新しいクラス、新しい席、はじめて会う子の名前。
春や新学期、転園・転校、入学後の毎日には、子どもにとって小さな緊張がいくつも重なる場面があります。
安心して過ごせているかな、声をかけられているかな、と思うからこそ、帰ってきたあとの表情や何気ないひと言が気になってしまいますよね。
まだ話せない、近くにいるだけで精いっぱい、一緒に遊びたいけれど言葉が出ない。
そんな姿の中にも、その子なりにまわりを見て、相手との距離をはかっている時間があります。
今回は、新しい友だち関係に入る前後の不安を親子で少し整えたいときに読める絵本や本を紹介します。
話しかける前のためらい、一緒に遊ぶきっかけ、自分と友だちの違い、そして親が先回りしすぎず見守る視点まで。
お子さまのペースに合う一冊を見つけませんか。
友だちとの関わりを描いた絵本|ポイント&早見
友だちとの関わりを描いた絵本は、子どもを急いで友だちの輪へ入れるために読むものではありません。
話しかける前で止まっているのか、一緒に遊ぶきっかけを探しているのか、友だちとの違いに戸惑っているのか。
まずは、子どもがどこで立ち止まっているのかを見ていきましょう。
あわせて、このあと紹介する本の中から、先に見ておきたい3冊も早見でまとめます。
友だちとの関わりを描いた絵本を選ぶときに大切にしたいこと
友だちとの関わりには、「できている・できていない」だけでは拾いきれない、言葉になる前の迷いや緊張があります。
友だちが多いことを正解にせず、その子の気持ちに近い一冊を選んでいきましょう。
1.話しかける前で止まっている
相手が気になる気持ちや、近づく前の緊張を描いた本
2.一緒に遊びたい気持ちがある
遊びや出来事を通して、関わりが生まれていく本
3.自分と友だちの違いに戸惑っている
違うところがあるまま、関係が続いていく本
4.大人(保護者)のほうが不安になっている
子どものペースを知り、先回りしすぎない見守り方を考えられる本
友だちづくりの絵本3冊|早見
新しい友だち関係に入る前後は、子どもの不安の出方によって合う本が変わります。
ここでは、このあと紹介する本の中から、新しい友だち関係の不安、話しかける前のためらい、友だちとの違いに重なる3冊を先にまとめます。
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新しい友だち関係に入る前の不安に寄り添う一冊
『となりのせきのおともだち』
隣の席の子が気になるけれど、まだ話せない。新しい関係の前で少し緊張している子に重ねて見られる絵本です。
年齢目安:未就学〜小学校低学年
話しかける・一緒に遊ぶきっかけになる一冊
『ともだち ともる』
相手が気になっているのに、声をかけるまでに時間がかかる。そんなためらいを、静かな物語の流れで受け止める絵本です。
年齢目安:幼児〜小学校低学年
友だちとの違いを受け止める一冊
『きみとぼく』
自分と相手は同じではない。違うところがある相手との関係を、親子でゆっくり考えたいときに手に取りたい絵本です。
年齢目安:幼児〜小学校低学年
新しい友だち関係に入る前の不安に寄り添う絵本
新しいクラスや隣の席の子を前にすると、子どもは何も言っていないように見えても、相手のことをよく見ています。
まだ名前を呼べない。
話したい気持ちはあるけれど、声を出すところまで進めない。
そんな時期は、友だちを作ることよりも、知らない相手との距離を少しずつ感じ取っている時間として見ておきたいところです。
ここでは、新しい友だち関係に入る前後の緊張や、環境が変わるときの心細さに重ねて読める絵本を紹介します。
『となりのせきのおともだち』|隣の席の子と、まだ話せない時間に
『となりのせきのおともだち』は、小学1年生のののちゃんと、隣の席のちこちゃんの関係を描いた絵本です。
ののちゃんが話しかけても、ちこちゃんは下を向いてしまう。
まだ言葉にならない距離の中で、相手のことを少しずつ見ていきます。
すぐに「友だちになろう」と進むのではなく、思い合ったり、行き違ったりしながら関係が動いていくところが魅力です。
新しい席、新しい教室で、近くの子を気にしながら過ごしている子に。
話しかける前の緊張にも、静かに重なる絵本です。
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隣の席の子が気になるけれど、まだ声をかけられない時間に。
近くにいる相手を、少しずつ見ていく絵本です。
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『ずっとおともだち くうみと、こくうみ』|離れても、好きな気持ちは消えない
『ずっとおともだち くうみと、こくうみ』は、小さいころからずっと一緒だったくうみとこくうみが、小学生になる春を迎える絵本です。
楽しみにしていた学校で、ふたりは別々のクラスになってしまいます。
しょんぼりするこくうみ。
けれど、学校で過ごすうちに、新しい時間の中にも少しずつ楽しいことが生まれていきます。
離れることは、前の友だちを忘れることではありません。
新しい友だち関係に向かう前に、これまでのつながりも大切に抱えていたいときに。
変わる春の中で、残っている気持ちにそっと目を向ける絵本です。
仲よしの友だちと離れる春に。
新しい場所へ進んでも、大切な気持ちは消えないと感じられます。
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📘 入学前後の友だち不安をもう少し見たいときは、小学校入学前後の友だち不安に寄り添う絵本も参考になります。
話しかける・一緒に遊ぶきっかけが見つかる絵本
友だちとの関わりは、「こんにちは」と声に出す前から始まっていることがあります。
同じものを見て笑う、近くで遊びをまねる、相手の様子をちらっと見る。
まだ言葉にはなっていなくても、子どもの中では小さな関心が動いています。
この章で見るのは、声をかける前のためらいや、一緒に遊ぶまでの間にある気持ちを、物語の中で追える絵本・読み物です。
『ともだち ともる』|声をかける前の、静かなためらいに
『ともだち ともる』は、話しかけたいのに声をかけられないアマガエルとウシガエルを描いた絵本です。
お互いに「ともだちだったら」と思いながらも、最初のひと言が出てきません。
ある日、ふたりは寄り添って同じ夕陽を見つめます。
幸せな時間のあとに残る、前よりも深いさびしさ。
そこから、ウシガエルの声がようやく相手へ届きます。
「声をかけなさい」と急がせるのではなく、相手を思う時間ごと受け止めてくれるところが魅力です。
話しかける前で止まっている子の気持ちに、そっと灯りをともす絵本です。
話しかけたいのに、最初のひと言が出てこないときに。
相手を思う時間にも、友だちの始まりがあると感じられます。
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『もしかしてキセキ』|違う言葉の向こうにいる友だちと出会う
『もしかしてキセキ』は、一平くんのクラスに、メキシコから来たカルロスくんが転校してくる物語です。
カルロスくんは日本語を話せません。
それでも、ふたりの間には、言葉だけでは説明しきれない通じ合う時間が生まれていきます。
知らない国から来た子、まだ言葉が届かない相手。最初は遠く感じる存在も、同じ教室で過ごすうちに、少しずつ輪郭を持ちはじめます。
同じ言葉を話せることだけが、友だちになる条件ではない。
新しいクラスや転校生との出会いを前に、「知らない相手」との距離を親子で考えたい場面に重なる一冊です。
言葉や背景が違う子と出会う前に。
相手を知ろうとする時間の中で、友だちの入口が見えてきます。
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友だちとの違いを感じたときに読みたい絵本
友だちと過ごす時間が増えてくると、「同じ」がうれしい日もあれば、「違う」が気になる日も出てきます。
好きな遊びが違う。
話す速さが違う。
にぎやかな場所で平気な子もいれば、少し離れたところで見ていたい子もいる。
子どもはそうした違いを、言葉にする前から感じ取っています。
違いは、なくすものではなく、関係の中で少しずつ見えてくるもの。
この章では、自分と友だちが同じではないことに気づいたとき、親子で静かに開きたい絵本を見ていきます。
『きみとぼく』|違うところがある相手と、もう一度並ぶ
『きみとぼく』は、大きいぞうと小さいねずみの友情を描く絵本です。
大きさも重さも違うふたりは仲よしでしたが、ある日、ねずみの「ぼく」がずるいことをしてしまい、ぞうはどこかへ行ってしまいます。
違いがあるから助け合えることも、近い関係だから傷つけてしまうこともある。
物語は、同じになることより、相手を思ってもう一度向き合う時間を残します。
友だちと自分の違いが気になったときに、違うまま並ぶ関係を親子で見つめ直せる絵本です。
大きいぞうと小さいねずみ。
違うから離れるのではなく、相手を思って戻る時間まで描いた一冊。
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『ともだちのいろ』|好きな色から、友だちの違いにふれる
『ともだちのいろ』は、緑色のカエル、赤色の鳥、青色のトカゲたちが、犬のくろちゃんに「何色が好き?」とたずねる絵本です。
まっ黒なくろちゃんは、友だちの色を前にして答えに迷います。
赤、青、黄色、緑。色の違いがはっきり見えるからこそ、友だち一人ひとりの存在も自然に目に入ってきます。
「みんな違っていい」と言葉で説明する前に、ページの中の色と表情を追いながら、違いの楽しさに触れられるところが魅力です。
友だちと自分が同じではないと気づき始めた子に、色の世界からそっと手渡したい絵本です。
好きな色をたずねるやりとりから、友だち一人ひとりの違いが見えてくる絵本。
色の楽しさが、そのまま関係の入口になります。
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『うらがわ ともだち』|にぎやかな場所の外にある、自分の居場所
『うらがわ ともだち』は、休み時間にいつも「うらがわ」にいる子を描いた絵本です。
校庭の隅の茂みや、教室のカーテンのうら。そこでは虫たちも、自分も、好きに過ごしています。
にぎやかな教室が嫌いなわけではないけれど、「うらがわ」が好き。
その感じ方を消さないまま、新しい友だちとの出会いが描かれていきます。
友だちの輪にすぐ入らない姿を、心配だけで見ないために。
その子だけの場所や見え方を大切にしながら、人との世界が少し広がっていく絵本です。
にぎやかな輪の外にいたい子の気持ちに。
「うらがわ」という居場所から、友だちとの世界が静かに広がります。
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📘 友だちとの距離感や、関係のモヤモヤが気になってきたときは、友だち関係のモヤモヤに寄り添う絵本も参考になります。

友だちづくりを急がず見守る本|保護者向けの本と親子で読みたい絵本
子どもの友だち関係は、親が代わりに作ってあげられないからこそ、見ている側の心が揺れやすいものです。
「ひとりで過ごしていないかな」「本当は困っているのではないかな」。
何気ない帰宅後の表情や、短い返事から、親のほうが先に心配を広げてしまう日もあります。
この章では、子どもの友だちづきあいを知る本、親子で気持ちを確認する本、親の声かけを整える本を見ていきます。
子どもの世界に踏み込みすぎず、でも離れすぎずに見守るための本です。
『小学校が100倍楽しくなる 小学生のお友だちづきあい』|子どもの友だち観を、親も知っておきたいときに
『小学校が100倍楽しくなる 小学生のお友だちづきあい』は、小学生が友だちとの関わりを考えるための実用本です。
仲よくなるにはどうするか、トラブルのときにどう動くか、友だちはいないとダメなのか。
学校生活で出会う迷いや疑問を、現役小学校教師の視点から40のアドバイスで扱っています。
親が読むと、子どもの世界を先回りして整えるためではなく、学校でどんな場面に出会い、何に迷うのかを知る手がかりになります。
保護者向けコラムもあるため、入学後や進級後、友だちの話が増えてきたころの親子の会話に添えられる本です。
友だちの話が増えてきたころに。
子どもが学校で感じる迷いや疑問を、親も少し近くから見られる本です。
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『じぶんのきもち ともだちのきもち』|自分と相手の気持ちを確かめる
『じぶんのきもち ともだちのきもち』は、「きもちってなんだろう?」という入口から、自分の気持ちと友だちの気持ちを考える絵本です。
楽しい、くやしい、モヤモヤする。友だちと過ごす中で生まれる気持ちを、親子で言葉にしていく構成です。
「どうしたら仲よくなれるか」を急いで教えるより、そのとき自分はどう感じたのか、相手にはどんな気持ちがあったのかを一緒に確かめていきます。
友だちとの出来事を話すときに、正解探しの前で少し立ち止まれる本です。
友だちとの出来事が心に残ったときに。
自分の気持ちと相手の気持ちを、親子で一緒に確かめていけます。
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『子どものストレスと不安が軽くなる言語化 「べつに」を「あのね」に変える親のひと言』|親の聞き方を整えたいときに【保護者向け】
『子どものストレスと不安が軽くなる言語化 「べつに」を「あのね」に変える親のひと言』は、子どもの心を支える親の言葉かけや会話の工夫を扱う保護者向けの本です。
「べつに」「ふつう」と返ってくる言葉の奥に、まだ言葉になっていない不安やストレスが隠れていることがあります。
友だちづくりを直接教える本ではなく、親が聞き方を整え、子どもの話が出てくる余白をつくるための補助線。
入学後や進級後、友だちの話が途切れがちな時期に、親の声かけを見直すきっかけになります。
子どもが話さない時間にも、気持ちが何もないわけではありません。
親の不安を少し横に置き、どんな言葉ならそばにいられるのかを考えたいときに重なる本です。
「べつに」と返される会話の奥にある気持ちへ。
親の聞き方を整え、子どもの言葉を待つ余白をつくる本です。
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まとめ|友だちづくりは、絵本をひらきながら子どものペースで見守る
友だちづくりは、すぐに輪の中へ入れる子もいれば、少し離れた場所から相手を見ている時間が必要な子もいます。
まだ話せない日、ひとりで遊んでいる日、友だちの名前がなかなか出てこない日。
親としては心配になりますが、その沈黙の中で子どもはまわりの様子を見たり、相手との距離を測ったりしていることがあります。
絵本や本は、友だちを作るための近道ではありません。
けれど、話しかける前の緊張、一緒に遊びたい気持ち、自分と相手の違い、親の見守り方を、親子で少し落ち着いて見つめる時間を作ってくれます。
友だちが多いことを正解にしなくて大丈夫です。
子どもが今いる場所を見つめながら、その子の歩幅に合う一冊を選んでいきましょう。
新しい友だち関係の中で、お子さまが自分のままで誰かと出会っていけますように。
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