ぶかで迷うのは、自然なことです。
絵本の言葉を借りるのも、ひとつの手。
3冊は、知る、大切に感じる、断って相談するの順に進みます。
『だいじ だいじ どーこだ?』|体の大切な場所を幼児にも伝わる言葉で知る
パンツで隠れる場所や、口、胸は、自分だけの大切な場所。
その大切さを、やさしい文とほのぼのした絵で、幼児にも届く形で伝える一冊です。
「見せて」と言われたら逃げて、大人に話す。
そんなところまで描かれています。
登場する子は男の子にも女の子にも見えるので、どちらのお子さまとも同じ本を開けます。
プライベートゾーンの話をはじめる最初の一冊を探している家庭にとって、構えすぎずに開ける入口です。
産婦人科医が、わが子とのやりとりを交えて書いた絵本。
「だいじ だいじ どーこだ?」と問いかけるところから始められます。
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『あなたのからだをだいじにするほん』|マイメロディと体・心・尊厳を考える
気になるページだけ開いても、途中で閉じてもいい。
マイメロディと仲間たちが、体を守る話と一緒に、「あなたは大切な存在」というメッセージを少しずつ届けてくれます。
口と水着で隠れる場所、外のトイレは大人と一緒に行くこと、みんな違ってすてきなこと。体と暮らしの安全と自分らしさが、ひとつの本のなかでつながっている。
書いてあることがすぐにできなくても大丈夫、という言葉も添えられていて、お子さまのペースで読み進められます。
守り方を知るだけでなく、「あなたは大切」という言葉まで一緒に受け取れる一冊です。
マイメロディと一緒に、体と心を大切にする言葉に出会える絵本。
気になるページから、少しずつ読めます。
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『キミのからだはキミのもの』|同意・断ること・相談することを学ぶ
体にさわっていいかどうかを決めるのは、自分。
「同意」という言葉の中身を、子どもに語りかける文で伝えていきます。
いやなときは「いやだ」と言っていいこと、困ったら信じられる大人に話すことも、あわせて描かれています。
原書はスペインでベストセラーになった絵本。
体の部位の名前が出てくるページもあるので、先に大人が目を通しておくと、読むペースを決めやすくなります。
知る、大切に感じる、その先にある「断る・相談する」へ、そっとつなげてくれます。
体のことを決めるのは、自分。
「同意」という考え方に、4歳から絵本で出会えます。
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防犯絵本を読んだあとに親子で確認したいこと
🚶①通学路や近所を、一緒に歩いてみる
絵本で見た「あぶない場所」が、いつもの道のどこにあたるのか。
お子さまと並んで歩きながら、探してみましょう。
- 見えにくい場所、人通りの少ない場所
- 困ったときに駆け込めそうなお店や、「こども110番の家」
- 遠回りでも、人の目がある道
🗣️②断る言葉を、声に出してみる
親が誘う役になって、断る場面を遊びのように演じてみるのもひとつの方法です。
練習でうまく言えなくても、責めないで。
声が出ないときはその場を離れるなど、別の動きも一緒に考えておきましょう。
- 「いやです」「いきません」と言ってみる
- いつもより大きな声を出してみる
- 断ったあとは、近くのお店や交番など、助けを求められる場所へ向かう
🔔③防犯ブザーを、一度鳴らしてみる
鳴らし方は製品ごとに違うので、取扱説明書を見ながら、お子さまと一緒に音を出してみましょう。
※防犯ブザーは大きな音が出るため、耳元を避け、周囲に声をかけてから試してください。
- すぐ手が届く位置に付いているか
- お子さま自身で鳴らせるか
💬④困ったときに話せる大人を、決めておく
怖かったことや嫌だったことを話してくれたら、まず「話してくれてありがとう」と伝えたいですね。
家族のほかにも、頼れる大人をお子さまと一緒に思い浮かべてみてください。
- 家族のなかで、いちばん話しやすい人
- 学校や園、習い事で頼れる大人
ひとりに限らず、何人か思い浮かべておくと、困ったときの選択肢が増えます。
📘 防犯の話をしたあとに怖さが残る子には、子どもの“こわい気持ち”に寄り添う絵本も参考になります。
まとめ|防犯絵本を親子で話し合うきっかけにしよう
「あぶないと感じたら離れていい」「いやなことは、いやと言っていい」「困ったら話していい」。
絵本をきっかけに、こうした選択肢が、子どもの心に少しずつ増えていくとよいですね。
怖がらせるためではなく、いざというときの動き方をひとつ増やすために読む。
読み終えたあとの会話が少し増えて、お子さまの毎日が、いまより少し心強くなりますように。
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