「ハロウィンの絵本」とひとことで言っても、おばけの描かれ方や物語の雰囲気、楽しみ方はさまざま。
図書館でも、秋になるとよく手に取られるテーマのひとつです。
ただ、選ぶとなると少し迷うところ。
おばけを見るだけで怖がる子もいれば、「トリック・オア・トリート!」と声を出したり、少しドキドキする物語を楽しんだりする子もいます。
年齢だけでは選びきれません。
この記事では、児童書専門の司書が選んだ14冊を、怖さへの反応や楽しみ方、家庭・園での読み聞かせ場面から紹介します。
違いを比べながら、ハロウィンの日に開きたくなる一冊を見つけてみませんか。
幼児向けハロウィン絵本の選び方とおすすめ早見
幼児向けのハロウィン絵本は、対象年齢が同じでも、おばけの描き方や物語の緊張感、しかけの有無で印象が大きく変わります。
怖さへの反応、声を出して参加したいか、家庭で読むか園で読むか。
年齢に加えてこうした違いを見ると、候補を絞る手がかりになりそうです。
まずは選ぶときに見ておきたいポイントを整理し、そのあと3冊の早見で違いを比べます。
幼児向けハロウィン絵本を選ぶポイント
迷ったときは、年齢表示だけでなく、絵本を開いたときの印象や、普段のおばけへの反応も手がかりになります。
👻おばけの表情や色合いを見る
明るくかわいらしい絵もあれば、夜の町や魔女が登場する作品もあります。
表紙や中面を見ながら、どのくらいの雰囲気なら楽しめそうかを考えてみるとよいですよ。
🎃ハロウィンの何を楽しみたいか考える
仮装や合言葉に触れる本、しかけや掛け声で参加する本、物語として夜の世界を味わう本。
お子さまがどこに惹かれそうかで、選ぶ本も変わってきます。
👻読む人数や場所も考える
しかけを指で動かしたり、細かな絵をのぞき込んだりする本は、親子で囲む時間に。
園で読むなら、掛け声をそろえたり、次に何が出てくるかみんなで考えたりできる本も候補になります。
🎃対象年齢はひとつの目安として見る
同じ年齢向けでも、文章量や絵の雰囲気には違いがあります。
数字だけでは分からない部分も、選ぶときに見ておきたいところです。
📘 ハロウィンだけでなく、落ち葉やどんぐり、秋の食べものや行事まで楽しみたいときは、幼児におすすめの秋の絵本19選も参考になります。
迷ったときのおすすめ早見
迷ったときは、楽しみ方の違う3冊から見てみましょう。
はじめてのハロウィンに
『やっぱり ハロウィン』
園の子どもたちが仮装し、合言葉を唱えながら町へ出かけます。
仮装やお菓子、いたずらなど、ハロウィンらしい場面を物語の中で楽しめます。
年齢目安:3〜6歳頃
おばけを怖がる子に
『リリとネネの おばけパンケーキ』
小さなおばけと動物たちが集まる、夜のパンケーキ屋さん。
かわいらしいおばけと食べ物の楽しさが前に出る物語です。
年齢目安:3〜6歳頃
親子や園で声を出して楽しむなら
『トリック オア トリート!』
「トリック・オア・トリート!」の掛け声に、あてっこやまねっこ。
聞くだけでなく、声を出したり予想したりしながら参加できます。
年齢目安:3〜6歳頃
はじめてのハロウィンに親しめる絵本
街や園にかぼちゃや仮装が増えても、幼児にとって「ハロウィン」はまだ輪郭のつかみにくい行事です。
そんな時期は、説明を重ねるより、仮装して出かける、合言葉を唱える、お菓子をもらう――そんな場面が物語の中でつながっている本から、行事の空気に触れるのもひとつ。
園児たちの一日を追う『やっぱり ハロウィン』と、ランタンまで楽しみが広がる『ハロウィンセブン』。
同じハロウィンでも、見えてくる景色の違う2冊です。
『やっぱり ハロウィン』|園のみんなと楽しむ、はじめてのハロウィン
『やっぱり ハロウィン』は、仮装して園に集まった子どもたちが、ひろみ先生と町へ出かけ、お菓子をもらって歩く物語です。
園長先生のところではお菓子がもらえず、子どもたちは本当に「いたずら」を考えることに。
仮装、お菓子、いたずらというハロウィンらしい楽しみが、園の子どもたちのにぎやかなやりとりの中に広がります。
はじめてハロウィンに親しむ子にも、行事のわくわくが伝わる一冊です。
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園のみんなと町へ出かけるわくわくの中で、仮装やお菓子、いたずらまでハロウィンの楽しさに出会えます。
『ハロウィンセブン』|仮装からランタンまで行事の景色が広がる
『ハロウィンセブン』では、園にやってきたセブンと仮装した子どもたちが、「トリック・オア・トリート!」の声を響かせながら家々を訪ねます。
仮装の列には小さなおばけまでまぎれ込み、にぎやかな展開の中でハロウィンの由来や楽しみ方にも触れていきます。
巻末には、ジャック・オー・ランタンやかぼちゃクッキーの作り方、ハロウィンで使える英語と音声も収録。
仮装のその先まで、ハロウィンの景色がぐっと広がりますね。
仮装だけで終わらず、由来やランタン、かぼちゃクッキーまで。行事の楽しみをもう一歩広げたい親子へ。
怖がりな子も楽しめるやさしいハロウィン絵本
おばけが出てくるだけで、少し身構える子もいます。
そんなときは、怖さをなくすことより、どんな表情で描かれているか、物語の中心に何があるかを見てみたいところです。
パンケーキを囲む時間、仮装の準備、友だちとの出会い。
この章では、おばけが登場しても恐怖だけに傾かず、かわいらしさや楽しさが物語を支えている3冊を紹介します。
『リリとネネの おばけパンケーキ』|小さなおばけとパンケーキを囲む夜
『リリとネネの おばけパンケーキ』では、パンケーキ作りが大好きなリリとネネのもとへ、小さなかわいいおばけが現れます。
パンケーキをごちそうしたことから、今度は3人で夜のパンケーキ屋さんを開くことに。
ふくろうやこうもり、ももんがも訪れ、おばけの怖さより、おいしそうなパンケーキと仲間が集う楽しさが前に出ています。
ハロウィンのおばけに少し身構える子とも、まずは「かわいい」「おいしそう」から楽しめる絵本です。
小さなおばけと、夜のパンケーキ屋さんをひらくことに。「こわい」より先に、「かわいい」「おいしそう」がこぼれるハロウィン。
『しろくまきょうだいのハロウィン』|お菓子と仮装、準備の時間も楽しみに
『しろくまきょうだいのハロウィン』に広がるのは、ポールとノエルがお菓子を作り、仮装のしたくをしながら迎えるハロウィンです。
絵本の中で作るクッキーのレシピに加え、表紙の「魔法使い」「悪魔」の仮装を楽しめる型紙と作り方も収録されています。
読む前のしたくから、読み終えたあとの手作りまで続くハロウィン。
「何を作ろう」「どんな格好にしよう」と、行事を待つ時間まで楽しみに変わっていきます。
お菓子を作って、仮装のしたくも。ハロウィンを待つ時間そのものが楽しみに変わっていきます。
『おばけくんのハロウィン』|ひとりぼっちのおばけと友だちの物語
『おばけくんのハロウィン』は、いつもひとりぼっちのおばけくんが、ハロウィンの日に仮装した子どもたちへそっと混じるところから始まります。
お菓子をもらったり一緒に遊んだりしていたところ、犬に吠えられ、驚いたおばけくんは思わず空へ。
「本物のおばけだと気づかれたかも」という緊張の先に描かれるのは、見た目を越えて心が通う友だちとの出会いです。
かわいらしさだけでは終わらない、小さなドキドキとあたたかさが残るハロウィン絵本。
ひとりぼっちのおばけくんが、仮装した子どもたちの輪の中へ。小さなハプニングの先に待つ、あたたかな友情。
📘 おばけや暗い場面そのものを怖がる子には、子どもの“こわい気持ち”に寄り添う絵本も参考になります。
しかけや掛け声で親子・園でも楽しめる絵本
ページをめくる、声をそろえる、次に何が出てくるか考える。
ハロウィン絵本には、聞いているだけでは終わらない楽しみもあります。
ここで紹介するのは、しかけや掛け声をきっかけに、子ども自身が物語へ加われる4冊です。
みんなで合言葉を唱える本、型抜きの向こうをのぞく本、フェルトをめくる本、最後には自分が変身する本。
読む人数やしかけの見え方によって、それぞれ違う楽しみが生まれます。
『トリック オア トリート!』|合言葉から始まる、みんなで参加するハロウィン
『トリック オア トリート!』を開くと、仮装した4人の子どもたちが家々のドアをたたき、合言葉を声に出しながらお菓子をもらって歩きます。
「だれが出てくる?」「どんなお菓子?」と予想しながら、聞き手も声を出して参加できる楽しさ。
ポケットがお菓子でいっぱいになったころ、町はずれの大きなお屋敷へ向かい、最後には蓄光インクでおばけが光る驚きのページが待っています。
親子でも園でも、掛け声をそろえるほどハロウィンの高揚感が広がっていきます。
声をそろえて、次の相手をあてっこ。最後の光るページまで、みんなで参加するハロウィンです。
『アンパンマンと トリック オア トリート!』|「だれかな?」を楽しむ型抜きしかけ
『アンパンマンと トリック オア トリート!』は、「トリックオアトリート」と声に出しながらページをめくる、型抜きしかけの絵本です。
ドアの向こうにいるのはだれなのか、見えている形を手がかりに親子であてっこする楽しみも。
アンパンマンとなかまたちの仮装を追いながら、ハロウィンの掛け声まで一緒に味わえます。
15cm四方の小さな判型だからこそ、そばでページをのぞき込み、「だれかな?」を交わしたくなる一冊です。
型抜きの向こうはだれ? 知っている仲間を手がかりに、親子で顔を寄せて楽しむハロウィン。
『ハロウィン いないいないばあ!』|フェルトの向こうから魔女やドラキュラ
『ハロウィン いないいないばあ!』で待っているのは、カラフルなフェルトの向こうに隠れた、まじょやドラキュラたちです。
フェルトをめくって「いないいない…ばあ!」――くり返しの遊びそのものが、ページを進める楽しさに。
最後まで「だれかな?」が続き、めくるたびに次の顔との出会いが待っています。
こわい物語を追うより、触ってめくる遊びの中でハロウィンのモチーフと出会えるしかけ絵本です。
フェルトをめくるたび、まじょやドラキュラが「ばあ!」。
触って、めくって、くり返す楽しさを小さな手に。
『ハッピー ハロウィン!』|最後は自分がかぼちゃのおばけに変身
『ハッピー ハロウィン!』の玄関には、おばけやオオカミ男など、ハロウィンのお客さんが次々とやってきます。
シルエットを手がかりに「こんどはだれかな?」と当てる、くり返しの楽しさ。
最後に現れた魔女が持ってくるのは、目と口に穴があいた「かぼちゃのお面」です。
ページに顔を合わせれば、今度は読んでいた子がジャック・オ・ランタンになって、ハロウィンの遊びへ仲間入り。
「だれかな?」と当てた最後は、自分もかぼちゃのおばけに変身。見る側から遊ぶ側へ飛び込むしかけ。
おばけや魔女の物語を少しドキドキしながら楽しむ絵本
「ちょっとこわい。でも、続きは気になる」。
そんなドキドキも、ハロウィン絵本ならではの楽しみです。
この章では、夜の町で魔女やおばけに出会う物語や、祭りへ向かう小さな冒険、夕暮れの光と影の中で心が動く物語を紹介します。
かわいらしいハロウィンから少し先へ、物語の緊張感も一緒に味わいたいときの3冊です。
『ぞくぞくうきうきハロウィン』|夜の町で味わう、ハロウィンのぞくぞく感
『ぞくぞくうきうきハロウィン』の子どもたちは、おばけの格好をして、いつもとは少し違う夜の町へ出かけます。
はりきる魔女やおばけが現れ、物語は真夜中の12時へ。
「次は何が出てくる?」という期待と、少し身構えるようなぞくぞく感が重なります。
かわいらしいだけではない、ハロウィンの夜らしい緊張まで味わえる物語です。
いつもと違う夜の町、魔女やおばけ、真夜中の12時。少し身構えるぞくぞく感まで、ハロウィンの楽しみに。
『おばけのルルンとハロウィンのともだち』|迷子のかぼちゃおばけと祭りへ
『おばけのルルンとハロウィンのともだち』のはじまりは、道に迷ったかぼちゃのおばけ・ペポちゃんが、ルルンの家を訪ねてくるところから。
ペポちゃんに頼まれ、ルルンも一緒にハロウィンのおまつりへ向かいます。
知らない相手との出会いから始まる、小さな冒険。
にぎやかな行事そのものより、ふたりがどんなハロウィンを迎えるのか、その先を追いたくなる物語です。
迷子のペポちゃんと、ルルンがおまつりへ。
知らない相手との出会いから、小さな冒険が動き出します。
『まほうのハッピーハロウィン』|夕暮れの光と影に心の動きを重ねて
『まほうのハッピーハロウィン』は、手作りの衣装でパレードに参加するみのりと、初めてのハロウィンに緊張するいとこのあきとを描きます。
「トリック オア トリート」と言いたくても声が出ないあきとに寄り添いながら、暮れゆく町を進むふたり。
にぎやかな仮装の景色の中で浮かび上がるのは、恥ずかしさと、そこから踏み出す小さな勇気です。
おばけの怖さとはまた違うドキドキを、心の動きと一緒に味わえるハロウィン絵本です。
「トリック オア トリート」と言えずにいるあきとの緊張を、夕暮れの町の景色とともに描きます。

※絵本はイメージです
海外のハロウィン文化やランタン作りに触れられる絵本
仮装した子どもたちが家々を訪ねてお菓子をもらい、かぼちゃからジャック・オー・ランタンを作る。
絵本を開くと、日本で親しまれているハロウィンとは少し違う、海外の暮らしの中の過ごし方が見えてきます。
説明として覚えるのではなく、ページを追いながらハロウィンの文化や楽しみ方に出会える2冊です。
『きょうはハロウィン』|ケンちゃんと歩くアメリカのハロウィン
『きょうはハロウィン』ではじめてアメリカのハロウィンを体験するのは、日本から引っ越してきたケンちゃんです。
近所の子どもたちと仮装し、「トリック・オア・トリート!」と家々を回るうち、知らなかった町の行事が少しずつ見えてきます。
やがてたどり着く、町外れの古びた家。窓に映る暗い影にどきっとする場面も、夜のハロウィンらしい空気を深めます。
説明で文化を覚えるのではなく、ケンちゃんと町を歩くように、アメリカのハロウィンを味わえる物語です。
ケンちゃんと近所の子どもたちについて家々を回るうち、アメリカのハロウィンの夜が目の前に広がります。
『ハロウィンのかぼちゃをかざろう』|畑のかぼちゃがランタンになるまで
『ハロウィンのかぼちゃをかざろう』がたどるのは、かぼちゃを手に入れるところから、ジャック・オー・ランタンに灯りがともるまでの時間です。
てっぺんを切ってもらい、種やわたを取り出し、顔をくり抜いていくうちに、いつものかぼちゃが少しずつハロウィンの姿へ変わっていきます。
できあがったランタンを飾るところまで、準備そのものが行事の楽しみに。
「どうやって作るの?」という興味から、海外で親しまれているハロウィンの過ごし方へ目を向けられる絵本です。
かぼちゃを選び、くり抜き、灯りをともすまで。
ジャック・オー・ランタンができあがる時間を追う一冊。
絵本と一緒に楽しむ幼児向けハロウィングッズ
絵本を開くだけでも、ハロウィンの気配は十分に楽しめます。
そこへ秋色の飾りをひとつ添えたり、いつもの服で小さな仮装をしたり。
読後の時間を家庭の中へ少し広げる、絵本のある空間になじむ2点を選びました。
秋色のリースで絵本を読む空間に季節感を添える
mamawreath「大きいオータム松ぼっくりリース WR-52-A」は、松ぼっくりや乾燥させた草木を使った秋色のリース。
オレンジを基調とした温かな色合いで、ハロウィンから晩秋まで飾れます。
天然素材ならではの色や形の違いも、このリースの表情のひとつ。
松ぼっくりと秋色の草木が、ハロウィンから晩秋まで絵本のそばに季節の景色を添えます。
黒猫の耳としっぽで小さな仮装を楽しむ
Meri Meri「ドレスアップキット ブラックキャット」は、猫耳付きヘッドバンドとしっぽの、3歳以上向け仮装セットです。
普段着に加えるだけの小さな仮装で、黒とピンクを組み合わせたデザイン。
絵本を読む時間にも取り入れられる、ささやかなハロウィンの装いです。
猫耳としっぽを普段着に添えて、黒猫の小さな仮装を楽しめるセットです。
まとめ|幼児に合うハロウィン絵本で秋の行事を楽しもう
秋になると、街や園にもハロウィンの景色が増えてきます。
絵本を一冊ひらくだけでも、その季節を家の中で味わう時間に。
にぎやかに笑う本も、静かに物語へ入る本も、それぞれ違うハロウィン。
毎年同じ時期に読み返せば、子どもの反応の変化に気づくこともあります。
気になった一冊があれば、今年の秋の思い出と一緒に本棚へ迎えてみてください。
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